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エピソードガイド詳細版: 西部二人組

第5話 "The Girl in the Box Car #3" 「貨物列車の女」

泊めてください!
放送日1972/5/20
監督Leslie H. Martinson
原案Gene Roddenberry
脚色Howard Browne
ゲストAlan Hale Jr.:アンドリュー・グリーア[ Andrew J. Greer ]
   Heather Menzies:アナベル[ Annabelle Considine ] (声:二木てるみ
   John Larch :グリフィン[ Griffin ]
   Royal Dano:ランバート[ John Lambert ]
   Conlan Carter:ブリーン[ Breen ]
   Jack Garner:スティシー[ Stacey ]
   Claudia Bryar:ランバート夫人[ Minerva Lambert ]
   Michael Carr:ブリックス[ Briggs ]
   Liam Dunn:電信士[ Telegrapher ]
   Ray Ballard:ホテルクラーク[ Hotel Clerk ]
   Raymond Guth:農夫[ Farmer ]
   Norman Leavitt:駅馬車夫[ Wagon Driver ]
(音楽)
ノース・リムの町   (音楽)
さびれている
馬で来る二人

銀行一時閉鎖

弁護士 アンドルーア・グリーア

ブラインドの穴から法律事務所をうかがうマイク一派

オフィス   (ノック)
入る二人

グリーア:まずは手紙を

カーリー封筒を出す

グリーア:ハーパー大佐からじきじきに?
カーリー:そうです
グリーア:どんな人だ?
カーリー:背丈はあんたぐらいで白髪 ここんとこにホクロ
ヘイズ :目ン玉は四十五口径のタマみたいで
グリーア:よろしい掛けて 君らが仕事を引き受けてから事情が変わってね
ヘイズ :変ったってどう?
グリーア:危険になったんだ
二人  :キケン?
グリーア:そうだ
ヘイズ :そりゃまあ五万ドルの金を六○○キロ運ぶんだ多少の危険はあるでしょうよ
グリーア:いや命もあぶないのだよ
     この辺のやつは私が銀行の閉鎖の前に金を引き出したことを知っておる
     しかも不況でみんな荒れておるからな いまこの向かいに誰かいたかね?
カーリー:ええ二三人歩いてたようだけど
グリーア:この五日間夜昼なしに見張られておるんだよ
     この前の夜なんか家捜しされたぐらいだ
ヘイズ :ふーん なるほどこらあ危険ですね
グリーア:まあ金庫がしっかりしてるんで助かったがね 金はまだ中にある
カーリー:じゃ早いとこ持ち出した方がいいね
グリーア:いや今はまずい 朝の三時に来てくれ ここからがいい
     誰だといったら五回ノックすること 君らほんとにやる気かねこの仕事?
ヘイズ :ええわるい?
グリーア:わるい? (笑って)大佐によほどいい報酬を出すといわれたね
ヘイズ :いやー 大佐と知事が親しくてね
     その知事とこっちは先々大事な取引があるもんで
グリーア:なるほど それで心証をよくしとこうとね 私なら二の足ふむところだが


向かいから覗いているグリフィン   (音楽)

路地
二人来る   (音楽)

カーリー:おこんばんは
男 : (うめき)

見張りを縛りあげる

(ノック)

グリーア:誰だ?

(ノック)
オフィス

グリーア:何かあったのか?
カーリー:なに大したことは・・・ 縛り上げときましたよ
グリーア:やっぱり張り込んでたか
ヘイズ :何してるんです?
グリーア:だって金勘定するんだから暗くちゃできまいが
ヘイズ :それにしても派手に照らしすぎるよ
グリーア:いやもっともだ 私は弁護士でねこういうことには慣れておらんのだ
カーリー:とにかく早番でやっちゃお

向かいの店

ステイシー:どうした?
ブリッグス:ゴソゴソやってるよ ランプがついた なんかやってんだ
ステイシー:マイクにいってこい

オフィス

グリーア:預かり書にサインをたのむよ 五万ドル確かに預かりますってことでね
     それにはまず金額を確認してもらわなくちゃ

札束を勘定する二人   (音楽)

ヘイズ :そっちは
カーリー:ニ万三千
ヘイズ :じゃ間違いない 五万ある 入れろ

向かいの空き家

マイク :人がいるって?
ステイシー:裏口の見張りは誰だい?
マイク :ブルースターだ 様子を見にブリーンをやったところだ

オフィス

グリーア:じゃそれにサインして出発してくれ
     待て 君らだけが頼りだ たのむぞ

出る二人   (音楽)
     (男のうめき)

馬で出る
飛び出す男たち

ブリーン:なんか持ち出したぞあいつら!

     (音楽)

カーリー:じゃヘイズさんよ やつらのおびき出しは任したぞ
ヘイズ :お前もぬかるなよこいつは恩赦の点数かせぎなんだからよ

カーリーと分かれへイズ馬をとばす  (音楽)
マイクたちの一段追う
馬つまずいて落ちるヘイズ  (いななく)
取り囲まれる

ステイシー:どっちの馬にも何にも積んでねェな
マイク :どこで相棒と別れた?
ヘイズ :相棒って? (殴られて うめき)
マイク :どこで別れたんだ相棒と?
ヘイズ :いうよいいますよ 実は路地にもう一頭馬を隠しといたんだ
     あいつはそれに乗り替えた (また殴られて うめき)
マイク :ウソぬかせ! 馬は二頭しかないこの二頭だ
     馬屋はおれの仲間だ もう一頭仕入れりゃ知らせてくる
     さあいえもうひとりは?
ヘイズ :さあそれがどこへ行ったのか・・・
     (マイク手をあげる)あ待った! 農場に隠れてんだ 町を出たところの
マイク :誰の農場だ?
ヘイズ :ジョンスンて人の
マイク :ブリーン この辺にジョンスンて農夫がいたかなあ?
ブリーン:考えたつもりだろうけど だめだね ジョンスンなんてやつはいねェよ
マイク :もう一度だけ聞いてやるから素直に吐け いやならぶっ殺してコヨーテのエサだぞ

   (汽笛、汽車)

ステイシー:マイク あらあ汽笛だ
マイク :そうだ 貨物列車だろう何だい?
ステイシー:いやね― 汽車の時間を勘定に入れてりゃ馬を捨てても行けると思ってさ

カーリー汽車に飛び乗る   (音楽)
貨車

アナベル:あたし結婚を申し込まれちゃって 必死で頼むのよその相手が 
     ハネムーンにはヨーロッパへ行こうって 美術館も見てまわろうって 
     ルーブルの 大きな寺院なんかもいっぱいあって 素晴らしいんですってヨーロッパは
     うっとりしちゃったわ パパも連れて行ってやるっていってたけど
     銀行の方がとっても忙しくてね待ってたっていつのことになるかわかりゃしないわ
カーリー:相手はなんて人?
アナベル:レジー 正確にはレジナルド・バンデミーターよ
     東部のニュー・イングランドの人で四百人のひとりよ
カーリー:四百人て何?
アナベル:上流社会のグループよなにも知らないのね
カーリー:そりゃ関係ないもん
     じゃ尚更惜しいじゃないどうして結婚しなかったの?
アナベル:そりゃ愛してないからよ 愛のない結婚なんてあたしにできると思います?

追う一団      (音楽)
ヘイズ馬を進める

貨車

カーリー:君いくつ?
アナベル:ニ十一よ
カーリー:ほんとの年
アナベル:十七
カーリー:フィラデルフィアからどうしてこんな所へ?
アナベル:脱都会よ 刺激と冒険を求めて来たの 庶民に会って その生活を知りたくて
カーリー:それなら貨車の旅ってのはどうかなあ ふつうの汽車の方が色んな人と知り合えるよ
アナベル:それじゃありふれててつまんない あたしが考えるにはね
     女性も世帯をもって落ち着く前に命ギリギリの体験をするべきよ そう思わない?
カーリー:まあ損にはならないよね そういうのも

馬でくるマイクら   (音楽)

貨車

カーリー:ここっていう目的地はあるの?
アナベル:最後にはサンフランシスコへと思ってるけど あそこは一流ホテルがあるから
     泊まりやすいし 高級レストランがあるでしょ 美食家にはぴったりよ
カーリー:美食家なら高級サンドイッチのひとつやふたつはもってるだろう
アナベル:あら貨車の旅にそんな気のきいたもの持ってるわけないでしょ
カーリー:いつ食ったきりなんだ?
アナベル:きのう
カーリー:きのうのいつ?
アナベル:朝
カーリー:じゃおれが聞いてやんなかったらすきっ腹かかえたままだったのかい
     わかりませんね上流社会のお嬢さんのやることは
アナベル:面白がってるのね
カーリー:飢えてる人間を笑うほど趣味は悪くないよ

鉄道の電信室

マイク :じゃ貨物列車はそこでしばらくとまるんだな
駅 員 :いやひと晩とまっちゃうんですよ燃料と水を補給して貨物を積み込むからね
     しかし小さい駅だから電信設備なんざありませんよ
マイク :じゃ終点までにいくつとまるんだ?
駅 員 :六つか七つ 牛を積み込んだりしてね まあ長い道中ですよあらあ
マイク :何回ぐらいやるんだ?牛の積み込みは
駅 員 :うーん ニ回かな

ヘイズ進む   (音楽)

貨物列車徐行してくる

(屋根の足音)
アナベル:あれ何?
カーリー:係りだよ
アナベル:なに?
カーリー:ブレーキマン
     貨車のただ乗りやろうって人がそれくらいのこと知ってなきゃだめじゃないの
アナベル:なんでとまるの?
カーリー:うーん水と石炭の補給だろ
アナベル:石炭?
カーリー:燃料だよ
     石炭をたいて水を暖める 水は蒸気になってシュッポッポと車輪をまわして―
アナベル:汽車が走る えらいのねあなたって 色んなこと知ってて
カーリー:庶民もバカではないよアナベル (列車とまる)給水にとまったんだな
     この間に食料を調達してくるか 近くに農家があるから
     おれがおりたらね 戸をしめてスキ間から見てろ それで戻ってきたら
     サッと戸をあけてくれ 見つかったら降ろされて歩きになるからね いいね
アナベル:わかった

カーリー降りて隠れる   (音楽)

汽車
点検するブレーキマン    (音楽)
カーリー戻ってくる
列車出る  (汽笛)
走りよるカーリー
ブレーキマン蹴飛ばす
倒れるカーリー
走り去る列車

農家の納屋

カーリー:三十 三十五 四十ドル
農 夫 :ぜいたくいわなきゃ結構いい馬ですぜ
カーリー:ゆうべの夢見もけっこうよかったのになどういうんだろ?
農 夫 :上品なメス馬だよ プリンセスて名前だ

カーリーやせ馬でトコトコ来る  (音楽)
線路を歩いてくるアナベル

カーリー:アナベル!  (音楽)
     よかったあ!
アナベル:あたしのこと?サドルバッグのこと?
カーリー:ああ・・・ そりゃ君のことさ だいじょうぶ?
アナベル:だいじょうぶじゃないッ
     胃袋からっぽで何キロもあるいたからもうクタクタよ それに寒いし

カーリー、コートをかけてやる

カーリー:なんで汽車をおりて来たんだ?
アナベル:だっておりてあなたを捜さなきゃ食べ物にありつけないでしょ
     だから歩いたの (ハッ) それに―
     あなたがいないと あの貨車の中さびしくて だから徐行したときと飛び降りたの
     どこにあるの?
カーリー:何がどこ?
アナベル:買いに行ったんでしょ 食べ物 なんにもなかったの?
カーリー:いやあアナベルごめん 食べちゃったんだ
アナベル:全部?
カーリー:全部
アナベル:じゃもう一度工面してきてよ 荷物もって捜しに来てあげたんだもの

貨物列車の最後部

ブレーキマン:空の貨車なら調べたとこだ
       十分ぐらい前だったかなタダ乗り野郎はみんな追い出したよ
ステイシー:それじゃノース・リムを出てから飛び降りたやつはいないかね
ブレーキマン:いないね もっとも乗ってきたやつはいたけどな
       給水でとまったときだったよ おれが蹴落としてやった
       野郎ガックリきてやがったなあンときは
       そういやあンときのやつお前さんらのいってる野郎に似てるな
       あれじゃねえかな

農家   (風)
(ノック)

ランバート:だれですか!
カーリー:ちょっとあけて頂けませんか
ランバート:何だね?誰だね?
アナベル:すみません入れてください

(ドア)

カーリー:あー すみませんお邪魔して
     何でもいいんです食料を分けてもらえませんか
ランバート夫人:どうしたんですこんな時間にあなた?
カーリー:はあ― それが― 実はぼくたち・・・
アナベル:ハネムーンの途中なんです ところが馬車がこわれちゃったもんで
     もうさんざんなんです 馬は一頭しかないしもう・・・(泣く)
ランバート夫人:かわいそうにまあ!新婚旅行だってのにそんな難儀して
        さあさ火にあたって暖まって暖まってその間にスープを熱くしますからね
ランバート:ほらつっ立ってないであんたも入って入って
      奥さんとあったかいものでも食ってくれ
カーリー:すみません

台所

アナベル:ほんとに何とお礼をいっていいのかおかげで主人もあたしも助かりましたわ
     こういう 心暖まるご親切
     子どもができたらこのことちゃんと話してやりましょうよねあなた
     三人はほしいんですの 子どもね
カーリー:あの― お宅のお子さんはもう独立してるんですか
ランバート:うちは子宝に恵まれなくてね
      ま子どものことで― 苦労するよりはましかな ちょっと失礼
カーリー:さてそれじゃ出かけるかな
ランバート夫人:あら何をいってるんですよ!あなたあ!この人出かけるなんていってますよ
        冗談じゃありませんよこんな寒い晩に!
        それじゃ奥さんがかわいそうじゃないですか許しませんよあたし
        ねあなた
ランバート:まあ今日はうちで泊まるんだな
カーリー:あの― ぼくもそうしたいんですけど事情がありまして・・・
アナベル:だめですよ こんな夜の夜中に馬の背中で揺られるなんてあたしはいや
     男とちがうんですからね ねあなた
ランバート:それで決まったな ここには余分の部屋はないけどな
      寝るのは納屋でも寝られるから 藁の寝床でも布をかけりゃ暖かいもんだよ
      いっしょに来なさい
カーリー:どこへやった?
ランバート:何だね?
カーリー:サドルバッグだあそこに置いといた
ランバート:ああ あれなら奥さんのものと一緒に押し入れに入れといたよ
カーリー:すみませんランバードさん 新婚旅行でこんな目に会ったもんで気が立ってつい・・・
     でも納屋へ行くなら荷物持って行きます その方がいい

   (音楽)

納屋
寝支度をするカーリー   (風)

アナベル:あんなヨボヨボの馬でトボトボ行くよりはこの方がずっとましでしょう
カーリー:わかってるよだからこうしてんじゃないの
アナベル:一緒に泊まることにしたのだってあなたを信用してればこそよ
カーリー:ありがとよ さあ― サンフランシスコのホテルには及びませんがね
     寝心地は悪くないよ
アナベル:ありがとう
カーリー:ほらほら もぐり込んで 明かり消すよ 社交界のおかたはクツをはいて寝るの?
アナベル:お宅のようにルンペン生活の知恵がないもんですから
カーリー:何でも経験じゃなかったのかい見習うんだな (うーん)

寝つかれないアナベル (息)

カーリー:リラックスしろよアナベル すぐ慣れるからさ
アナベル:リラックスしてますよオ (音楽) 寒いのよ
カーリー:そっちの毛布もかけてもぐり込め
アナベル:いっとくけどこれ幸いと手を・・・
カーリー:手も足も出やしないから

アナベルくっついてくる

アナベル:寒くて寝られないからよ
カーリー:おれもそうなんだ 君と毛布が来てくれたのはありがたいよ
アナベル:寒くさえなきゃこんなこと絶対しないんだから ほんとよ
カーリー:わかってる、わかってる
アナベル:誤解しないようにね
カーリー:しない、しない もう寝られそう?
アナベル:ええ
カーリー:アナベル
アナベル:なに?
カーリー:君はすごいウソつきだね
アナベル:だけどあのときはああいわなきゃしょうがなかったでしょ
     ふたりのあの顔じゃ夫婦とでもいわなきゃ中へ入れてくれなかったから
カーリー:あれはもういい おれがいってるのはほかのことだ
     あっちこっちで話がくいちがう ウソはうまくないな やめた方がいいよ
アナベル:全部がウソじゃないわ ちょっとオーバーにいってみたかったのよ
     その方が話が面白くなるでしょ
カーリー:じゃひとつ聞いときたいね
アナベル:なに?
カーリー:ほんとは何から逃げて来たんだ?
アナベル:ああ・・・
カーリー:ほんとはどこへ行くんだ?
アナベル:だからいったじゃない あれはほんとよ 縁談がいやで逃げ出したのよ
カーリー:上流社会レジナルドさんかい
アナベル:そこンとこは違うけど・・・
カーリー:じゃどこへ行くんだ?
アナベル:パパのとこよ
カーリー:銀行家の?
アナベル:そこンとこもちょっとちがうの でもほんとに紳士よ それに生粋の貴族で
     暮らしに余裕があって 礼儀正しくて 風格があって
カーリー:それが子どもを貨車に乗せるの?
アナベル:いえ・・・
カーリー:余裕あるねェ
アナベル:あたしが会いに行くことは知らないのよ だからよ
カーリー:うまく会えるのかな
アナベル:大丈夫よ キングスバーグにいるから
カーリー:キングスバーグ?
アナベル:なにびっくりしてるのキングスバーグに居ちゃ悪いの?
カーリー:いやあ別に ただおれも行くんでね
アナベル:ほんとォ! じゃパパを知ってるかも 名前はねデコーシー・コンシダイン
カーリー:いやそういう人は知らないな あそこへは仕事でちょっと行くだけだ
アナベル:じゃあたしたちいっしょに行けるのね
カーリー:別れることもないからね
アナベル:急に嬉しくてあったかくなっちゃった もうねむい
カーリー:よかった 朝まで話をするのはつらいからな じゃお休み
アナベル:こんなこと― してるのにまだあなたの名前知らないのよ
カーリー:ジョーンズだよ
アナベル:あんたもウソつきじゃない
カーリー:ありふれた名前だけどほんどだよ
アナベル:大勢いるもんね そのひとりに合ったわけね お休みなさいミスタ・ジョーンズ
カーリー:お休みアナベル

翌朝   (音楽)
バックを調べて安心するカーリー  (ニワトリ)

アナベル:よく寝るわねェ感心しちゃった

カントリーサイド
荷馬車の男にきくヘイズ

ヘイズ :すみません友だちを捜してんですけどね
  男  :アそう
ヘイズ :そいつこの向こうで葦毛の馬を買って鞍なしで乗ってるんですがね
     この辺で見ませんでしたか?
  男  :葦毛の裸馬ねェ さあ見てないなあ
ヘイズ :いやどーも  ほう

カーリーとアナベル馬で来る    (音楽)
追ってくるマイクの一団
  (銃声)

アナベル:あぶないわ逃げて!
カーリー:そうしたいがね このばあさんじゃ無駄だよ ごめんよ

たちまち取り囲まれて

マイク :若いの馬おりろ
カーリー:狙いはおれだ君は― おとなしくしてりゃ心配ないから

  (音楽)

ブリーン:あれェどっかで見た顔だなあ
アナベル:お人違いでしょ

マイク、バッグから札束を出す 上だけ本物であとは新聞紙
アナベルのカバンを調べるが何も出ない
逆上するマイク ガンを抜く
とめるステイシー

マイク :(ノヤロー!)
ステイシー:待て!マイクやめろ!

  (銃声)

マイク :はなせ! やってやるもう!
ステイシー:血迷うな
マイク :わかったよ ああ― ニ三百あるだろう 集めとけ
     追いつかれると思ってたな
     それであんな小細工をして俺達をひっかけようとしたんだろう
     そうはいくかっての ゼニはどこだ?
カーリー:グリーアさんが見せたのはあの札束なんだ
     だから金々っていうんならあの人にきいてもらわなきゃしょうがないだろう
マイク :あいつは弁護士だ盗むわけはない
カーリー:さどうかな 五万ドルの預り書にサインさせたからなあ
     あの人がちょろまかしてもおれたちの罪になっちゃう
マイク :何言ってやがる金を数えもしないでサインする奴がいるかよ
カーリー:弁護士がごまかすわけないって言ったじゃない おれも信用したよ
マイク :(ガンを抜いて)ウソつけこのー!
     こうなったらもう四の五の言わせねェ素直に吐くか死んでもらうかだ
ステイシー:まあ待てマイク ちょっと話がある お前目を離すなよ

グリーン:あッ思い出した プリングルじいさんの孫娘のアニーだアニー・コンシダインだ
     俺覚えてねェかなあホレ先々月のダンスパーチーで会ったろうが
     しかしあんた嫁に行ったんじゃなかったかなあ小麦つくりの農家に

マイク :よし二人とも行っていい
ブリッグス:いいのかおい信用しちゃってェ
ステイシー:札がインチキと分かった時の顔があらあ本物だ
      あのたまげた顔は芝居じゃできねェ
グリーン:じゃゼニは?
ステイシー:こいつが言った通り弁護士野郎がにぎってんだよ
マイク :言っとくけど 俺達は強盗でも追いはぎでもない
     あの銀行がつぶれて預金をなくした者ばかりなんだ 自分の金を取り返したいんだ

馬で去る一同

カーリー:さいって どこだ? ゆうべおれが寝てる間にバッグから出したんだろう?
     それをどこへ隠したさあいってもらおうじゃないか
アナベル:何いってるのよ! お金をもってるなんてことも知らなかったのに
カーリー:まあよくきいてくれ ノースリムの町を出るときはこの中に五万ドル入ってたんだ
     君がとらないんなら誰がとったんだ?
アナベル:弁護士だって自分でそういったじゃない
カーリー:あれはあいつらの前だから ほんとはちゃんと調べてつめたんだ
     それ以来バッグから目をはなしたことはない
     見てなかったのは貨車を降りたときと夕べ寝てたときだけだ
アナベル:(泣く)
カーリー:もういい もういいよもういいから泣くな 答えはもうひとつある
     君がやってないんならランバート夫婦の仕業ってことになる
アナベル:あんないい人たちが?ひどいわそれじゃあんまりよ
カーリー:しかしほかに考えようがないだろう君かあのふたりだ
     いっしょに引き返してもらうよお金を取り返すまでは絶対君から目をはなさないから
     君は結婚してたのか?農夫とかと
アナベル;してない 結婚なんかより色んなもの見て色んな人と話したかったのよ
     なによ農夫なんか 話すといえば天気と牛とブタと麦の値段ばかり
     あたしは農家の嫁ではおわらないわ もっとちがった生き方をするパパみたいに
カーリー:どうちがう?
アナベル:パパは紳士よ

   (音楽)

居間   (音楽)

カーリー:気にさわるでしょうがねランバートさん
     ノース・リムとここの間で誰かがおれの金をかすめ取ってるんですよ
     そいつは新聞紙で札束をつくってごまかした こういう新聞紙で
ランバート:あれだけ世話になっときながら
      わしらを盗ッ人呼ばわりするのかたたき出すぞこの野郎!
カーリー:おれだってこんなことはいいたかないですよ でも金はだれかがとってるんだから
     この女か あんただ
ランバート夫人:自分の奥さんが?
カーリー:とにかくあれがないと困るんだ 返してくれ
ランバート夫人:なんてことをまあ!
カーリー:たのみますよ奥さん おれもつらいんだ世話やかせないで下さい
     じゃ家捜しさせてもらいますよ 家の中も納屋もぜんぶ
ランバート:そんなことは保安官を連れて来てからいえ!

ランバートライフルをとる
もにあってとりあげるカーリー

ランバート:(あえぎ)
カーリー:あきらめるんですね じゃ見せてもらいます

家捜しするカーリー  (音楽)
部屋の前

カーリー:ここのカギは?
ランバート:そこだけはあけてくれるな
カーリー:カギを出して
ランバート夫人:この部屋のカギはないのよ ウソじゃないわ捨ててしまったのよ
カーリー:カギがないとなると撃ってあけるしかないな
ランバート:やめてくれこの部屋だけは入るな

  (銃声)

ドアあける
クモの巣のはった子ども部屋          (音楽)
かつて子どもが生きていたころのままにしてある

カーリー:とんだことを・・・ あとで錠前は直させてもらいます
     申し訳ないことをしました

納屋
マイクらいる   (音楽)

マイク :にらんだ通り舞い戻ったな
カーリー:それがどうした 念のため当たってるだけだ 金はやっぱりグリーアのとこだ
マイク :かもしれん だからグリーアを調べにやった
ランバート:なんだお前らは!人の家にズカズカ踏み込んで!
マイク :うるせェ
ランバート:出て行けわしの家だぞ!

もみあう一同
ヘイズ :ハイそこでおしまいッ!

ガンかまえてヘイズ来る

ヘイズ :ハッ ご苦労さん

駅 汽車入る    (鐘)
降りて来るカーリーたち

グリーア:やあどーもどーも よく来られたねえらい だめだと思っておったよ
カーリー:金はないですよ といってもたまげた顔はしないだろうな
グリーア:ええまあ・・・ やっぱり途中でなんかあったんだね
カーリー:金はどこへやった?
グリーア:いや訳をいおう
     実は君らに任せるか それともオトリにしといて 自分で運ぶかで迷ったんだ
     でまあ結局― 自分で運んだわけさ
カーリー:しかしどうやって新聞紙の束をバッグに入れた?
グリーア:預かり書にサインしてるスキに別のバッグとすり替えたんだよサッと

殴ろうとするカーリーをヘイズとめて

ヘイズ :まままー カッカしない 頭冷やして こいつが頭に来るのも無理ないですよ
     こっちはいかれたのかと思って油汗たらしたんだから
グリーア:盗られたと思ったのかね
ヘイズ :そう
グリーア:ところが無事 終わりよければすべてよしさ(笑い)
ヘイズ :(笑って)そうおわりがよけりゃ文句なし
ヘイズぶっ飛ばす   (音楽)
アナベル、カーリーを殴る

カーリー:何だい?
アナベル:泥棒だっていったからよ さあ謝って謝らなきゃもう一発いくわよ
カーリー:謝るよ謝ります ごめんなさい

    (汽笛)

ホテル ロビー

ヘイズ :頼むよ 部屋はふたつねひとつはお嬢さんのだからフロ付きで
クラーク:ああはいはい
アナベル:あのー あなたデコーシー・コンシダインて方ご存知ないかしら
クラーク:どなた?
アナベル:デコーシー・コンシダインですが
クラーク:さあそういうかたは・・・ ああ ディックね ディック・コンシダインでしょ
     知ってます
アナベル:どこでしょう?
クラーク:酒場にいますよ
アナベル:酒場?
クラーク:そうですよ あそこへ行けばいつでもお会いになれます 夜でも昼でも
アナベル:いつでもというのはどうして?
クラーク:入りびたりだからですよ ディックは金があるときは自分でポーカーをやる
     文無しのときは店の胴元でやってます 今もそうですよ さっき覗いたらやってた
     フン 胴元でカードを配ってたね

     (音楽)

アナベル:どーも
クラーク:お宿帳にサインして下さいな

     (音楽)

カーリー:部屋をとって休んだがいいよ フロにでも入れば気分もよくなるから
アナベル:今だっていいわ
カーリー:そう じゃサインして
アナベル:いいの ニ時間後に下りの汽車が来るわ それに乗ります
カーリー:どこへ行く?
アナベル:家よ 家へ帰るの
カーリー:結婚するの?
アナベル:そう― いつかね するつもり
カーリー:じゃあれはもうやっちゃったわけ? ギリギリの体験とかいうのは
アナベル:そう もう終わったみたい

     (音楽)

カーリー:いいだろう 帰るのもいい
     でもその前にフロに入って着替えてさっぱりしてよ

駅    (音楽)
キスをするカーリーとアナベル   (汽笛)

アナベル:パパに会ったらいっといてね あたしは大きくなってしあわせだって
カーリー:自分でいったらどうだい パパに会ってさ
アナベル:だめ その勇気はないわ

     (汽笛)

アナベル:パパのことだけはウソじゃなかったでしょう ここにいるのよ この町に

汽車出る    (音楽)

                           おわり
西部二人組
貨物列車の女/完

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