エピソードガイド詳細版:西部二人組

第6話 “Return to Devils Hole”「悪の古巣へ舞い戻り」

放送日  昭和47年5月13日(土) 20:40〜21:30

A/R    昭和47年4月4日(火)  10:00〜18:00

 

−あらすじ−

専用馬車で乗りつけ保安官ロムの紹介だという富豪の夫人クララ・フィリップスは、ヘイズに「悪魔の隠れ家」なる無法者の砦へ案内を頼む。金につられて自分の古巣へ案内したヘイズはそこに以前の仲間が集まり、七年ぶりに出獄したビッグ・ジムが束ねているのを知る。クララは無実の夫を連れ帰りに来たとふれこみ、その夫というハミルトンにいきなり拳銃を撃ちこむ。怒るジムに実はハミルトンに十七才の娘がだまされ、おかげで娘は自殺した。その意趣返しだと告げ、ジムも同情するが、ハミルトンの方はクララとねんごろになった挙句に二万五千ドルの宝石をくすねてドロンしたのを恨んでのことだろうという。

どちらかがウソをついていると詮索するうちにジムはクララといい仲になり、加えてヘイズの説得で二度と刑務所へ戻らぬよう足を洗う決心をする。しかし大仕事をエサに仲間一同を招集した手前、いきなり堅気になるではみんなが承知しない。今度の大仕事をやってからのことだと一応ごまかしと芝居をうつが早くも裏切りを察したハミルトンたちは仕事の段取りを吐かせて自分たちでとクララを人質にとろうと押し込むが、裏をかいたヘイズたち三人は馬をとばして脱出する。

無事町へのがれたクララはハミルトンに色仕掛けでだまされたのが口惜しくて追って来たと打ち明け、今は相愛の仲になったジムを誘ってサンフランシスコへ帰って行く。

 

(音楽)

ナレーター:頃は一八〇〇年代も末近く、亜米利加国は西部で大変に悪名をはせたハンニバル・ヘイズとキッド・カーリーと申します無法者がおりましたが、このふたり世間もろもろのムードから新しい時代の到来を察したのでございますな。いつまでも無法暮らしでもあるまい、この辺で足を洗って堅気にと折りから知事の出しました恩赦のお触れにソレと応じましたところ、あまりに大物ですのでオイソレとは許せない、一年間まじめ人間で通せば恩赦本決まりとしようといわれます。さあ本人はその気になりますがあくまで知事との裏取引でございますからな、事情を知らない保安官などはおたずね者ご用だ!と追っかけて参ります。それを逃げながらすっ堅気で一年というまことに間尺にあわない立場となりましたヘイズとカーリー、またの名スミスとジョーンズ、果していかがな道中と相なりましょうや、まずはごゆるりとごらんのほどを。

 

(きみょん注) TVで放映されたナレーションは毎回いっしょのはずですが、これはなぜか微妙に違っています。

一応、台本の通り打ちました。

 

(音楽)

ガーデン・シティ

駅馬車駅

駅馬車到着予定

火曜金曜230

馬車くる

 

カールトン:ホーッ!ホーッ!

駅舎係:ちょいと早すぎるんじゃないのかい

カールトン:何がです?

駅舎係:駅馬車がくるのはたしかあさってのはずだがなあ

カールトン:おーっと

       これは個人専用車でしてな

(ノック)

       奥様ガーデン・シティでございます

クララ:ホテルはどこです?

駅舎係:まそれらしきものはあそこですが

カールトン:お荷物も運びこみましょうか奥様

クララ:まず馬の世話をして頂だい 荷物をどうするかはあとでいいますから

カールトン:かしこまりました

 

(音楽)

ホテルフロント

 

クラークA:ああ−いらっしゃいませ何か?

クララ:ええスミスさんていうお客様にフィリップスがロビーで待っていると伝えて下さい

クラークA:はあかしこまりました

       スミス様とおっしゃいますと−ファニフオールド・スミス様で?

クララ:いえジョシュア・スミスさんですけど

クラークA:そういうかたはお泊まりじゃございません

クララ:この町のこのホテルときいて参りましたが

クラークA:あいにくでございました

クララ:お連れがあるはずですけどジョーンズさんという−サディアス・ジョーンズさんとうかがってます

クラークA:ああ

       あのスミスさんでしたか

       たしかにお泊まりでした

       お仕事を捜してるとかで

       毎日ほとんどポーカーをなさってましたけど

クララ:それで?

    どこへ?

クラークA:さあ存知ませんですね

       夜中に清算してプイと出て行ったきりですから

       何と申しますかあのおふたり相当に変ったおかたですなあれは

クララ:どちらへいらしたか見当もつきません?

クラークA:西ですよ

       西へ向かって馬で行きました

(音楽)

 

(馬車)

ホテル

 

クララ:ジョシュア・スミスさんですが

クラークB:さあてね

       泊っているような

       泊っていないような・・・・・・

 

クララ金貨出す

 

       ほほう

       これはまた−うれしいお心づかいですな

       しかし−

       客のプライバシーは守る建前でしてな

       口どめなんぞを−されてる場合は特に

クララ:それはけっこうなことですわ でも−

     スミスはあたしの兄でして何百キロも馬車をとばして会いに来たんですよ

クラークB:ほう

       そうでしたか

       (あ)

       じゃいいでしょう

       あのね

       あの人いつも向かいの酒場なんです

       カードをやってますよ

クララ:ありがとう

     どうもすみません

クラークB:(笑)

クララ:あそれから−

クラークB:はい?

クララ:(あの−)

     実は何年も会ってないもんで兄も変ってると思うんですよ

     どんな格好してます?

(音楽)

 

サルーン前

歩道

 

カールトン:あスミスさん!

        スミスさんでしょうジョシュア・スミスさん

ヘイズ:そういうあんたは?

 

名刺を出す

 

     C・R・フィリップス?

     知らないなあ

     知りたくもねえ

カールトン:フィリップス夫人です

       ぜひお会いしてお話したいと申しております

       お会いくだされば金貨で百ドルさしあげますが

       ご同道下さいますでしょうな

ヘイズ:どこへ?

カールトン:フィリップス夫人がお泊まりのホテルです

 

ウィンクするカールトン

 

ヘイズ:わけはきかせないの?

カールトン:その権限は私にはございませんので

ヘイズ:わかった 案内する権限はあるのね

カールトン:ございます

 

ヘイズ促して行く

(音楽)

ホテルの部屋

 

       奥様スミス様でございます

クララ:ご苦労様 きょうはもうよろしいからさがって頂だい

カールトン:ほんとによろしいので?

クララ:ええほんと

     おやすみ

カールトン:それでは

 

(ドア)

 

クララ:早く用件にはいりたいので申しますがあたくしあなたをよく存じてますの

ヘイズ:変ですね

     お会いしてれば忘れるようなおかたじゃないが・・・・・・

クララ:いえお会いするのは初めてですわ

     でも知ってますハンニバル・ヘイズでしょ

     おたずね者ですわね

ヘイズ:それでわかった人違いですよ だれかとまちがえてんだ

     まあいいでしょよくあることだ

クララ:いえヘイズさんのお力をお借りしたいんです

     実はポータービルの保安官ロム・トレバースにきいてきましたの

 

ヘイズ警戒する

(ドア)

ガンぬいて調べて回る

 

    銃でもお捜し?ございませんわよ

 

女のパースをぶちあける 札束出る

 

    それでおわかりでしょ あたくしあなたの賞金など興味ありませんの

ヘイズ:でもね奥さん

     ロムもおれの居場所は知らないんだ

     また知ってたって通りすがりのだれかれなしにいい触らすわけはない

     いいかげんな話でひっかけようたってそうはいきませんよ

 

ヘイズ出ようとする

 

クララ:ヘイズさん

     ねヘイズさん

     主人の命を助けてもらいたんです

ヘイズ:どういうこと?

クララ:主人は人を撃ったんです

     商売のことで共同経営者と争いました

     それで主人は殺したと思って逃げたんですけどその人負傷しただけで死んでいないんです

     もちろん訴えてもいませんし

ヘイズ:それはうれしい知らせで

クララ:だから知らせてやりたいんです

     追われてるものと思いこんで主人は逃げてるんです

     このままじゃヤケを起こして何をしでかすかもう・・・・・・

ヘイズ:同情はします しかしおれにはどうしようも・・・・・・

クララ:いえ手はあります 主人は「悪魔の隠れ家(きみょん注:ここだけ、「悪魔の隠れ家」を横棒で抹消して、

「地獄の穴」と鉛筆で訂正してありました)」へ逃げ込んでますから

ヘイズ:ふーん

     それじゃますますだめだ

     「悪魔の隠れ家」じゃ騎馬隊をくり出したってちょっと近寄れませんからね

クララ:でもロム・トレバース保安官がかつては無法者だったことをあたし知ってます

     悪に強いのはやはり悪 無法者に近づくなら無法者にくわしい者に頼れ

     そう教わってあたしもその気になりましたの

ヘイズ:そりゃまあ

     あいつワルには顔が広いから

クララ:だからあなたをすすめてくれましたのよ

 

ヘイズ帰りかけて考え直す

 

ヘイズ:フィリップスさん

     ロムとどう話しあったか知りませんがね

     「悪魔の隠れ家」じゃいくらおれが行ったって・・・・・・

クララ:いいえあなたひとりを行かせて主人を説得させようとは思ってません

     あたしを連れて行って下さればいいんです

ヘイズ:無事にいけるつもりですか

     あそこは無法者の巣なんですよ

     すごいやつらが・・・・・・

 

クララ金を見せて

 

クララ:損はさせないつもりですけど

 

馬車の前

旅支度するヘイズ

 

ヘイズ:金だよ金のため

カーリー:あそこら辺りはお役人も目をつけてるよ

ヘイズ:役人をこわがっててゼニもうけができるかって

カーリー:お前さんがこれまで生きてこられたのは何のおかげだ?

ヘイズ:何だって?

カーリー:おれだよ

      そのおれをおいといて女連れで行こうってんだからな

ヘイズ:いいさ

     目先が変って

カーリー:いいでしょ

      行くんならお行きなさい

      その代わりおれもいっしょだ

ヘイズ:だからいったじゃないか

     ハーパー大佐と落ち合う約束でこの町へ来たんだろ

     ダンナが現われたときどっちかがいなかったらいい仕事ほかへまわされちゃうよ

カーリー:どうせ来やしないよ

      あの人酔った勢いであんな話をもち出したんだ

ヘイズ:とにかくおれは行く

     お前は残る

     楽にもうかる千ドルにがす手はねエよ

カーリー:まいいや

      お前の命だ

      好きにしな

ヘイズ:キッド

     これ前金にもらった金だ

     お前もっててくれ

     いいから

     もっていっても使いようかねエからよ

 

馬で出るヘイズ

(音楽)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

馬で山へ向かうふたり

(音楽)

 

クララ:これが一番いい道じゃないでしょ?

ヘイズ:ちがいます

     いい道は張り込まれてまして

 

(歌)

 

クララ:この辺の土地なんていいますの?

ヘイズ:それがいつも急ぎ旅でかけぬけてたもんで土地の名前をきくヒマがなかったんです

 

(歌)

 

クララ:どうして無法者になったの?

ヘイズ:さあねこういうわけでと説明できることじゃないですからね かんべんして下さい

     ロムはなんていっていました?

クララ:何かきいたってどうしてわかります?

ヘイズ:なんか切札をもってなきゃこんな山の中へくるわけないでしょう

何やらかすかわかんない悪党とふたりきりでさ

クララ:でも信用できるって

     だから思い切って来たわけ

     必死なんです、あたし

ヘイズ:必死はお互い様

     これで少なくともひとつは共通点ができたわけだ

 

(歌)

翌日も進むふたり

 

ヘイズ:この辺から「悪党の隠れ家」になるんです

     悪党は不在地主だけど

クララ:助かるわね

ヘイズ:この荒れ方がいいってね

クララ:それはまたどうして?

ヘイズ:もうちょっときれいだとまともな人間が寄りつくんでね

クララ:なんでとまるんです?

ヘイズ:引き返すのなら今のうちってことをいいたくてね

クララ:引き返すつもりなんかありませんわ

ヘイズ:だろうね

 

ヘイズぬいて空へうつ

(銃声)

 

クララ:なんで撃つんです?

ヘイズ:向こうに撃たれちゃ困るから

 

マトスン:だれだ?

カイル:わかんねぇなあ まだ

 

クララ:だれも見えませんわ

ヘイズ:当然 見える所なんかにいやしない

     ここからは俺のいう通りにしてもらいますよ

     急には動かないこと

     誤解を招くような行動はつつしむ いいですね

クララ:わかりました

ヘイズ:よし

 

カイル:野郎 なんかキナくせェなあ

     ロボに一報しとけ

 

ロボ、カガミで通信する

 

マークル:ロボ

ロボ:何だ

マークル:人がくるぞ

ロボ:モナハンが買い出しから帰ったんだろ

マークル:ちがう

       カイルから合図だ

       ビッグ・ジムが招集をかけた新入りかも知れん

ロボ:バカいえ新入りはきのう来たのでおしめェだ

 

クララ:ヘイズさん

ヘイズ:シーッ!

クララ:芝居がかっていますのね あなたのことは知ってるんでしょ?

ヘイズ:そう

     知事と平和協定をむすんだことも知ってる だが警戒してるんだ

     やばいもんね

     でも、あなたは心配ない 女は撃たないから

クララ:じゃ紳士道を心得てるわけですね

ヘイズ:いや、女ひでりだからですよ

 

カイル:ハチャー!!

     ハンニバル・ヘイズでねェのあれは!

     しかしなんと女連れだぜ

マトスン:野郎知らねンだな

      ビッグ・ジムが帰ってるのを

ロボ:こらあいかるぜジムの兄ィが

 

ヘイズだちくる

 

ヘイズ:しばらくだなカイル

カイル:あんたも元気で何よりだ

     いい女を連れてきたなあウットリだよ

ヘイズ:おれはただの案内だ

カイル:もうけ役だよ

     銃は頂いとけ

     決まりだからな

     顔ぶれは変っても決まりは変らねェってこと

 

ヘイズ、バンダーナをはずす

 

クララ:それどうしようってんです?

ヘイズ:目かくしですよ

クララ:どうして?

ヘイズ:奥さんのため

     じっとして

     うれしいじゃねェか、俺が決めた規律をウィートはまだ守ってくれてんだなあ

カイル:いや・・・・・・

     ウィートはいねンだよ

ヘイズ:へえ!じゃだれが取りしきってんだ?

カイル:それが−

     お前さんの先代が戻って来てよ ビッグ・ジム・サンタナが

 

(音楽)

 

クララ:だれです?

     だれのこと?

 

(音楽)

小屋へ来る一同

 

ヘイズ:ああもう目かくしとっていいですよ

 

ビッグ・ジム出て迎える

(音楽)

 

ビッグ・ジム:ハハーッ!アミーゴ!

(笑い)

         おゥみんな

         ハンニバル・ヘイズのお帰りだ

ヘイズ:いやジム、そうじゃねんだ

ジム:いやここへ帰って来てお前がいないとわかったときのガックリきた気もち察してくれよ

    ま、それはあとで話す ふたりきりで話そう

    おい!

   酒場へ行け、酒場へ!

一同:(歓声)

ジム:祝い酒だ、ガパガパやってくれ おれがおごるぞ

ヘイズ:困るなあちがうんだよォ

ジム:まあまあ

    くわしい話はあとできくよ、あとで

    それよりまずご婦人にゆっくりからだを休めてもらおう

    ま、ごらんの通りの暮らしでロクなもてなしはできないが

    そこは辛抱願って

    で、あなたは・・・・・・

ヘイズ:フィリップス夫人だ

     奥さんビッグ・ジム・サンタナです

クララ:初めまして

ジム:いやようこそ よろしくお願いします

     ロボ!

    フィリップスさんの奥さんにくつろげる部屋を都合しろ

ロボ:了解

ヘイズ:じゃ−

     あとでまた

     ジムとちょっと話しがありますので

     規則を破って女を連れて来たが、これには訳がある

ジム:それだよ

    その訳をききてェと思ってたんだ

    中でじっくり話そうじゃねェか

    (吐息)

 

(ドア)

 

    さあて

    それじゃビジネスを片づけようか

 

と、なぐり倒すジム

 

    おいおい

    だいじょうぶか

    よォヘイズ!

ヘイズ:はいはい

     はい

     何だよ今のは?

ジム:くるのを前もって知らせなかったからだ

ヘイズ:だけどお前がいるの知らねェじゃねェか、むりいうない

ジム:わかってる むりは承知だ

    承知でもかんべんできねェ

    ボスは何でも知ってなきゃならん

    いま悪魔の隠れ家を束ねてるボスはこの俺なんだ、俺のやり方に従ってもらう

    それじゃ気分がよくなったら、なんで女を連れて来たかって話をきこう

ヘイズ:それよ

     それさえはじめにとっくり話し合っときゃふたりとも痛ェ目にあうことはなかったんだ、ヘマなお人だよ

ジム:ふたりとも?

    俺は何にも痛くねェよ

    ま、痛みにも色々あって精神的苦痛ってやつも・・・・・・

    (うめき)

 

ヘイズ、はり倒す

 

ヘイズ:フーッ

 

酒をわたす

 

ジム:ありがとよ

ヘイズ:どういたしまして

     じゃ早いとこ用件をすましちゃおうじゃないの

     すんだら帰るから

ジム:なに帰る?来たばっかりで何でよ

ヘイズ:俺はあの奥さんの案内役で来ただけだよ

     あの人のダンナを連れて帰るんだ

 

ランチハウス

 

クララ:背が高くて黒髪で肩幅が広くて、青い目のハンサムな人です

ジム:ここへ来たってことは確かですか

クララ:私立探偵社の人が八ヶ月もかかって調べましたのよ、確かに来てます

ヘイズ:探偵の調査通りにみんなが流れ込んでみなさい

     この辺はいまごろ州になってますよ

クララ:じゃ いまいったような人相の人はいませんの?

ジム:いやいるんだねこれがウヨウヨいやがる

    ちょっと考えただけでも八・九人−いや十人かな

    アリー・ジョンスンに

    モンテ・ホイト

    ハミルトンに・・・・・・

 

射場

うっているハミルトン

(銃声)

 

カイル:ハミルトンよ!

ハミルトン:おゥ

カイル:ヘイズの兄ィがさっき来てよ

     びっくらこく人を連れて来てるぞ

ハミルトン:びっくりってだれだよ?

カイル:ヨメさんだよ

ハミルトン:何をふざけてやがんだ そんなのいねェよ

 

(音楽)

ランチハウス

 

ジム:お前が足を洗ったって話、あらあウソだよな

ヘイズ:いやほんと

     時代だよ時代が変ったの

ジム:そりゃ時がたちゃ変る

    俺たちも変っていく

    それが進歩ってもんよ

ヘイズ:そう進歩だ、俺も進歩したってことだな

ジム:またそんなことを

    ここは聖域だぞ

    保安官だろうと何だろうと一歩も踏みこめねェ悪党の聖域だ

    そこを捨てて出て行って手配書もまわってるという町から町へうろつき歩く

    そんなのは進歩じゃねェ気ちがいだ

ヘイズ:またあとで話すタネができたな

ジム:(笑って)

    そう、そういうこと

 

(ノック)

 

ハミルトン

うれしい人がお待ちかねだぞ

 

クララ、デリンジャーでいきなりうつ

(銃声)

 

ヘイズ:よこせ、このー!

カイル:しっかりしろ

ジム:宿舎へかつぎ込め

カイル:はいよ

ジム:ホーラーに手当てさせろ

ヘイズ:はじめからこれがやりたさに乗り込んだな

 

(ドア)

 

ジム:ヘイズ!

    なんてことをしてくれたんだこの野郎!大事な部下によ

    おとしまえはつけてもらうぞ、いや俺がこの手でつける!

ヘイズ:わかる、おこるのはわかる、だけど俺もこんなつもりとは知らなかったんだ

ジム:やっかましい!手めェで連れて来といてそんな言訳が通るか

ヘイズ:責任は感じてらい!

だけど俺もだまされて案内したんだ

ジム:何をぬかしやがる

     だまされるタマかってんだ手めェが

クララ:ヘイズさんに罪はありません

     あたしもです

     あいつは主人じゃないのよ

     一年ほど前サンフランシスコへ流れて来た男なの

     それが純情無垢な女と知り合って・・・・・・

     十七でしたけどその子

     だからあんな悪党でも王子様に見えたんでしょう、駆け落ちしたんです

     ところがあの男

     子どもまで生ませて捨てたのよ

     あたしの娘でした

     しかも娘は自殺したのよ

ジム:なんでそれを初めにいってくれなかったんです?

    なんで下らんウソなんかついて

クララ:ほんとのことをいったら逃がされると思ったからよ

     だましてでも殺したかった

     もうあたしはどうなってもいいの

ジム:ヘイズ

    付いてあげてくれ

    なんでも面倒みてあげてな、俺は様子を見てくる

 

(ドア)

 

クララ:ごめんなさい

     でも死んでなきゃまたやるわ

ヘイズ:(吐息)

     やるだろうな

     一杯やる?

クララ;いえ、けっこう

ヘイズ:俺はやらなきゃもたん

クララ:(ウン・・・・・・)

     これからどうなるんでしょう?

ヘイズ:どうなってもいいんじゃなかった?

クララ:いいえ、あなたのことが心配で

ヘイズ:今更心配してもらってもしょうがねェよ

クララ:ほんとのことをいっても連れて来てくれました?

ヘイズ:来ない来ない

     しかしもめるぜこれは、頭痛ェよ

     無法者にかぎって陪審制の裁判が好きだからな

クララ:じゃ分が悪いわね ハミルトンみたいに口のうまいのは陪審員をだますくらいわけないから

ヘイズ:(息)

     あんただって口ベタじゃねェよ

クララ:信用してないの?

ヘイズ:そうはいってない

     最初の話は疑ってみるヒマがなかったってことさ

 

(ドア)

 

ジム:運がよかった

    ハミルトンは死んでない

    あいつサイドの話もきけるわけだ

クララ:じゃ、あたしの話はウソだと?

ジム:いや奥さんのいうことは信用してますが−

    念のためハミルトンの口からもきいときたいんですよ

    それからとどめを刺してもおそくはねェ

 

(音楽)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

バンクハウス

ヘイズとジムくる

(音楽)

 

ジム:どんなだ?

ロボ:意識は回復してるけどひでェショックだったんで

ジム:ショック?

ロボ:一発目はかすったんだけど二発目を肩にくらったとき野郎ぶっとんだんでよ頭さガツーンと

ジム:ふーん

ヘイズ:こわくて気絶したんじゃない?

 

ハミルトンの寝床へくる

 

ジム:どうだい気分は?

ハミルトン:よくねェなあの気ちがい女を帰したってきくまではよくならねェよ

ジム:おれのきいたところじゃ向こうにも撃つ理由があるんだ

ハミル:理由だ?

     おもろしれェきかせてもらいてェなそれ

     罪もない者を撃ちやがってよ

ヘイズ:罪はなくても面識はあるんだろう、お前を狙って来たんだからよ

ジム:黙ってると死んだ方がましだったと思わせるぞ

ハミル:待ってくれよおい

     あの女にどういうネタを吹きこまれたんだよ

ヘイズ:当時十七だったあの人の娘をだましたときいたね

     おかげで娘は自殺したとかいってるぞ

ハミル:何が娘だよそんなのいやしねェよ

     だれだかと結婚して十二年になるけどよ

     子どもはひとりもできてねェ

ジム:じゃウソついてるってのか?

ハミル:ああウソだよ大ウソつきなんだよ

     捨てたの自殺のといいかげんにしてくれってんだよもう

     あの女とはサンフランシスコでよ

     ねんごろだったんだ

     だけどおれ−

飽きちゃってよ別れたんだ

ジム:それから?

ハミル:それだけさ

ヘイズ:それっきりだっての?

ハミル:そう

     それっきりっあれっきり

ジム:ハミルトンよ

    おれはお前にほんとの話をするチャンスをやったんだぞ

    その礼がこれか?

ハミル:だからほんとのことをいってんじゃない

ジム:おれって人間がわかってねェな

    おれがウソ偽りのねェ話をしろってェ時は本気でそういってんだ、ごまかしてると泣きを見るぞ

    現に女とお前の話にはくいちがいがある

    お前にソデにされたから恨みの一発をぶちこみに来たなんてそんな甘っちょろい話があるか

    いわなきゃもう一発くらうんだな

    ヘイズ行こ

    奥さんに拳銃を返そうや

    それでこの一件もケリだよ

ハミル:待て

     待ってくれ

     実はもうちょっとアヤがあるんだ

     あいつと別れる時

     行きがけの−駄賃に二万五千ドルがとこの宝石をくすねたんだ

 

(音楽)

 

ジム:(笑う)

 

    どっちかがウソだな

ヘイズ:そうどっちかだ

 

(音楽)

ランチハウス

 

ヘイズ:ウソだと云ってるよ

クララ:そりゃ何とでも云うでしょあの手合いは

ジム:しかしね

    ウソは困るんだなあ

    こういう稼業じゃお互い仲間どうしが信頼しあってなきゃやっていけねェんだ

    信頼がなきゃあなたこんな集団はテンデンバラバラ−ま四分五裂てとこで

    あれでも仕事を前に大事な部下だ

    それが信頼できないとコトでね

クララ:盗賊にも仁義ですか

ジム:そういってもいい

    要するにおれは真実を知りたい

    云ってもらいましょ

クララ:これ脅してるんですか、ヘイズさん?

ヘイズ:いやジムはレディを脅すような男じゃないですよ

     しかしいざとなりゃ・・・・・・

ジム:なってるよ

    さてと−

    女はセンチな生き物だ、かわいい娘の写真の一枚や二枚はもってるだろう

クララ:もってます

     でもヘイズさんが余計なものはもたないようにというもんですから、ホテルにおいて来ましたわ

ヘイズ:そんなようなことを云った覚えはあるね

ジム:ふーん

    じゃホテルへ行けば写真はあるんだな

クララ:あります

     大きなトランクに入れてあります。カメオのブローチの中なんです

ジム:とりに行かせよう

    ヘイズ

ヘイズ:おれいやだよ

 

ジム:とにかくお前の帰りを祝って

ヘイズ:ありがとよ

ジム:いや本気でいってんだよ

    ヘタすりゃどこかの町角でぶち殺されてたかも知れねンだからよ

    いやお前が帰ったんで仕事もやりやすいやな

ヘイズ:そんな気になられちゃ困るな

ジム:じゃ堅気面してあちこち流れて歩く方が利口だってのかどうかしてるぜお前

ヘイズ:利口だとは云ってねェよ

     だけどこの暮らしよりはましだ

     それにほんのしばらくだし

ジム:何を云ってやがる柄にもねェシャバッ気を出しやがって

    少しは頭を使えてんだ頭を

ヘイズ:いや頭を使ってもらいてェのはお前さんの方だよ、少しは考えたがいいぜ

ジム:じゃきくが−

    その恩赦ってのはよ

    いつまで役人の目をのがれたらもらえるんだ?

    ジプシー暮らしをしてよ

ヘイズ:そ−そりゃこれならまじめ人間でやっていけるとわかったら知事がくれるんだ

ジム:ヘッ!こっちは今でこそこれだけど

    ヘヘッ、見てろってもうすぐ南米の海岸でノビノビできるんだぞ、えっ!

    太陽と音楽と女と酒!

    しかも一生かかっても使い切れねェゼニを握ってよ

ヘイズ:それほど利口なら

     なんでムショで七年もむだにした?

ジム:むだにはしねェ

ヘイズ:商いで習ったか

ジム:仕事を計画した

ヘイズ:むだだ

ジム:まあ待てよ ただの仕事じゃねェぞこれは

    でけえヤマなんだから

    そうよ

    いいか

    おれだって外の事情が変ったぐらいは知ってる

    だからこそ一度だけでけェヤマをふんだらそれっきりにしようってんだ

    ほんとの大仕事

    悪魔の隠れ家の一味でもよ はじめてってやつ

    それから引退よ

    お前もそれぐらいやれ

ヘイズ:どんなおツトメか知らねェがこれだけの世帯だろ、獲物を人数割りにして南米行きの船賃が出りゃいい

方だぜ

ジム:ウェルス・ファーゴの手形交換所だゼニはうなってる

ヘイズ:ウェルス・ファーゴ手形交換所?

     デンバーのあそこか

ジム:そうよ

    興味わいたか

ヘイズ:冗談じゃねェごめんだよ

ジム:じゃお前ももうおしめえだ、ここがいかれちまってんだ

ヘイズ:ちがう

     いかれてんのはおれじゃねェ

     お前だよお前がクレージーなんだ どうしてかいってやろうか

     タマゴの殻をふむような毎日でも保安官の姿にビクついてもまともな暮しの方がいいからだ

     そうやってよがんばってりゃそのうち偉い人も見直してくれる

その見込みを捨ててまで今のお前の姿に戻ろうなんて気はねェからな!

ジム:バカー!

ヘイズ:バカじゃねェ!

     (まいい)

     おやすみ

     あしたの朝見送らなくていいぜ

     ゆっくり寝て今いったことを考えろ

 

翌日

(音楽)

とりでを出るヘイズ

(銃声)

机の抽出をさがすクララ

(音楽)

デリンジャーを握る

その手をおさえるジム

 

クララ:(あえぎ)

ジム:あんたのいいところはこれなんだ

    強情でこうと決めたらひかない

    似てるんだおれに

    だけど殺しはやらせねェよクララ

    ここじゃ許さねェ

 

町へ帰るヘイズ

(音楽)

ホテルの部屋

 

ヘイズ:協力ありがとよカールトン

     あんたはおれのこと信用してなかったからな、こういう捜し方をさせてもらったんだ

     おどかしてごめんなさいよ

カーリー:捜し物みつかった?

ヘイズ:あああったこれらしい

 

カメオのブローチを開いて見る

 

川で釣りをするクララ

 

ジム:そうイライラしてちゃ釣れるものも釣れねェよ

クララ:あなたの方がずっと辛抱強いのね

ジム:ムショにはいってりゃ辛抱するのだけは平気になる

クララ:どうして無法者になったの?

ジム:うちの親がニューメキシコで土地をだましとられたがそれが元だともいえそうだ

    おかげでおれは法律を尊ばない血筋を受けついだのかも知れんな

クララ:お父さんは血の気の多いラテン系ね

ジム:いやいやそうじゃない

    大変に穏やかな男だった

    ところがお袋さんの方がアパッチ顔負けだったからな

    アイルランド女で

クララ:刑務所に入って少しは変ったの?

ジム:刑務所に対する見方は変ったな

クララ:じゃこんな生活やめればいいのに

ジム:そうはいかねェ

    やり直しのきかねェ年ってのがある

    もう若くはねンだ

クララ:あたしの主人は年とってから出直したわよ

ジム:ご主人が?

クララ:そう

     おととし亡くなったけど

     成功してたのよ方々いっしょに旅行してまわったわ

ジム:じゃあんたと娘さんとご主人の三人でかい

クララ:そうよ

     すてきな人だったわ

     あたしには父のようでね

ジム:ダンナがねェ

    おやじさんみたいだって?

クララ:色んな意味でね

     年も上だったから

     あたしは十七でいっしょになったのよ

     死なれた時は途方にくれたわ

ジム:じゃそのひとりで寂しかったころなんだなハミルトンとの一件があったのは

クララ:そう寂しくて・・・・・・

     考えてみるとあれからこっち半分気ちがいみたいになってたのね

あなたにもご迷惑かけちゃったわ

ご親切にあまえてるのがわるいみたい

ジム:まあおれも父親代わりにしてもらうんだな

    (笑って)

    

魚かかる

 

ほらひいてる、ひいてる!

クララ:(あえぎ)

ジム:あわてないあわてない

クララ:はあ?

ジム:ゆっくり

    ぐっと辛抱してたぐり込んでいくんだ

    よーしよし!ほら!

クララ:(悲鳴)

 

倒れるクララ

 

ジム:なんともはや

    変った釣りをやるおかただよ

    ほんと変ってる

    気に入ったね

 

(音楽)

(歌)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

帰ってくるヘイズ

(銃声)

(音楽)

 

カイル:お帰り!

ヘイズ:ただいま!

カイル:無事だったか

ヘイズ:ああ

 

(ドア)

 

ジム:手間くったか

ヘイズ:いや

     いやかた通りトランクを押したら中にちゃんとブローチがあったよ

ジム:写真はどうだ写真はあったか

ヘイズ:ああ写真も確かに

ジム:見せてくれ

 

中年男の写真

 

    なんだこれは?

ヘイズ:それでよくわかったろう

     フィリップス夫人は大ウソつきのイカサマ夫人てことよ

ジム:娘の写真はもってないのか

クララ:いえ四枚ほどもってるわ

     貴重なものだからサンフランシスコの貸金庫の中に入れてあるのよ

ジム:じゃなんでそういわないんだ

    なんで次から次へウソをつく?

ヘイズ:時間かせぎだよ

     ハミルトンをやるまでの時間かせぎさ

クララ:そうなのよ狙ってたのよ

    もう一度撃ってやろうって

    でももうだめもう引き上げるわ

ジム:じゃハミルトンについちゃあんたの話がほんとうだっていうんだな

クララ:ええほんとよ

ジム:(吐息)

 

射場

(銃声)

ジム撃っている

 

ヘイズ:そういってくれりゃ下の丸太とっかえるぜ

ジム:ヘタクソだっていいてンだろ

ヘイズ:あの計画まだやる気?

ジム:おれの仕事は段取りのよさが勝負だ

    銃にものいわすわけじゃねえよ

ヘイズ:おれのいった事考えてくれると思ったがな

ジム:考えたよとっくり

ヘイズ:で?

ジム:こんなこというのシャクだけど−

    まあ一理あるな 女も似たようなこといってやがった

    お前の留守の間に色々と話したんだよ

    女次第で野郎も行き方を変えるっていうからな

ヘイズ:じゃ変ったのかい

ジム:二度とムショに舞い戻らなねえって決心した

    おれもよ

    残る人生を大事にしてまともな人間ジェームス・サンタナとしてまともな死に方をしてえわけよ

ヘイズ:よくいってくれたそれでいいんだ

ジム:(笑って)

    ところがあいにくよ

    おれはオツトメをやんなきゃならん

    仲間たちにボロもうけを受け合ったその手前があるんだ

    約束は守らなきゃな

ヘイズ:ジム

     みんないいやつだ

     わかってくれるよ

     腹をわって話せばわかってくれるから

ジム:甘えなお前は

    ゼニの話に釣られて何千キロも走って来たんだぞ

    野郎どもはそれがわかってくれるか、ええ?

ヘイズ:(吐息)

     あきらめちゃいけねえ

     ほかに手があるはずだ

ジム:さあな

    あればいいが

 

バンクハウス

カードしているカイルたち

 

ロボ:おんり

カイル:おれも

ヘイズ:やってるな

カイル:もうボチボチ現われるころだと思ってたよ

     ポーカーには目がねンだからよ

ロボ:ほらここにはいんなよ

    おいらどうせもうオケラだから

ヘイズ:いやいやいいんだよ

     実はおれはな

     話があって来たんだ

カイル:きこうじゃない

     話って何だい?

ヘイズ:うん・・・・・・

ロボ:よォ!

    みんなこいよヘイズが話があるってよ

ヘイズ:まあ−

     ぶちあけて話をするとだ−

     みんなも承知のようにビッグジムは七年もくらいこんでた

     おたずね者のみんなにはわからねえかもしれねえが

     しかしジムにはこれからがある

     でまあおれが口説いてその気にさせたんだが

     ジムは足を洗うことにしたんだ

     あしたおれと山をおりる

無法者:よしてくれよ冗談だろ

ヘイズ:あいにくと本当なんだ

     納得してくれると思ったが

ハミルトン:そいつは読みが浅かったな

無法者:おれはダコタから駆けつけたんだぜ

     やめるならやめるでジムの口からきこうじゃねえか

     でなきゃ腹の虫がおさまらねえよ

ヘイズ:いや実はよ−

 

(ドア)

 

ジム:実はなおれもなそのつもりなんだ

    いいところに来た もうちょっと遅かったらとんでもねえ勘ちがいをされるとこだ

    おれが足を洗うってことはウソじゃねえ

一同:(ほんとかおい!そんなバカな)

ジム:ただしだ−

    ただしそれはウェルス・ファーゴの手形交換所をからっぽにしてからだ

一同:(笑い歓声)

ジム:じゃあしたの朝一番に今度の段取りを話すからな

    ロボは責任をもってみんなに今夜は早寝させてくれよ

    段取りが決まれば直ちに行動にうつるからピシーッとしててもらいたい

ロボ:任しといてくれ十時に寝ねえ野郎はオノでバッサリだ

ジム:よーし

    ああそれからな−

    残念な話だけど

    今度の仕事にヘイズははいらねえことになった

    例のご婦人客が心配で早ぇとこお送り申しあげるってんだ

    でないとおれたちが仕事に連れて行くからってよ

一同:(笑い)

ジム:じゃみんなよく寝とけよ

ヘイズ:おやすみ

カイル:あいよ

ジム:おやすみ!

 

(ガヤ)

(ドア)

 

ハミル:お前らあれが読めたかよ?

ロボ:なんかくせえのか?

ハミル:あの野郎おれたちを裏切る腹だぜ

 

母屋へおりていくふたり

 

ヘイズ:いうこときかねンだな

     七年目に手に入れたものを放りなげようってのか

ジム:そうだ

    七年かけて練りに練った大計画を惜しげもなく放りなげようってんだ

ヘイズ:ええ?

     なに?

ジム:しかし考えな

    あいつらにおれは新生活にはいるぞといっても餞別にくれるのは鉛のタマだ

    だからよ

    ひと芝居うって逃げる手だと思ってな

 

バンクハウス

 

マークル:しかし計画を吐けったってそういわねえよ

ハミル:じゃ女を人質にとろうじゃねえか

     あの女にはジムの野郎ご執心なんだからよ

カイル:そらあ汚ねえよお前ものすごく汚ねえよ

     だけどおれ好き

一同:(笑い)

 

ヘイズ見張っている

出てくる男たち

(音楽)

母屋へ押しこむ

 

マークル:ヘイズとジムはそっちだ

       女はその部屋だぞ

無法者:じゃ押しこむか

ヘイズ:みんな中だ 行こう!

 

馬でとび出す三人

(音楽)

 

ハミル:やられた

 

一同追う

 

     (そらーッ!)

ジム:ハミルトンを見なかったか?

マトスン:ハミルトンだあ?

      さあーこっちにはこなかったなあ

ジム:じゃよく見張ってろよ来たらとっつかまえるんだ

 

(音楽)

一同くる

 

マークル:撃つな!

       だれかここを通ったか?

マトスン:いやあ通ったといったてヘイズとよ

      ビッグジムと女だけだ

      あれッ!ハミルトンじゃねえか

 

(銃声)

(音楽)

 

カイル:もうだめだ あそこまで出られちゃ追っかけてどうなるもんでもねえよ

 

(音楽)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(音楽)

歩道

 

ジム:じゃなー

    これでお別れってことだけどひとつだけきいておきてエんだ

    君にとっちゃ大したことじゃないかも知れないが−

    しかし

    返事をきかないうちは落ち着けんのだ

    君とあの−

    ハミルトンはどうだった、ウン?

クララ:あああれ・・・・・・

     ハミルトンはほんとぬ悪い男だったのよ 舌先三寸でたらしこむ小悪党でね

     あたしが一番愛してた人を失って二・三カ月後だったかしら親しくなったのは

     あの男にとってはあたしはいいカモだったらしいわ

     あたしの方は愛してるつもりだったのね

     ところがある日二万五千ドルの宝石をもって姿をくらましたのよ

     それで口惜しくって追ったわけ

     娘の話なんかを作って

ジム:そうか

    いやよくきかせてくれた

    これでスッキリした

    思い残すことはないよ

クララ:思い残すことはない?

ジム:ないね

クララ:じゃこのままあたしが馬車で行っちゃって一生会えなくても平気だっていうの?

     それはあんまりじゃない?

ジム:じゃどうしろっていうんだよクララ

    うん?

クララ:別に

     ただあなたほどの人なら・・・・・・

     サンフランシスコへ行ったことある?

ジム:サンフランシスコ?いやないなあ

あんな西までは行ったことない

クララ:あなたならあそこの町にもピッタリ合うんじゃないかしら いい所よ

ジム:そうきいた以上は行かなきゃな これからすぐ出る乗り物があったら乗せてくれねエかな

    うん?

 

クララ:はいこれ手数料ね

     お世話になりました

ヘイズ:なんのなんの

クララ:それじゃ

ヘイズ:気をつけて

クララ:ジョーンズさんもさよなら

カーリー:ヤどーも

ジム:じゃご両人

    おれも行くからな

    ありがとよ

    世話になったな

    今度の恩は忘れねエからな

ヘイズ:大したことじゃねエよ

     じゃな

ジム:それじゃ

 

(音楽)

 

    元気でな

ヘイズ:そっちも

 

馬車出る

 

カーリー:ヘイズさんよ

      この礼金はビッグ・ジムのおかげでもらえたようなもんだな

ヘイズ:どうかな とにかくサンフランシスコに頼れる友だちができたってことは確かだな

     こいつはありがてエや心丈夫でよ

 

(歌)

 

 

−おわり−