馬に乗って町中を進むヘイズとカーリー。監獄の建物前に差しかかったときである。 「面会だぞ、チャーリー」 マッチの燃えかすで手のひらを汚していたチャーリーは、 保安官事務所を出るなりヘイズが言った。 「ああ、すみません。あたしうっかりしてて」 「いやあ、しかし」 牢の鍵が開けられた。 「じゃ『カウボーイの嘆き』。あれを頼む」 サルーンの前で馬を下りたヘイズとカーリーがドアに向かって歩き出したとき、中から複数の男たちが出てきて二人を取り巻いた。 「なんのまねだ、おい!」 タオルを頭巾のように頭にかぶり、グラスの酒をあおりながらブリスコーは厳かに言った。 駅馬車の駅前。出発する馬車に客が乗り込もうとしている。その前を通り過ぎた水玉模様のスカーフを首に巻いた一人の男が痩せぎすの男に何やら耳打ちした。 馬車は緑の風景の中を軽やかに進んだ。あとから複数の男たちが馬でついて行く。右手に深い山並みをのぞみ、こんもりとした木々がところどころに植わっている平坦な道を、彼らは同じ方向へ向かって進み続けた。 「どうかしてんじゃない、あんたたち!こんなことしたらよけい追われるじゃない、ばかねえ!」 追っ手は中継所までやって来た。痩せぎすの男が母屋から出てきた男に言った。 ヘイズが操る馬車は猛然と疾走し、やがて木立の茂み前でヘイズは馬車を停めた。 運良く馬を手に入れることができたヘイズ、カーリー、アリスの三人は白い頂の山並みをしたがえる平地に出た。晴天で地面はからからに乾き、土埃がいやおうなく舞い上がり、決して愉快な道行きではない。 「ここよ、ここ!」 「見て見て!」 乾いた土地を、三人は砂をかぶり、泥だらけになって歩き続けた。日差しは強く、地面は固い。ヘイズとカーリーに両脇を取られながら歩くアリスのドレスは砂塵にまみれていた。ヘイズの濃紺のシャツ、カーリーの明るいブルーのシャツもすっかり白くなっている。 風が吹きつけ、三人はいやでも砂埃をまともにかぶった。見渡す限り白っぽい索漠たる風景が続く。生えている草木の色も味気なく、根を下ろしているだけといった感じで生気を失った屍といった様相を呈していた。 「シュミットさんはどこで料理の腕を磨いたの?」 岩陰で休憩していたブリスコー。馬にまたがった二人連れを目にしてがばと起き直った。 「900、1000。1100、1200、と、50」 西部二人組 |