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エピソードガイド詳細版: 西部二人組


第17話 "How to Rob a Bank in One Hard Lesson"
「万やむを得ず銀行破り」
保安官、ヘイズとカーリーですよ!

放送日1972/11/04
監督Alex Singer
原案John Thomas James
脚色David Moessinger
ゲスト Jack Cassidy :ハリー[ Harry Wagoner ]声:大塚周夫,
   Joanna Barnes:ジャネット[ Janet Judson ]声:本山可久子,
   Karen Machon :ロリー[ Lorraine ],
   Greg Mullavey:ハーパー保安官補[ Deputy Lee Harper ]声:加茂嘉久
(あらすじ)
華麗なる犯罪者をもって任じるハリー・ワゴナーは、ファースト・ナショナル・バンクの大金庫を狙うが、それを破れる腕はヘイズにしかないと知り、情婦ジャネット、その娘ロリーと謀って、ヘイズとカーリーを誘い出し、カーリーを女たちに拉致させ、無事に取り返したくば協力せよとヘイズに迫る。
ヘイズやむなく経験にものいわせ特注道具そろえて難攻不落の新型金庫に挑み、ニトロを使って首尾よく爆破、中の大金をかっさらってハリー上きげんで別れるが、カーリー救出後ヘイズは、ジャネットに実は金の袋に時限爆弾をしかけた、行って処理しないとハリーは爆死、金はボロボロとおどし、ハリーの隠れ家へ急行。
ハリーも話をきいてアワをくいカバンを投げだすが、ヘイズ札束の損傷を懸念する余りについ爆薬装填を忘れたため時限爆弾は目ざましのベルが鳴っただけにおわる。
二人はハリーら一味を保安官補ハーパーにトレバース保安官の輩下と称して引き渡し、銀行の金も返してさっそうと町を去る。
(音楽)
銀行内
金庫の位置、銘柄などに当たりをつけるハリー
パトロールする保安官補ハーパー
ハリーさりげなく出る
銀行表
向こうからヘイズとカーリー馬でくる
いいやつをみつけたという顔のハリー
ホテル・ポーチ
(音楽)
ヘイズ :いい町です
カーリー:この前もそうさ
     だけどバレちゃって
ヘイズ :景気いいぜこの町は
カーリー:知った顔は見えなかった?
ヘイズ :なんと葬儀屋が二軒だよ
     大銀行がどっしりとおさまっててさ
     サルーンが五軒それもちょろい
     カモがワンサカ集まってんだから
カーリー:きいてることに返事してよ
ヘイズ :ああそうか
     知った顔に会わなかったかってんだろ
     会ってたら景気がいいなんて話をしてるかよ
ポーチの向こうで男ジャネットにしつこく話しかけている
アドリブで適当に
「悪いけど疲れてますのでお付き合いできかねますわ
 あんまりしつこくすると人を呼ぶわよ」
「いや別にあんたにいいよるわけじゃないんだから
ただ牧場の話を早くまとめたいと思ってね
でまあ相談をと」

カーリー:保安官事務所も調べて来たんでしょうね
ヘイズ :当然
     保安官のご芳名はボブ・ボールドウィン
カーリー:けっこうでした
     きいたこともない
ヘイズ :助手はリー・ハーパーこいつもきいたことねェや

男「男がこれだけ頭下げてたのんでんだからさ」
ジャネット「いくらたのまれてもいやなものはいやですわ おひきとり願いましよ」

カーリー:あそこどうなってんでしょう?
ヘイズ :かかわりござんせんよこちとらには
カーリー:なんかやりたいけど
辛抱、辛抱ナ?
ヘイズ :そうそうです さわらぬ神に何とかっていうだろ
     こんないい町でこっちからモメることねェよ
     保安官の心配もねェしのうのうと羽のばせるんだからよ
カーリー:まあな
ヘイズ :なんならどこかへ退散しようや
ジャネット:お断わり
男   :いいのかねェそんなつれない返事してあとで泣いても知らねェよ
ジャネット:あっちへ行って

カーリー、たまらず立つ
ヘイズ :よせよおい
ジャネット:いやもう!
カーリー:あのーしつこいのはきらわれますよ女性に

男つきとばす
カーリー、ハンチをかます
男かなわじと見て去る
(音楽)

テーブルの三人
(音楽)

ジャネット:あいつレスターっていうんだけど撃たれなかったのが不思議なくらいよ
     気にくわなきゃ自分の母親でも撃つ男なの
ヘイズ :こいつが母親でないんで助かったわけだ
ジャネット:(うふん)
     うちの妹の主人が先月死んでからあたしたちにかまってきて
     うちの牧場を半値でよこせっていうのよ
     ウンというまであきらめねェぞなんていって
ヘイズ :保安官にいったらどうです
ジャネット:いえ保安官は何か法律にふれることをやらないと動けないってだから
     あたしたち男手がほしかったのよ
 ボディ・ガードね
     どうかしら
     おふたりでうちの牧場に泊りこんでもらえません
     いえ適当な買手がみつかるまでよ
     相応の手当ては出すわ
     それに売れたらボーナスってことで
ヘイズ :牧場の仕事は苦手でね
ジャネット:いえ別に仕事はしなくていいのよ
     ただ妹とあたしに付いててさえくれれば
     ま休暇のつもりでいらして
     あたしたち料理もへたじゃないしー
     悪くないお相手よ
     妹もすぐくるから会ってみて気に入るはず
カーリー:ええ、ええ そりゃもうあなた
ヘイズ :いやまあちょっと・・・
     一応われわれだけで話しあってみたいので
カーリー:何を話しあうんだよ

少しはなれて

     何だってのよ?こんなおいしい話はないよ
ヘイズ :わかってる
     だけど妹ってのがカースンシティでお前が押しつけたようなのだったらどうする
カーリー:ボーナスの割増しをねだって埋めあわせしろよ
ヘイズ :いやそれもいいけどまず決めとこうや
     あとでもめねぇように

妹テーブルへくる

カーリー:いいよ決めて
ヘイズ :よし
     アネさんはおれ お前妹
カーリー:いいですよ
     ヘイズのいうことだもん文句なし
     決まり 妹はおれね

ふり向くヘイズ
チャーミングな妹にやられたという顔
(音楽)

馬車で行く四人
(音楽)

カーリー:まだ遠いの?
ジャネット:ええまだまだよ
     それにこの暑さ
     たまんないわねもう
     そこで相談だけどちょっと休んでいかない?あたしたちひと泳ぎしたいのよ
     いいわね じゃ

水あびる二人
(音楽)
(笑い声)

ロリー :おふたりさんほんとにのぞいてない?
カーリー:のぞいてないよ
(笑)
ハリー :ふり向かないでそこの人 目はそっち見たまま手だけあげる
     ほらお手手うえ!
     一発でふたりともズタズタだよ


ショットガンかまえたハリー

     よし十秒待ってやろう・・・と思ったけどやめて五秒

二人手をあげる

     よーしよしそれでいいんだ
ヘイズ :女にうつつをぬかしているところをうしろから・・・
     バツが悪いなあ
ハリー :悪あがきはもっとまずいぞ
カーリー:なんか耳に覚えがあるなあの声は
ヘイズ :やっぱりあるか
ハリー :どこで?
     思い出してみなよ
ヘイズ :ウィチタでいやーなことがあったけどあのときかな
     どうですか?
ハリー :ウィチタは行ったことないね
     はいもう一度
カーリー:前へまわってくんないかな トックリ面を拝めば思い出すから
ハリー :(笑って)
     ごめんこうむるね
     それはしばってからだ
     でもゆっくりふり向いて見るぶんにはかまわねェよ

二人ふり返ってゲッソリする

ふたり:ハリー・ワゴナーか!!

馬車でつれて行かれる二人
(音楽)

ヘイズ :おれたちの賞金めあてか
ハリー :(笑って)
     賞金だってよ
     おれの大計画から見りゃチャンチャラおかしくって
カーリー:またハリーの犯罪大計画ですか
ハリー :そいうこと
     ヘイズさんよ お前さんがその主役だ
     引退は一時おあづけファースト・ナショナル・バンクをやってもらう

ショックのヘイズ
(音楽)

カーリー:お前ってやつは毛色が違いすぎるんだよ
ハリー :そういって仲間に入れてくれなかった
カーリー:途方もねェ計画ばかり立てるからだよ
ヘイズ :気を悪くしたかねェがおツムおかしいんじゃねェか
カーリー:だれがあんな話に乗りますかっての
ロリー :(ホーッ!)
ヘイズ :大統領誘拐だとかさ
カーリー:造幣局襲撃とか
ハリー :もういい、もういい
     ヘイズおりろ
カーリー:おやおれは?
ハリー :そこにいりゃいい
     ほら 早くしろよ

ヘイズおりる

ヘイズ :(吐息)
     ハリー
悪いことはいわん
     あそこだけはやめとけやれやしねェ
ハリー :やれるんだって
     五分にらんだら自信がついた
     だがそれにはお前さんが絶対必要なお人なんだ
ヘイズ :断わりたいねおれは
ハリー :素直には乗るまいとはじめから思ってたよ
     だからこういう手間を・・・いつもと違う下品な手を使ったんだ
     ジャネットいってやれ
ジャネット:あんたはハリーと町へ帰るの
     この人は預かるわ
     あんたが銀行をやったら放してあげる
     でももしやんなかったときは
     殺すからね
     だから四の五いわずにやってもらうしかないのよ
ハリー :キッドは女たちが連れて行く おれもどこへ連れて行くのか知らねぇのさ
     だからおれを死ぬほどぶったたいてもだめなんだ
     なんにもならねぇの
     たとえおれがいう気になってもいえないんだから
ジャネット:そんなことよりもう帰って
ヘイズ :ファースト・ナショナルといや新築のものすごい銀行なんだぞ
カーリー:金庫だって最新式のビクともしねぇやつだよ
ハリー :とくと拝見したよ
     ピアース・ハミルトンてやつだ
     七八年型よ
カーリー:ほーれ見ろ
ヘイズ :最新中の最新型だ、たいていのものならダイヤルを回しもできる
     だがあいつは固定してあるんだ
     何もかも動かねェ
     ニトロでも使わなきゃ見込みねェよ
カーリー:あきらめたがいいと思うよ
     銀行も昔とはちがうんだからさ
     設備の点じゃあんたもう完ぺきだよ
     すべてが進んでるんだからそこを考えなきゃ
ハリー :(笑って)
     何をおためごかしに!
     ごまかすなって
     お前たちの賞金を狙わずに金庫破りの方にしたのはどうしてだと思ってるんだ
     一年半前の実績を知ったからだよ
     デンバーの商業銀行をやってるだろお前
     あそこにデンとあったのは何だよ
     ピアース・ハミルトンの1878年型じゃないか
(音楽)
馬でくる二人

ヘイズ :金庫のこと考えたけど
ハリー :おれも考えてるよ
     どうした?
ヘイズ :まベストを尽くしてだな
     なおかつ失敗したとして努力は認めてくれる?
ハリー :認める
     だがキッドには死んでもらう
     これだけは確かだ
(音楽)

(音楽)
馬車で行くカーリー
川岸
なぐりつけるヘイズ

ハリー :(うめき)
ヘイズ :どこだ!
ハリー :知らねえよ
ヘイズ :いえくそっ!
     たたっ殺すぞ!
ハリー :よせ!おれは−知らんのだ
     ほんとだ
ヘイズ :ギッタギタにやっちまうぞ
ハリー :なぐったってだめだって
ヘイズ :いえ!どこへやった!
ハリー :やめてくれ
     死んじまうよ
ヘイズ :死にたくなきゃキッドの居場所をいえ!
ハリー :いえねえよ知らねンだ

ヘイズ川へ放り込む

(あえぎ)
ヘイズ :いえ!どこへ連れて行った
ハリー :(せきこむ)

(音楽)
馬車でくる
小屋、前

ロリー :ホーッホーッ!
(馬いななき)
(音楽)

カーリー:ぜいたくいえねえが小汚ないね
ジャネット:どっちにしたって長居させないわ
カーリー:どうも冷たくてとっつきが悪いなロリーの姉さんて
ロリー :姉さんじゃないわ
ジャネット:さあさあ
     おりて
ロリー :手を貸す?
カーリー:すみません
     やさしさが身にしみるよ
ジャネット:はいって

墓をみて

カーリー:あれもあんたのエジキ?
ジャネット:いいから中にはいって

川の中

ヘイズ :いわなきゃ土佐エ門にしちまうぞ
ハリー :(あえぎ、せき)
     殺すんなら殺せ
     やれよ

川から引きあげるヘイズ

(せき)
ヘイズ :(吐息)
     このバカ野郎!大バカめ
おれにはやれねンだ
     やりたくてもやれねンだよあいつは
     あつらえの道具がいるんだ
     できあいじゃだめだ
     役に立たねンだ
ハリー :道具の心配はおれがする
ヘイズ :ブライアント・ポンプをどう都合するよ?
ハリー :なに?
ヘイズ :ブライアント・ポンプだよ
     エア・ポンプだ
     ピアース・ハミルトンをあけたきゃあれでまず中を真空にしてからでないと手が出せねンだよ
ハリー :(あえぎ)
     何とかするよ
     いるものはそろえるから
ヘイズ :よしおれももう泳ぎたくねェからな


(音楽)
町、夜
ハリーとヘイズ馬でくる
保安官補リー、ポーチで鼻歌を歌ってあくびしている
ホテルの部屋
窓から銀行を見て

ハリー :(笑って)
     絶景かなってのはこいつのことだよな
     どうだヘイズええ
     きこえるだろう
     あの中で金が待ってんだ
     呼んでんだよ

(音楽)

     とりにきて
     とりにきてって
     (笑い)

(音楽)

小屋の中
豆を食わせてもらうカーリー

カーリー:もういい
ロリー :あらまだ半分も食べてないのに
カーリー:もうごちそう様
     あまりにもメニューが貧弱すぎるよ
ロリー :まあ慣れてもらうしかしょうがないわね
     ほんとのこというと豆しかないのよ

部屋をメモするヘイズ

ハリー :レッドシールのパテの大カン
     速乾性?
ヘイズ :二種類あるからまちがえるな速乾パテだ
ハリー :導火線が一巻きに
     雷管が一箱に
     ニトログリセリン十オンス
ヘイズ :こいつだけはたんとはいらねェンだ
ハリー :目ざまし時計一コ?
     仕事中に寝るつもりかい
ヘイズ :すべてタイミングにかかってるんだ
     一分ちがいが命とりになる
     時計は大事だ

小屋

カーリー:結論が出ました
     君たちはウソをついてる
     ハリーがここを知らないってことはない
ロリー :知りたくないっていうのよ
     知ってりゃしゃべるから
     これはほんとよ
カーリー:そいつはまずかったよ 今ごろヘイズがきき出すのにたたっ殺してるかも知れんよ
ロリー :まそこがハリーのがんばりどころってことね
カーリー:いいだろ
     しかしそれじゃ金庫をやったあとどうするつもりかねェ?
ジャネット:余計な心配はしなくていいの
     おとなしくしてりゃいいんだから
カーリー:ロリーたのまれてよ
     今度から困ってる女性を助けようとしたら脳天カチ割ってよ
ジャネット:何よ気取ったこというんじゃないの
     女つきでお手軽にかせごうとしたからじゃないの
     助平根性出してエサにくいつくからこういうことになるのよ
カーリー:(苦笑、一言もない)

(音楽)
ホテル、部屋
寝床から出て戸口へよるヘイズ
ガンぬいてハリー

ハリー :待て動くな
ヘイズ :そうピリピリすることねェだろ
ハリー :そうかい?
     ぬけ出すつもりに見えたがねェ
ヘイズ :ハリー
     成功不成功は別として組んだ以上はお互いに信用しようや
     おれは当たりをつけに行くんだ 銀行を見てくる
ハリー :そういい
     おれも行くよ
ヘイズ :やめとけ
     お前の仕事は道具の調達だ
     それから寝るときはぐっすり寝ろよな 睡眠不足は体に悪い
(音楽)
小屋
馬で出るジャネット

カーリー:どこへ行くかきいていいかな?
ロリー :きくのはいいわよ
     でも返事はいけないの
カーリー:いいね
     うれしいね
     やっとふたりきりになれた
ロリー :ウロウロしないでちゃんと座って
カーリー:どうこの居心地のいいかわいい山荘
     割れた窓ガラス
     穴のあいた天井
     ガタガタの床
     どうやって見つけたんだ?
ロリー :話してあげてもいいわ
     まあ掛けて
     今でこそ荒れ果ててるけどね
     これでも昔はずい分と小ぎれいだったのよ
     あたしがのぞいてた窓ガラスは水晶みたいに光ってたわ
カーリー:君のうちか
ロリー :あたしたち夫婦のよ
    外のお墓は主人なの
カーリー:ジャネットが死んだっていってたよ
ロリー :どうしてかはきいた?
カーリー:きいてない
ロリー :あたしが殺したのよ

(音楽)
    撃ったの
    クツをはくのにかがみこんだところを一発
    だから気をつけるのね
     あんただってさ
     ちょっとでも妙なマネしたらやるわよ
     ドンと撃っちゃうから

(音楽)
部屋

ハリー :レッドシールのパテ
     速乾だ
     導火線が十五メートル
     色もお好みの
     それから上等の目ざまし一コ
ヘイズ :見せてみろ
ハリー :ああ−
     キャンパスのバッグもある
     特大だぜ
     ヘヘッ これだけのデカさならゼニもぜんぶはいらあ
ヘイズ :あいたらな
ハリー :たらとは何だよ
ヘイズ :ポンプがねえだろエアポンプ
ハリー :捜してくらい

図面をわたす

ヘイズ :じゃついでにこれも
ハリー :何だこら?
ヘイズ :バー・スプレダーだ 腕のいいカジヤなら造ってくれる
     何に使うかをいうほどバカじゃなければだが
ハリー :おれもそこまではぬけてねェつもりだよ
     マぬかりのないのを今に思い知るから

小屋

カーリー:君もとんだ大ウソつきだなロリー
     いいからほんとのことをいえ
     墓は君に関係ないんだろ
ロリー :なかったら何?

(音楽)
ホテルの部屋
ハリー忍び出る
ヘイズ、起きていてつける
峡谷で待っているジャネット
ヘイズ崖の上からブーツをぬいで忍びよる
うちかけるハリー

(銃声)

ハリー :動くなぶっ殺すぞ!
     そっちから見えなくてもこっちからは丸見えだ
     たかくくってるととんでもない目に会わすぞ

(銃声)

ヘイズ :わかった、わかった降参だ!
ハリー :つけたりするんじゃない
ヘイズ :夜中に抜け出しゃつけたくもなるさ
     おおかたこんなことだろうと思ってきたんだよ
ハリー :二、三こまかい打合せをしにきた、それだけだ

(銃声)

ヘイズ :バカうつな まぐれで当たったらどうするんだよ
ハリー :そう思ったらガンを捨てろ十秒だけ待ってやろう
     と思ったけど五秒だ
ヘイズ :勝手なことほざくな

(銃声)

     わかったよ捨てるよ

ヘイズ、ガンをなげる
    
     ほら
ハリー :よし
     馬に乗ってとっとと帰れ早くしろ
     行かねえかほら
ヘイズ :覚えてろよこの野郎

(音楽)

(音楽)
ホテル、部屋
キャンバスの袋に細工しているヘイズ
(ノック)

ハリー :あけろヘイズおれだ

包みをかかえて入る

     ほら
ヘイズ :ああ
ハリー :なんでカギをかけるんだ
ヘイズ :道具を集めてるからだよ
ハリー :あ、これもって
ヘイズ :あいよ
ハリー :ニトロ、四オンスこれだけしか手に入らなかった
ヘイズ :上等だ
ハリー :スプレダーはつくってる
     それができるまでにはポンプも見つかる
ヘイズ :ポンプのついでに目ざましのお代わりたのむよ
     ゆうべ部屋をとびだす時落としておしゃかだ
ハリー :そろえるはしからぶっこわされちゃたまんねぇな
ヘイズ :目ざましなんざすぐ買える
     問題はポンプだたのむぜ
     あれがなきゃ仕事は出来ねぇんだから
ハリー :その時はお前の相棒が気の毒なことになる
     仕事やらなきゃ死ぬんだ
     おれは賞金もらえるからどっちでもいいよ
     だから云ったろうぬかりはねぇって
     すべて計算ずみ

かぎタバコをかいで

     お前は穴の中のネズミなんだ
     フフン
     出口はただひとつ
     通りの向こうのピアース・ハミルトンの金庫だけよ
     カギを貸しな

(音楽)
小屋
豆を食わされるカーリー

カーリー:ロリー
     君をみてるとますますわからなくなってくるんだけど
ロリー :何が?
カーリー:こんなかわいい人がなんでハリーなんかとと思ってね
ロリー :あたしを見る目は変えたと思ったけど
カーリー:だんなのことで?
ロリー :けっこうショックな顔してたじゃない
カーリー:(笑って)
     撃たれてもしょうのない亭主っているのは大勢いるよ
ロリー :やさしいことを
     何が狙い?あたし?
カーリー:(笑って)
     ちがう
     お代わり
     やっとこのすざまじいお味にも慣れて来たようで

ショットガンを見るカーリー

ロリー :ああバカらしいバカらしい
     (吐息)
     下らないウソついてさ
     亭主のことよ
     あれウソ
     やったのあたしじゃないの
     殺した男と逃げたのよ
カーリー:じゃハリーが?
ロリー :ちがうちがう
     あれはジャネットの男
     相思相愛ってやつよ
     しんから愛し合ってるわ
     あの男となら地獄までってね
     美しいじゃないしびれるわあ
カーリー:ほんと美しいね
ロリー :あたしダンスホールで働いてたの
     シルバー・ドールで
     ジャネットに会ったのもそこ
カーリー:語れば色々あるわけね
ロリー :ハン
     まだまだこんなもんじゃないわ
     また驚かそうか
カーリー:いいね楽しみだね
ロリー :金庫破りはね
     あたしのアイデアよ
     ハリーはとびついてきたわ
     やれば世間がアッというぞって
     でもあの金庫でしょ
     あんたたちに行き会わなかったらあきらめてたとこよ

カーリー、テーブルごとロリーを突きとばす
倒れこむ二人

(悲鳴)
     ああー
     参った
     負けたわ
     どうする気?
     (あえぎ)
カーリー:こうしよう
     おれの頭は君のお美しい顔よりずっと堅い
     使える武器だ
     こいつをガツンとぶっつけてやる
     いやならロープをとけ
     早くやれ!

(銃声)
ジャネット帰ってきてうつ
(音楽)

カーリー:ごめんなさい
     ついオツな気分になって

(音楽)
オニール部屋
(ドア)
スプレダーとポンプそろっている

ヘイズ :おッ!
ハリー :フフーン
     さあポンプだ
     これで道具はパッチリそろったわけだ
     今夜にも金庫にアタックしようじゃないか
     いいな

(音楽)

馬をひいて路地へはいってくる二人。
保安官助手、鼻歌うたっている。
窓の格子をまげるヘイズ

ハリー :早くしろよ
ヘイズ :よしこれでいい

中へ入る二人
(音楽)

     シェードおろせ
     失礼しますよちょっとご協力を

額をはずして、光をさえぎる

ハリー :さ、ヘイズ
     やってくれ

金庫を前にヘイズうなる

ヘイズ :うーん
     さすがだなぁいいできだ
     見るからに手ごたえあるぜ
ハリー :早いとこやっつけろよ
ヘイズ :まず粘土細工からいこう
ハリー :声がでけぇよ声が
ヘイズ :分かったよ
     すき間にきっちりパテをつめ込んで空気が通らねぇようにするんだ
     ほらお前もやれ
     密封だ

ハーパー見回りに来る

ハリー :これからってときくそっ

歩き去るハーパー
再びランプをつけて

ヘイズ :ひとつまずいのはだれがこれをやったかがすぐ分かることだ
ハリー :どうしてよ?
ヘイズ :この手の金庫が破られたのはたったの一度デンバーで一年半前のことだ
     お前でさえしってる
     その筋でもおれと知ってる
     手口もひと目みりゃわかっちまう
ハリー :それが何だってんだ
     変りはねぇだろ
ヘイズ :それが変るんだなぁ
     将来がガラッと変っちまう

小屋

ロリー :こんなことしたくないんだけど、あんたの口は災いの元ってジャネットがいうの
カーリー:どうあたしきれい?

金庫前

ヘイズ :よし
     四十分後にセットしろ
ハリー :なんで四十分だ
ヘイズ :パテが乾く時間だ
ハリー :よし
     四十分にした
     どこに置く?
ヘイズ :お前がもってろ それから路地の方を見張ってろ
ハリー :了解

(音楽)
小屋

ロリー :カーリー
     もうひとつウソがあるのよ
     ダンスホールにいたってこと
     ほんとはね 酒場なのよ
     ジャネットは−そこのホステスのボスでね
     あの人すごく教養があってえらいのよ
     学校出のインテリ
     色々教わったわあたしの先生

(音楽)
金庫前
(目ざましのベル)

ヘイズ :今度は十六分後だ
ハリー :なんで?
ヘイズ :ポンプで空気をぬき出すのにそれだけかかる
     金庫の中を真空にしちまうんだよ
ハリー :十六分なんてどこから割り出した?
ヘイズ :数学だよ計算でバチッとでる
ハリー :よしセットした
     今度はお前もて
ヘイズ :もたしてもらいましょ
     お前さんはポンプだ
     このところ運動不足だろ やってやって

ハリー、ポンプのハンドルを押す

     ヘナヘナしねぇでグッと押す

(ポンプ)

     ヘッ
     けっこう力あるじゃないの

(音楽)

ハーパー:(いびき)

(ポンプ)
ハリー :(あえぎ)
     
(目ざまし)

     (フーッ!)
ヘイズ :これからがお楽しみ

ニトロを出す

ハリー :気をつけろ
ヘイズ :袋とれ
     おれがニトロをつぎ込む ジョーゴをしっかりもってろ
ハリー :こんな手だれに教わった
ヘイズ :いやおれの創意工夫だよ
     自慢じゃねぇがよ
     そりゃそうと−
     真空の中へニトロが入る時ドカンと来るかも知れないよ。
ハリー :なにィ!
     ちょっと待てよおい
ヘイズ :あわてない
ハリー :まあちょっと待って
     ほんとにこれよりましな手はないのか
ヘイズ :ないね、この一手
     おやめになります?
ハリー :なんでそのことを云ってくれなかったんだ
ヘイズ :今云ったじゃない
     こういうのがいやで足を洗ったんだよ
     どうします?
ハリー :慎重にやってくれ
ヘイズ :そのつもりだ
     まあふるえてろよ

(音楽)
小屋

ロリー :もう一度だけ驚かしてあげようか
     ジャネットは母なのよ
     十五の年であたしを生んだの
     今度の荒かせぎも私の為なのよ
     話が面白くなって来たでしょう
     金庫破りもあの人のアイデアなの
カーリー:(吐息)

ハリー :もう少し早くつげんのか
ヘイズ :やってもいいよ でも結果がお気に召さんだろ
     大事なことをまだ聞いてなかったな
     キッドはどこにいるんだ
ハリー :だから云ったろう?
     まず金をつかんでからだ
     ほら手もとに気をつけて
ヘイズ :あせらない、あせらない
     もういい ヘッ

ビンを置く

     オットットットットー
     手をどけて
ハリー :うまくはいる
     お見事
ヘイズ :まずは無事に吸いこんだ
ハリー :ぜんぶはいった
ヘイズ :もってろ
     いよいよですよ
     雷管よこせ それからヒューズ
ハリー :どのくらいいる?
ヘイズ :いいから一巻き全部
ハリー :ほら・・・
     雷管ほれ 導火線
ヘイズ :もってろ
ハリー :よし

キャップをつけてヒューズをのばす

ヘイズ :行こ
ハリー :待て
     大事な忘れものだ
ヘイズ :もっててふっとんだらどうするよ
ハリー :それもそうだな

(音楽)
ヘイズ :お祈りでもしたいんじゃないか
ハリー :泥棒の祈りが効くかよ

(音楽)
ヒューズに火をつけるヘイズ


(音楽)
金庫爆破
金をさらって、馬ででる二人
道路

ハリー :いやぁヘイズよくやってくれた

ガンをぬいて

     フフン おこるなおこるな
     用心の為だよ
     手紙だ
     すべて予定通り上々の首尾とかいてある
     それをジャネットに渡せばキッドを返すから
ヘイズ :そのジャネットはどこだよ
ハリー :この道をどんどんまっすぐ行きゃいい
     向こうが見つけてくる
     さすが大泥棒だ
     名人芸だったぞ

(音楽)
小屋
ジャネットとヘイズくる

ロリー :(笑って)
     きたきた!
カーリー:(うめき)
ヘイズ :なんだこれは?
ロリー :おしゃべりが好きだからよ
ヘイズ :おれがやる

ロープをとく

カーリー:やったか
ジャネット:そうやってくれたわ
カーリー:苦労した?
ヘイズ :いやあ
     デンバーの時より楽にやってのけたよ
ジャネット:約束は守るわ
     行って頂だい
ヘイズ :さあこれからが問題だぞ おれの仕事とわかるからゼニを取り返さねぇと恩赦がパァーだ
     お前さんの色男はどこで待ってるんだ?
ジャネット:そんなこと云うわけないでしょ
ヘイズ :じゃあの野郎死んじゃうよ
     金も消えちまう
     爆弾を仕掛けたんだ
     雷管と火薬を組み合して金の袋の底につけてある
カーリー:さーすが さえた手!
ジャネット:なによハッタリよ
ヘイズ :爆弾はこわれたはずの時計に直結してる
     爆発は四時間後だ だから今からなら行って止められるがね
ロリー :ほんとかしら
ジャネット:行ってみりゃすぐ分かるわよ
     片づけよう
ヘイズ :おっとそいつを無事に回収できるのはおれだけだぜ
     五分で腹を決めてもらいましょ
     それから出発
カーリー:ガンを渡して

二人、ガンを渡す
(音楽)

さびれた牧場
(音楽)

ハリー起きて、ライフルかまえる
(馬)

ジャネット:ハリー撃たないで あたしよ
ハリー :このバカ何のつもりだ!
ジャネット:時限爆弾よ 金の袋の底に仕掛けたんだって
ハリー :そんな出まかせを真に受けたのかお前
ジャネット:ハッタリは分かってるわよ でも万が一ってこともあるじゃない
     それに−
     手出しはさせないから
ハリー :それにしてもドジだよ
     連れて来たりして
     ヘイズ得意のハッタリに決まってるじゃねぇか
ヘイズ :もう時間ねぇよあわてろ
ハリー :うるせぇガタガタぬかすな!
ヘイズ :じゃ袋の底に耳をあててみろ よーくお聞きなさいってんだ
     こわしたと云った時計が鳴ってるからよ
ハリー :ジャネット目を離すな

(音楽)
床下から袋を出すハリー

ヘイズ :お急ぎになって!
     シロート考えで処理しようなんてバカなマネすんなよ!

(時計の音)

     ほら時間がない時間がない!
カーリー:爆弾の処理ができるのはヘイズだけだよ
     早く引き渡せ さもないと札束も紙くずになっちまうよ

井戸を目ざして走るハリー

一同口々に:(もう間に合わねえ捨てろなげとばせ!バカ死んじまうぞ!
叫ぶ   走って走って!早く早く!
     井戸に投げ込んで!
     もうだめだ伏せろォ!)

(音楽)
一同伏せる

(目ざましのベル)

ヘイズ :思い出したよ
     金がボロボロになるのをあんまり心配したもんでよ
     おれ火薬を入れるの忘れたんだわさ

保安官詰所
(音楽)
寝ている保安官補
(いびき)

ヘイズ :こんばんは
ハーパー:(え?ハイハイ)
ヘイズ :ハーパー君だね
ハーパー:へえ・・・・・・
ヘイズ :君に手柄を立てさせるよ
ハーパー:何です?
ヘイズ :銀行を荒らした一味をオナワに出来るんだ
ハーパー:おれが?
ヘイズ :そう
     日暮れ前にやっととっつかまえたんだがね
     今ひっぱってくるから
ハーパー:あんさんどちらさんで?
ヘイズ :ジョシュア・スミスだ
     相棒はジョーンズ
     トレバース保安官の輩下だ
ハーパー:トレバースてえとポータビルの?
ヘイズ :ああ−
     はじめにちょっと断っておきたいんだが−
     どういうわけか俺と相棒は変なものに似ている
     人相特徴が名うての無法者にそっくりなんだホラあれ
ハーパー:へぇそう!
ヘイズ :そう
     それで金庫破りの一味もヘイズとカーリーだってつきだすぞなんてね
ふたり :(笑い)
ヘイズ :そんな悪漢ならなんで金を返しに来るかってんだ
カーリー:はいたのみますよ
     それからこれ−
     お金
ハーパー:あーあ
     これまた莫大な
ハリー :保安官
ハーパー:はン?
ハリー :チャンスですよあんた
     あの二人はだれあろうヘイズとカーリーなんだ ふんじばって手柄にしなさいよ
ハーパー:そうかいそうかい
     おれも大統領に似てるってさ
     ほらいけ
     はいるんだ
     ほれキリキリ歩け
     さあさあ
     それ行けやれ行けとっととはいる三人ともはいる仲よくはいる

(音楽)

     早くしろ
     ほれほれ
     さあもう観念するんだな
ハリー :わからん奴だ大物だってのに!

(音楽)

(音楽)
同、事務所

ハーパー:そうだ
     そういやあの三人しばらく前から町にいたよ
カーリー:さすが目のくばりにぬかりがないね
ハーパー:いやあ
     しかし惜しかったなあ もう二・三日あっためてりゃ銀行が賞金だしたのに
ヘイズ :惜しくない惜しくないそんなことは じゃね
ハーパー:そうですかヤどうもお世話になっちゃってなんとお礼を・・・
カーリー:いいのいいの
     これも仕事だから
ヘイズ :そう
     じゃこれで
     ごめんなすって
ハーパー:(ええ)
     ああトレバース保安官によろしく云ってね
ヘイズ :あいよ
ハリー :このバカくそタワケ!
     みすみす二万ドルの懸賞首を逃がしやがってこのォ!
ハーパー:ほンじゃお前さんにひとつだけ伺いてェ
     イエスかノーで返事しろ いいな
ハリー :何だよ?
ハーパー:キッド・カーリーとハンニバル・ヘイズがだー
     銀行からとった金を役所へ返しに来るか?
     イエスかノーか?

(音楽)
一言もなく座り込むハリー
町を出る二人

−おわり−


西部二人組

万やむを得ず銀行破り/完
Review Compiled by きみょん