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エピソードガイド詳細版: 西部二人組

第33話 "The Men That Corrupted Hadleyburg"
「勝利の花火」

イカサマ賭博摘発のヘイズ
放送日1973/03/31
製作グレン・A・ラースン
監督ジェフ・コリー[ Jeff Corey ]
原案ディック・ネルスン、ジョン・トーマス・ジェームズ[ Dick Nelson and John Thomas James ]
脚色ジョン・トーマス・ジェームズ[ John Thomas James ]
ゲスト J.D. Cannon  :ハリー・ブリスコー[ Harry Briscoe ]声:南原宏治,
   Wally Cox   :マット[ Matt Tapscott ]声:槐柳二,
   Sheree North :ベス[ Bess Tapscott ]声:前田敏子,
   Andy Devine  :保安官[ Sheriff Bintell ]声:相模武,
   Dave Garroway :判事[ Judge Martin ]声:池田忠夫,
   Adam West   :ブルーベーカー[ Brubaker ]声:森川公也,
   Gene Evans  :フィリップス[ Phillips ]声:勝田久,
   David Gruner :トミー[ Tommy ]声:永久勲雄,
   Frederic Downs:ハンソン検事[ Prosecutor ]声:松村彦次郎,
   Bill Anderson :コップ[ Cobb ]声:矢田耕司,
   Robert Gooden :副保安官[ Deputy ]声:津嘉山正種

(あらすじ)
 顔見知りの保安官とはちあわせしそうになって山へ逃げこんだヘイズとカーリーは山師マットと妻のべス、男の子のトミーの一家につかまりハドリーバーグの町で留置されるが、二人の人柄に悪党らしさがないのと、賞金目当ての所業に割り切れないマット夫妻は、ついにパイに拳銃をしこんで差し入れ二人を脱走させてしまう。
 逃げ出したもののヘイズたちは夫婦の身が心配で探偵社のハリー・ブリスコーを使って彼らが脱走幇助の罪で裁かれることを知り、ハリーに協力して不正賭博場のイカサマをあばきその際3万2千ドルを獲得、それをハドリーバーグの町の福祉に寄付して町民の心証をよくした上で、弁護士をさしむけて夫婦の救出に努力する。
 裁判では検事も既にやる気をなっくして弁護そこのけの陳述を展開するのに業をにやした裁判長はヘイズらの金は銀行列車強盗の金だと非難するが、これもハリーの証言でまともな金と判明、陪審員結論はむろん無罪となる。ヘイズとカーリーが隠れ見守る丘めがけて、ハリーの打ちあげた勝利の合図の花火が高々と鳴った。
デンバーストリート
バーナマン探偵警備社デンバー支社
荷を運んでくる男たち

ヘイズ :それやめろよ
カーリー:それって何よ
ヘイズ :お前のやってること こっちまでピリピリしてくら
カーリー:やっていることっていやバーナマン探偵社の前に張り込んでることじゃないか
     おれだってピリピリしてらい
ヘイズ :だから肩ほぐせ
     リラックスしろ
カーリー:リラックス?
     ちゃんとやってるじゃない
ヘイズ :そんなこと見てわかるかよ
     わかるようにやれ
     ポサっとしろ

ドアあいてハリー出てくる

ハリー :ま大船に乗ったつもりで
     そうです
     当社でもピカ一のハリー・ブリスコーが行きゃ一発です
     (笑い)
     やどうも

くるハリーをつかまえて連れて行く

ヘイズとカーリーはアドリブです。
(やあやあやあ おしばらく ハイハイハイ)適当に

ハリー :おっ なんだなんだ!
     お前たち!
     バカめ!
     何してんだこともあろうに天下のバーナマン探偵社の前でウロウロとこのバカバカドアホ!
     中じゃ一日中ゴロゴロして手配書の人相書を暗記してるやつがわんさかいるってのに
ヘイズ :まあまあお待ちしてたんだよ話があるんだよ
ハリー :なにィ
     なんでだ

サルーンへ  (ピアノ)

ハリー :悪いけどゆっくりできないんだ
     非常に急いでおる
     今度の駅馬車に乗らなきゃならん
カーリー:じゃなに?無二の親友と一献かたむける暇もないってェの?
ヘイズ :ますわれよハリー
     手間はとらせねえからさ
ハリー :いいよ
     しょうがない
     で ー何だね話ってェのは
ヘイズ :面倒くさそうにいうじゃないの
     だれのおかげで復職できたんだよ
     ちったあ恩に着てもらわなきゃ
カーリー:どうなんです
ハリー :すまんすまん
     しかしやばいよ
     おれは君たちを突き出す立場だ
     それがこんなことして
カーリー:いけねェっての?
     突き出すってのかい
ハリー :いやさ本業ならばって話さ
     冗談だよ(笑い)
ヘイズ :実は頼みがあってきた
     ちょいと注文がでかいが
ハリー :このくらい?
     このくらい?
ヘイズ :そうビクビクするな
ハリー :まあ義理はあるからな
     だが正直いって
     あんまり時間がないんだ
     今度非常に重要なる任務についてコロラドスプリングズへ急行せねばならんのだわかってくれよ君たち
カーリー:ハリー
     お前さんなんていった
     いいか
     「天下のバーナマン探偵社に親友がいるってのは心丈夫なもんだぞ」って確かそういったよな
     よもや忘れちゃいねェだろ
     もはやこれまでってあのときをさ
     駅馬車が出るのは何時?
ハリー :四時だ
カーリー:じゃまだニ時間ある
ハリー :まあな
     しかし頼みが何だかきいとらん
ヘイズ :その前にまず
     何であんたに頼むかをいおう
ハリー :ああ
     ききたいね
     まあきいても
     気に入るとは思えんがね

(タイトル)  (音楽)
カーリー:まあまあ
     リラックスして
     駅馬車はゆうゆう間に合うから
     ケツ落ち着けてきいて頂だい
     そもそも事のはじまりはだな
     ユマの酒場であわやという目に会ったことさ
ヘイズ :シャイアンでおれたちをつかまえたやつがはいってきたんだ
     連邦保安官よ
カーリー:どっこいこっちは先に気がついて裏口からおさらばしたんだが
     ここでウロウロしてちゃやばいってんで山へ逃げ込んだわけよ
     ヤもう道なき道を踏みわけて奥山へだ

山、谷川のほとり

     さいわいお魚がいっぱいの川を見つけてね
     そこでキャンプして魚とパンケーキとコーヒーで暮らしたのさ
     へイズと釣りをするなんざガキのころ以来だった
ヘイズ :何考えてんだキッド
カーリー:いやなにちょっとね
     前にも考えたけど
     愚にもつかんことさ
     今更なァ
ヘイズ :意味ありげじゃないか
カーリー:ああ
     考えてみると
     おかしいよな
     なんでおれたちこうなったんだ
     何が元でおがずね者の無宿渡世でつかまりゃ二十年なんて身によ
ヘイズ :おかしいよな
     おれも同じことを考えてた
     こら静かな山のせいだぜ
     ま答はでたけどな
カーリー:じゃなんでかわかったのか
ヘイズ :ま割り切れねェと気分が悪いんでこじつけもあるけどよ
     一応説明はつく
     やっぱりこりゃ戦争のさ中に大きくなったせいだぜ
     おっぱじまったころいくつだった?
カーリー:さあな
     十くらいかな
ヘイズ :うちの農場が南軍に襲われたのを覚えてるが
     やつらのいい分ももっともだ
     そう思ったもんさ
     きいてるときはほんとにそう思ったんだ
     ところが
     北軍が盛り返すとまたちがった北軍のいうことももっともだ
     お互いに殺しあったわけだが
     どっちの主義主張も正しい
     そう思ったね
カーリー:おれはちがう
     ふた親を殺されたんだもんな
     へイズんとこもだろ
ヘイズ :そう
     あのときから色々と疑うようになったもんだ
     とにかく
     いくさの中で育ったってせいで
     ガラッと変わったなんて
     そうじゃねェだろ
     はじめての仕事をやっつけたとき思ったことよーく覚えてるよ
     戦争でやってたのとおんなじじゃねェか
     こんなことならこの間まで見なれてたことじゃねェかなんてよ
カーリー:だけど戦争のせいばかりとはいい切れねェよ
     当時子どもだったのは大勢いるそいつらぜんぶが二万ドルの懸賞つきに
     ならなかったのはなぜだっての
ヘイズ :いいこときいた
     それも答はある
     おれたちは戦争孤児だ
     親なしってとこがちがう
     親が生きててみろひょっとしたら今ごろ・・・・
     へへッ
     銀行員か汽車の車掌かも知れん
マット :ところがなったのは銀行強盗に列車強盗ださあふたりとも手を上げろ

ショットガンかまえているマット

     もういいぞべス
     トミー
     お前らこっちだ
     ほらこい
     しばりあげてハドリーバーグで突き出してやるからな
     観念しろい

サルーン

ハリー :じゃそいつらにおたずね者だってことをきかれてしまったのか
     何者だ
ヘイズ :いやそれが実にいい人なんだよ
     (笑い)
     マット・タブスコットにべス
     それにトミーってむすこだ
ハリー :山で何をしてたんだ
カーリー:金鉱さがしだよ
     マットは山師なんだ
     それが金を当てた
     おれたちよ
ハリー :フン
     でどうやって逃げた
ヘイズ :逃げたわけじゃねンだ
     そりゃその気になりゃチャンスはあったけどな
     あくる日にあったんだ

馬車で、しばられて行く二人

カーリー:奥さん足のナワといてよ
     これじゃすわってもいられねェよ
ヘイズ :そうだよ足ぐらいといたって何もできやしねェよ
     手はこの通りだし鉄砲つきつけられてんだから
     何ができるってんだよ
べス  :いいよトミーといておやり
マット :おいべスちょっと水のましてくれんか
べス  :しっかり見張ってんのよいいね
トミー :ああ任しといて

石でゆれる馬車 トミー倒れる カーリー足でおさえた銃をおし返す (あえぎ)

トミー :どうしてよ?
     逃げられたのに
カーリー:むりだよ
     手がきかないから銃はうてない
     たとえ君をけっとばして
     とびおりたってすぐ見つかっちまうさ
ヘイズ :それに相手はタフな少年だ
     楽にはいかねェよ

トミー気をよくして笑う

夜 キャンプ

ヘイズ :いやもうしばらくぶりのけっこうなお料理感激しました
べス  :ありがとう
     女は料理をほめられるとうれしいもんよ
カーリー:欲をいやあ だんなのショットガンににらまれてなきゃね
     もっといいお味だけど
ヘイズ :ねェタブスコットさん
     変わってますね
     家族連れで金鉱さがしってのは珍しい
マット :というよりそもそも山師に家族があるってのが珍しいとわしゃ思うな
     わしの知ってるかぎりじゃアンディ・ポッターだけだ
カーリー:アンディ・ポッター?
     聞いたことあるな
マット :そりゃ名高ェやつだもんよ
     前に一度いっしょにさがしてまわったけどよ
     家内はいなかったんだ
     トミーのお産だったもんでよ
     そのときよ −
     アンディとわしは二又道に出たわけさ
     やつは「マットはどっちがいい」ってきいたもんさ
     わしはよ
     「左へ行く」っていった
     そしたらやつは「おれはなんとなく右にしてェ」って
カーリー:でどうなった?
マット :二日後にあいつはどでかい山を当ておったよ そらもう目玉がとび出すようなのを
     権利を売り渡して四百万ドルだもんな
     アンディめ
     いい野郎だよあいつは
     けどくやしいね
     あンときなんで右へ行かれなかったかってな
     くやむくやむ
べス  :でも四百万ドルなんていらないでしょ
マット :ああそりゃそうだ二万もありゃ十分すぎておツリがくらあ
     確か賞金ニ万というとったよな
ヘイズ :あー、
     タブスコットさん
     おれたちも今更ヘイズとカーリーじゃねえなんてことはいいません
     話はぜんぶきかれちゃったんだからね
     でもこの一年近く堅気で通してることはきかなかったろう
カーリー:それよ
     ずっと身を慎んでるんだ
     まじめ一方さ
     ワイオミングの州知事が悪い事をしなけりゃ恩赦をやろうって
     そういうんでね
マット :そんな話を本気にしろってのかい
     お前らが恩赦をもらうなんてこたあ大ニュースだぜ
     その割にはいいふらしてねェな 町へおりるたびに新聞も読んでるけどよ
ヘイズ :そりゃ
     公表してねえからだよ密約なんだ
     知事には色々と政治的な都合もある
     だもんで・・・そのことは大きな声でいえねンだな
     でもとにかく取引はしてんだ
マット :気の毒だとは思う
     けどわしら夫婦は
     ずっと夢を見て暮らしてきたんだ
     ここで二万ドルありゃ
     その夢も夢ではなくなる
     農場も買えるしよ
     トミーもほかの子と同じように学校へやれるわさ
     お前さんたちがー
     グレた因縁はきかせてもらったが
     同情する余裕もねェしな
     悪いとは思うが
     あきらめてくれ
     手を出してもらおうか
     女房がしばらせてもらう

ハドリーバーグの町        (音楽)
保安官事務所

保安官 :いやめでてェめでてェ!
     ハンニバル・ヘイズにキッド・カーリーがうちの留置場になァ!
     マット!
     これもお前さんのおかげだありがとよ
マット :いやまあ礼をいわれるのも悪かねェがそれよりこいつらの賞金を
     もらえたらもっとありがてェんだがね
保安官 :賞金?
     おおそういや確か賞金がついておったぞい
     ええとありゃどこだっけかな

と手配書を調べる

     ああこれだこれこれ
     うーん
     ああハンニバル・ヘイズには
     ユニオン・パシフィック鉄道が懸賞をつけとるよ
     ウェルス・ファーゴもだ
     それから西部銀行協会からも出とるな
     なんとお前さん こら都合二万ドルになるぞい
     フーッ
     大枚のゼニだ
マット :うん ― それからもう一人の方にも出とると思うんだが
保安官 :ああ出てなきゃおかしいや
     キッド・カーリーの賞金だろ
     出所も右に同じでよ
     額も同じときた
     てェことは お前さん二人分でしめて
     二万ドル受けとることになるんだなァ
マット :そうかい
     それでどうすりゃいいんだね
保安官 :なに電報でちょいと知らせてやりゃいいんだよ ふんじばったって
     わしの方からもワイオミング当局へ通知するからよ
     (笑って)
     マット!
     (笑い)
     おめでとさんよくやった
     奥さんもようやんなすったな
     二人してよ
     山ン中歩きまわったかいがあった
     (笑い)
べス  :あんた
     あたしトミーを連れてホテルへ行くから
マット :ああそうしろ あとから行く

   (音楽)

保安官 :マット
     お前さんたちまちこの辺りの人気者になるぞ
     ハドリーバーグの町の名もあがる
     へイズとカーリーが年貢をおさめた町ってな 西部の歴史に残る町になるぞこら

   (音楽)

ホテル
食事する三人   (音楽)

べス  :どうしたのよあんた
マット :わしが?
     お前たちこそだ
     だれかのお通夜みたいな顔してよ
     お祝いをやってるってェのに
べス  :祝うような気分にならないのよ
マット :それがおかしいってんだ
     やっと思い通りになるってのに
     二万ドル手にはいるんだぞ二万ドル
     大金持だ
     さあ食え食えめでてェんだから
トミー :あんまりおなかすいてない
マット :そういやわしもへってねェや
     やっぱり大金がはいるってんで興奮しとるんだな
     そのせいだよ

保安官事務所

保安官 :あいつらと話がしたい?
     じゃなにかい あの二人に面会にきたっちゅうのかい
マット :うん連れてくる途中でけっこう仲よくなったんだ
     四日もいっしょだったんでよ
     でまあ
     別れのあいさつでもと
     いけねェかなァそれ?
保安官 :いやあ別にいけねェってこたあねェけどよ
     こらあんまり例がねェことだからな
     まいい
     そのかわり面会のきまりとして身体検査だけはガッチリやらしてもらうぞ
     たとえつかまえた本人でもよ
マット :ああ
     いいともよ
保安官 :これやらずに通すとわしの職務怠慢になるからな
     (うん!)
     なんじゃいこれは
マット :ああ ―
     アそれ
     わしのガンだ
保安官 :ガンは見りゃわかるわさ これをどうしようってんだっての
     それをきいとるんだよわしは
     背中にさし込んだりしておかしいじゃねェかよ
マット :いやあ
     わしゃいつもうしろなんだ
     ガン使いじゃねェからなわしは
     だから
     腰にぶらさげたりはしねェのよ
     護身用だしよ
保安官 :ふんふん
     ほれ面会だぞ喜べ喜べ
カーリー:いらっしゃい
マット :あ ―元気かね
     なんかほしいものでもないかね
ヘイズ :うん
     あんまり元気ともいえねェなもうすぐワイオミングへ送還だし
カーリー:だからほしいものといやひとつだけ
     そこのカギだよ
マット :で ― あの・・・
     メシはどうだい
カーリー:ブタ箱の経験は?
マット :ない
     はいったことねェ
カーリー:まそうだろな
     覚えがありゃきかないよ
ヘイズ :ここのは特にひでェや
マット :あのー
     トミーがな
     よろしくいってくれってよ
     それから女房のやつもよろしくっていっておったよ
ヘイズ :そりゃどうも

マット :あー保安官
     面会おわったから頼むよ

   (音楽)

     あそうだ女房にいってなんかうめェものこしらえさすからな
     まあ差し入れを待っててくれ
カーリー:すんませんね
ヘイズ :さあて
     どういうつもりでしょうね
     おかしな人

差し入れくる

副保安官:ほれほれ マットのカミさんから差し入れだよ
     ラズベリー・パイだ

   (音楽)

カーリー:なるほどブラックベリー・パイだよこりゃ
副保安官:おれにもひときれくれよ
ヘイズ :うん まあ食ってみて残りゃご希望にこたえましょ
カーリー:手で食えっての フォークフォーク
副保安官:(あー)
     じゃーわけてくれるかよ?
ヘイズ :贈賄しろってのか 保安官にいうぞ
副保安官:何するって?
カーリー:わかんなきゃいいの それより早く皿とフォークもってくる
副保安官:しかしいいにおいだなァ
ヘイズ :ホッホー
カーリー:ああ!
ヘイズ :たまんねェ
カーリー:(笑って)
     これで中からヤスリが出てきたなんてェんだとごきげんだろうな
ヘイズ :(笑って)
     三文小説の読みすぎだ
カーリー:ないことでもないよ

パイを切るカーリー    (カチッ)
   (音楽)

     妙な音がしましたよ
     きいた
     だけどまさか

パイの中からガンが出てくる
   (音楽)

パイを盛って

カーリー:ああ
     副保安官さん
     おすそわけしますよ

とんでくる副保安官

副保安官:どうだい
     うめェか
ヘイズ :ま最高の味といっていいだろな
副保安官:最高てのはおれのおふくろの味だよ
ヘイズ :あーうめェ!
     夜になるまで待とうぜ
     でないとガンの出所がバレちまうから
カーリー:だけど弾薬がしめってるかも知れないよ
ヘイズ :関係ねェよ
     うたねェもん
     おどすだけだ

   (音楽)

夜、保安官くる

副保安官:ああやっと現れてくれたか
     こっちはもう眠くて眠くて目があいてられねェや
保安官 :よしよし帰って寝ろむりして
     子供が夜ふかしするこたねェよ
     ほらいいから帰った帰った
副保安官:ほんじゃまあ あしたの朝
保安官 :ああご苦労

     (ドア)

カーリー:やるか
ヘイズ :あのー保安官
     ちょっとこっちへ
保安官 :ええもう!
カーリー:ちょっと大事な話があるんですよ
保安官 :なんだよもう人がせっかくこれから寝ようってときにィ
     話なんぞあしたの話でー あーフワフワーどうしたんだよそのガン
ヘイズ :きょうは人の出入りが激しかったもんで
     いつの間にやらね
カーリー:とにかくあけてもらいましょうかここ
保安官 :いいのかこんなことして
     あとでくやむぞ
ヘイズ :くやまないくやまない
カーリー:はい楽にして
保安官 :(うーん)
     年寄りだお手やわらかにな
カーリー:サルグツワをきっちりね
ヘイズ :早くしろ
保安官 :なにもここまでしなくても(モゴモゴ)
カーリー:もうちょいきつく
     まだきこえるよ

とび出す二人   (音楽)
馬で出る
サルーン

ヘイズ :まあ
     そんなとこなんだけど
     こわかったね
     馬にクラおくときもひょっとしたらワナじゃねェかなんて思っちゃって
     だけど町で起きてる人間といやおれたちと保安官だけでさ
     難なく逃げ出せたわけよ
ハリー :(笑って)
     わかった
     手に汗にぎる面白い話ではあった
     だがおれには関係ないよ
カーリー:ところがあるんだなァ
     おれたちはあの一家が心配なんだ
     そこでバーナマン探偵社のお前さんにだ
     電報であの町に問い合わせてもらいたいのよ
     あんたなら疑われない
     客の依頼でタプスコット一家に関する情報をと
     これでいいんだ
     サインは
     ハリー・ブリスコー
     バーナマン探偵社と
ハリー :注文てのはそれだけか
カーリー:それだけ
ハリー :(笑って)
     なんでそれを早くいわんのだ
     (笑う)
     軽いもんだよなにも大騒ぎすることなかったのに

電報局前   (音楽)
クツの泥を落としながらまっているヘイズたち
ハリー出てくる

ハリー :まこの返事気に入るかどうかはわからんがね
     ほらこれだ
ヘイズ :案じた通りだ
     「無法者ニ名の脱獄幇助の罪により
      タプスコット夫妻は近く裁判を決定 ピンテル保安官より」
カーリー:どうする
ヘイズ :どうするかねェ
ハリー :おい
     いっそ牢破りやったら?
カーリー:冗談じゃないよ
     十の男の子がいるんだぜ おやじとおふくろを逃亡者にして
     どうするんだよ
ハリー :うんそりゃまずいな
     ああー
     あのな
     その夫婦はひとまずこっちゃへおいといて
     どうだろな
     おれを助けてくれんかね
ヘイズ :え?
     何してって?
ハリー :だからおれに手をかせっての
カーリー:あんたの何をだよ
ハリー :これからやる仕事だよ
ヘイズ :もういいからさっさと駅馬車に乗ってくれよ
     こっちゃ忙しいんだ
ハリー :しかしどうするってんだ?
     自首しか手はないし
     それをしても助からんよ
カーリー:そこを助けるのがおれたちの腕
ハリー :まあまあきけよ
     いいか
     このデンバーでも指折りの大金もちがだな
     コロラドスプリングへ湯治に行った
     あそこは高級保養地でな
     東部の富豪連中が
     息ぬきに行く所だ
     健康のためなんだ
     いい温泉がわいておるからな
カーリー:先刻承知、観光案内はいいよ
ハリー :そうだなちょっとくどいな
     さてそのデンバーの富豪の依頼人がだな
     仕事を依頼してきたんだ
ヘイズ :依頼人が依頼もくどいよ
ハリー :黙って聞けよお前
     おれだってきいてやったのに
カーリー:(笑って)
     きいてるきいてる 先を話して
ハリー :ま早くいえば
     その依頼人はコロラドスプリングでなんと一万七千ドル損したというのだ
     シルバー・パレス・カシノで
     マあそこじゃ名の通った一流の大賭博場なんだがね
     勝負にイカサマがあったってんだ
     でまあ われわれが雇われて
     証拠をおさえに行こうというのだよ
カーリー:並みの探偵さんに賭場のカラクリが見破れたらお目にかかるよ
ヘイズ :イカサマの賭場か
     コロラドスプリングで?
ハリー :そうだシルバーパレスという店だ
ヘイズ :でけェ金が動いてるな
ハリー :だからいったろう
     その依頼人は一万七千ドルいかれておる
ヘイズ :いいだろ手を貸そうじゃないか
     こっちも助かりそうだ


カシノ(ママ)
しゃれのめして二人ブラついている(賭場のざわめき)
ブラックジャックのテーブル

コッブ   :残念でしたね
       またこの次に
ヘイズ   :リミットおいくら?
コッブ   :賭けのですか
ヘイズ   :そう賭けの
コッブ   :百ドルですが
ヘイズ   :それきり?
       特に希望すればリミット上げてもらえるかな
コッブ   :ええまあ例外もないことはございませんで
       ご希望には添うことにしています
       お客様は例外の方で?
ヘイズ   :ぼくはカールトン・バルフォー
       ボルチモアの者だ
       これでよろしいかな
コッブ   :はあー
       バルフォー様で
       よくわかりました
フィリップス:お話伺いましょうマネジャーです
ヘイズ   :いえリミットのことなんですが、上げてほしいんですよ
フィリップス:なるほど
       でー
       バルフォー様でしたか
ヘイズ   :うん
フィリップス:お遊びはキャッシュでしょうかクレジットでしょうか
ヘイズ   :むろんキャッシュです
       そりゃ負けがこめばクレジットになるかも知れませんがね
       当面はキャッシュで
フィリップス:そうですか そういうことならご注文に応じましょう
       リミットを五百ドルまで上げてさしあげなさい
ヘイズ   :おやおや
       それはちょっと・・・
フィリップス:ご不満ですか
ヘイズ   :ええぼくの方はー
       もう少し上を考えてたので
       少なくとも一千ドルくらいのセンを
フィリップス:いいでしょ
       バルフォー様のリミットは一千ドルに
       例外のかただから
ヘイズ   :あそれからー
       こっちもキャッシュで張るからには
       あー店の方も同じように
フィリップス:(笑って)
       コインの音と手ざわりを楽しみたいとおっしゃるのですな
       よろしいですよ
       お客様本位がモットーですから
       やれ
ヘイズ   :あちょっと
       ちょっと待って下さいよ
フィリップス:何かございますか
ヘイズ   :あなたお名前は?
フィリップス:フィリップスで
ヘイズ   :じゃミスタ・フィリップス お宅のディーラーを調べるんですね
       このカードはシルシがついてる
フィリップス:シルシが?
       この店でイカサマカードなんて
       そんなはずございません
ヘイズ   :ところがそのはずがあるんですね
       お見せしましょうか
       ほら
       十五がきてますね
       ふつうぼくは十五じゃひかない
       ところがこの場合ー
       カードの裏を見て次にくるのが、五以下とわかってる
       ハッ
       いいですか
       はじにヒシ形がついてるでしょ
       (ね)
       このカードのは
       ヒシ形の四分の一だ
       四分の一のヒシ形ってことは
       五以下ってことです
       でもこういったからってニ番目のとすりかえられちゃ困りますよ
コッブ   :そんなあなた
ヘイズ   :おっと
       同じことなら
       ぼくが自分でひいてみたい
       カードをおいて

三をひく

       これで十八だ
       ぐっとよくなった
       もちろん次のカードはもうひかない
       見なさい
       ヒシ形がほら
       ぜんぶ出てる
       それでもうわかりました
       このカードおそらく
       十か
       絵札ですね
       よろしい?
フィリップス:ええ ええー
       どうぞ

クイーン出る

ヘイズ   :さて次のカードは
       これは
       ヒシ形のシルシが半分ぐらい見えてますね
       てことはー
       六から
       九の間
       やっぱり
       八です
       失礼しましたねあなたとしても
       意外でしょう
       でもディーラーの中に悪質なのがいるってことは明らかです
       もちろんこの人じゃありませんけど
ハリー   :(せき払い)
       フィリップスさん
       私はバーナマン探偵社の者だが
       一部始終見届けた
       このカードは押収する
       この若者には感謝するがいいだろう
       これで勝負が進んで金が動いててみろ
       この店もただではすまなかったぞ
       重罪に問われていただろう
ヘイズ   :(あー)
       悪いことをしましたね バーナマンの者がいるとは露知らず
       野暮をやりました
       (あー)
       そうと知ってればあなた
       大きな声でいうものですか
       せっかくのゲームに水をさしてしまった
フィリップス:いやいや お気づかいなく
       おっしゃってもらってかえってよかったんです
       イカサマカードが発見できた
       むろんうちのカードじゃありません
       ちがいます

とカードを出す

       これですうちで使ってるのは
       お調べ下さい
       納得いくまで調べてみて下さい

ヘイズ調べる

       どうですまっとうなカードでしょう
ヘイズ   :けっこう
       シルシもついてない
       あなたもよろしいですね
       ぼくがいうんだから
ハリー   :(せき)
ヘイズ   :それではゲームを
       とりあえず
       五十ドル
ハリー   :五十セント

後刻
勝っているヘイズ

コッブ   :大したツキですね
ヘイズ   :リミットまでいこう
       千ドル

コッブ、バストする

コッブ   :ああ
       またやられました
ヘイズ   :そう
       そのようだね

    (テーブル、ノック)

ハリー   :五十セントくる
       はいどうも
コッブ   :ちょっと代ってもらいますから

レジへ行って

       勝ちっぱなしだよ
フィリップス:ああ頭痛いよもう
コッブ   :なんか手を使ってんだ
       強力なシステムを編み出してきてる
フィリップス:いやあ
       なにがシステムなもんか
       ブラックジャックにシステムは通用せん
       ツキがまわってるだけよそれだけだ
       やってりゃそのうちツキも落ちる
       返ってくるものもでかい
       それにー
       まともな勝負でも親の方が五パーセント有利だ
コッブ   :どうかなァ
       なんせ
       押すとき引くときをバッチリ心得てる相手だから
       大きく張った場はたいていもっていってるもんね彼
フィリップス:うむ
       まあいいひき続いて付き合ってみろ
       追っつけ親の分がよくなってくるから

依然勝つヘイズ   (音楽)
三、八に十をあけて二十一

ヘイズ   :二十一

フィリップス、コッブをよんで

フィリップス:まずいな
       システムで張ってる
       やっと見破った
コッブ   :へえ
       どうやってる?
フィリップス:あいつ残りカードが十二、三枚になるまではでっかく賭けねンだよ
       それまでの捨てカードをぜんぶ覚えてんだ
       だから残りカードも読めてくる
       ひくひかないも決まるわけさ
       これじゃいくらねばっても負けるはずだ
コッブ   :じゃどうするよ?
       お開きにするか
フィリップス:いやあ
       カードの半分までいったら
       シャッフルしろ

テーブルに戻って
シャッフルするコッブ

ヘイズ   :アレなんですかそれは
コッブ   :シャッフルしてるんです
ヘイズ   :ゲームの途中でそれはルール違反でしょう
フィリップス:ところが違反でもなんでもないんですねこれが
       ブラックジャックはシャッフル自由です
       ホイルの規則にもありませんでね
ヘイズ   :じゃこれからもやるの?
フィリップス:あなたがお相手のうちはやらせてもらいます
       そちらの戦術を読みましたから
ヘイズ   :そう
       それじゃ
       この三万二千ドルをみやげにしましょう
       帰るまえにいまひとつ
フィリップス:もう十分サービスしてさしあげたつもりですがね
ヘイズ   :いやこれはぼくのためじゃない
       こちらのバーナマン探偵社のかたのためです
       カギを出して一番上の引き出しをあけてくれませんか
       どういうカードがはいってるのか見たいから

カーリー デリンジャーをコックして   (音楽)

カーリー  :カギはベストのポケットにありと見た
ハリー   :(笛を吹く)

とりかこむ部下たち
ヘイズ、カードを出す

ヘイズ   :シルシつきだ
       ぜんぶそう
ハリー   :保安官 令状だ
       これで決まったシルバーパレスは営業停止!
駅馬車
のりこむヘイズ

ハリー :お前たちと付き合うたびにおれは十年寿命の縮まる思いをするが
     ま予想以上うまくはこんでよかった
     どうだ
     ほかにもうおれにしてもらいたいことはないか
カーリー:よくぞきいてくれたそれがあるんだよ
ハリー :あるのかあ・・・・・
ヘイズ :そうなんだ
     デンバーへ帰っても
     連絡だけははっきりさせて出かけてくれ

馬車出る

     あとで知らせるから
     くさるな
     そう大したことは頼みゃしねェよ
ハリー :きびしい義理だぜ

ハドリーバーグの町
駅馬車くる

御者     :(ホーッ!)

おりるブルーベーカー

ブルーベーカー:荷物はホテルへ頼みますあとで行きますから
御者     :ハーッ!そらッ!

建築現場を通って行くブルー
               (ツチの音)
裁判所

判事     :泥酔秩序破壊の罪で罰金三十ドル
        もしくは禁固三十日
保安官    :三十ドル
        冗談じゃねェですよ裁判長こいつ三十セントももってやしませんぜ
        飲み代にはたいちまって
        それにわしゃー
        こんなの三十日も泊めてやるなんてなあ真平ですワ
        あきがねェんだから
        タプスコットの夫婦で満員なんですよ
判事     :そうかそりゃあいにくだな
        罰金支払いの能力もなし
        町には収容施設なしか

ブルーベーカーくる    (音楽)

        よし判決は保留だ
        冷凍室へ放り込んどけ凍え死ななきゃしらふになるだろう
保安官    :これだけアルコールがはいってりゃ凍え死ぬこたあねェでしょうよ
        こい
判事     :閉廷だ
        あしたきなさい
ブルーベーカー:ああすみません ほんのニ三分ですからお話を
判事     :いいだろ
        何の用だ
ブルーベーカー:私ブルーベーカーですジャンクションシティの
判事     :きいたことないな
        知らん
ブルーベーカー:私その町で法律事務所をやっている者ですけど
        このたび匿名ですがタプスコット夫妻のお友達に依頼されまして
        夫婦の弁護を引き受けました
判事     :ああそれなら丁度いいときにきた
        裁判はあしたの朝から始まる
ブルーベーカー:さそれですが一週間延期して頂けませんかこちらの準備もありますので
判事     :(ああー)
        一週間延ばそうと延ばすまいと結果はおんなじだよ
        被告側に不利な条件ばかりそろっとるんだから
        第一にマットは凶器を渡そうとした
        一八四九年型コルト ポケットピストルだ
        これを背中に隠して
        ヘイズとカーリーに渡そうとしたんだ
ブルーベーカー:それはあくまで推測でしょう証拠はないんですから
判事     :なるほどそうだ
        だが陪審員はそうは思わんぞ
        マットは凶器を差し入れようとしたと結論を出すまでに
        二分とかからんだろうよ
        しかも次の日にはパイが差し入れされておる
        奥さんの手料理だという
        そしてその夜大盗賊
        ヘイズとカーリーはだー
        牢を破っておるのだ
        保安官を銃でおどして
        その銃たるや
        前日マットが隠しもっていたものだ
ブルーベーカー:しかしその問題の拳銃は現在検察側の手にはないのでしょう
        ならばまたもや推測の域を越えませんね
判事     :なにが推測なもんか事実だ
        あんなこっとう品の拳銃どこ捜したって同じ物はない
        わしも知っとるし保安官も承知だ陪審員にも知らせる
        そんな裁判を今更延ばしてどうなる
ブルーベーカー:逆うようですが一週間の延期を要請します
判事     :なにも有利にはならんのだよ
        一週間で陪審員は事件を忘れてくれん
        町の人間はあの夫婦を法律の許すかぎり長くぶちこみたがっておるのだ
        ガタッと評判を落としたんでなあの二人
ブルーベーカー:それでもなお一週間の延期を
判事     :認める認める勝手にしろもう
        法廷横暴なんぞといい出されちゃかなわんからな
ブルーベーカー:ありがとうございます裁判長
判事     :どういたしましてだ

建築現場のサイン  (音楽)
        『ハンニバル・ヘイズとキッド・カーリーの寄付により
         市民リクリエーション・ホール建築中』

        『ハンニバル・ヘイズとキッド・カーリーに寄付により
         教会塗り替え中』

丘の木の上から見ている二人

ヘイズ    :只今のところ弁護士さんうまくやってるようだよ
カーリー   :内心ハラハラしてんだろう
ヘイズ    :なんでよ町にはベッタリ尽くしてるぜ
カーリー   :いやゼニはたいちまったからよ

法廷

ハンソン検事 :ああよって疑いもなく
        いや
        ほとんど疑いなくだが・・・・・
        カーリーさんとヘイズさんが脱獄に使用したところのー銃器は
        タプスコットにより
        もちこまれたものと推測される
        少なくともピンニール保安官は彼の拳銃だと思うと証言している
        当夜ヘイズさんとカーリーさんが所持していたのは
        タプスコットの拳銃らしかったと
        タプスコット夫妻に対するわれわれ個人的感情がいかようであれ
        このたびの不祥事を別とすればであるが
        彼ら夫妻はこれまでに一度もよこしまなる事はしたことがないのだ
        しかも十才になるむすこがいる ここで両親が獄に送られるならば
        孤児となる身の上なのだ
        しかし法廷においては正義が行われねばならない
        陪審員諸子は心を鬼にして

       (ツチ)

判事     :やめやめやめい!
        やめちまえ!
ハンソン   :しかし裁判長・・・・・
判事     :なんだなんだハンソン君それが検事側の最終弁論なのかね
        なんというフヌケたザマだ
        まるで弁護側だ
        それで終わったのかね
ハンソン   :はあ検事側おわります
判事     :ついでに君の検事生命もおわりにしてしまえ
        あれでは弁論になっておらん
        私から陪審員にひとこといっとく
        肝に銘じてもらいたい
        なるほどけっこうなものができておる
        市民のレクリエーションホールだそうだ
        教会も塗り替えられておるし
        学校には新しい机がはいった
        それがすべて
        ヘイズとカーリーの寄付によるとか
        だがこの町で犯罪がおかされたのだぞ
        彼らの恩恵をありがたがるより
        金の出所を考えてみろ
        私が計算してみたところでも
        あの強盗二人が過去一週間にこの町へ
        つぎこんだ金額はだ
        ゆうに
        二万五千ドルを越えるものとなっておる
        三万ドルと見てもよし
       
       (ざわめき)

        そこできこう
        それだけの金をあの大悪党が
        どこで手に入れたか
        いってやろう
        銀行強盗をしたのだ
        列車を襲ったのだ
ブルーベーカー:異議あり!裁判長異議を申し立てます
        あまりにも偏見に満ちたおことばですので弁護側は審理を再開
        させて頂きます
        証人を立ててその憶測のあやまちを証明いたします
判事     :じゃなにかね私がまちがいだという証人がいるというのかね
        面白い!証人を喚問したまえ審理再開けっこうだ
        やってもらおう
ブルーベーカー:ではハリー・ブリスコーを喚問します
ハリー    :私です
        参ります
        失礼
保安官    :聖書に左手をおいて
        右手をあげて
        あなたは真実のみを述べ真実以外の何ものをも述べないと
        誓いますか
ハリー    :はい誓います
保安官    :名前をいって
ハリー    :ハリー・ブリスコーと申します
保安官    :すわってよろしい
ブルーベーカー:ブリスコーさんあなたの職業は?
ハリー    :私はバーナマン探偵社の社員です
ブルーベーカー:そこでどういうお仕事をなさってるのです?
ハリー    :探偵です
        バーナマンの男です
ブルーベーカー:そのあなたがヘイズとカーリーがこの町に使った金の出所について
        知るところがありますか?
ハリー    :(笑って)
        ええ大いにあります
ブルーベーカー:それを陪審員に話して下さい
ハリー    :えー
        あれはヘイズ氏が不正賭博を摘発した際にかちとったものであります
        コロラド・スプリングです
        へイズ氏の努力により
        われわれは悪質賭博場を閉鎖することができました
        しかし
        イカサマをあばく前に
        氏の腕のさえで三万二千ドルを勝ち得たのであります

      (驚嘆のざわめき)

ブルーベーカー:検事質問どうぞ
ハンソン   :検事側はブリスコー氏に質問ございません
判事     :よろしいブリスコーさん証人席をおりてよろし
        弁護人は最終弁論をやりなさい

ヘイズ    :よォキッド
        やっと陪審員の評決が出るみたいだよ
カーリー   :今度ばかりはおれも法廷の中でバッチリ現場のムードを
        楽しみたかった感じ

法廷

陪審員    :われわれは被告ー
        マットとべス・タプスコットがまったく無実と結論しました

      (驚嘆)
      (ツチ)
      (音楽)

裁判所前     (音楽)

ハリー、のろしの用意をする

判事  :ブリスコー君
     何かねそれは?何をしておるのだ
ハリー :ああいえ判事さん
     私ー
     あの夫婦が
     晴天白日の身になったの大変うれしくてね
     町のみんなもそうでしょう
     そこで一発

     (点火)
     (ざわめき)

     祝いの花火を
     そーらいくぞォ!

     (花火あがる)

カーリー:おッあれだ!
ヘイズ :あがったあがった見届けた!

     (ドン!)

カーリー:たーまやあッ!

     (笑って)

     やんややんや!

木をおりて
馬をとばして去る二人      (音楽)

                     おわり
Review Compiled by ヘイズの内弟子 またの名を“うっちー”

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