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『クーガー対決!危機一髪』
High Lonesome Country

客演:

Buddy Ebsen as フィル・アーチャー(Phil Archer)
Rod Cameron as ルーク・ビリングス(Luke Billings)
Marie Windsor as ヘレン・アーチャー(Helen Archer)
Walt Davis as クライド(Clyde)
Monty Laird as ビル(Bill)
脚本: Dick Nelson
原作: John Thomas James
監督: Alexander Singer

Teaser: ヘイズとカーリーはライフルを持って一列に並んだ木に沿って歩いている。カーリーが前を行き、ヘイズは数メートル後ろを行く。ヘイズは足を止め、水筒の水を飲むが、カーリーは歩きつづけている。その時、一匹のクーガーがカーリーめがけて飛び掛ってきた。カーリーがクーガーと戦っているとき、ヘイズはクーガーに的をしぼろうとしている。ついにヘイズが発砲した・・・
Opening Theme: 「1800年代も未近く、アメリカは西部で大変に悪名を馳せたハンニバル・へイズとキッド・カーリーと申します無法者がおりました。....」
 
 

ヘイズとカーリーは荒涼とした土地を馬で横切り、ある町へとやって来た。二人 はサルーンで5人の客とポーカーをしている。そのうち3人はカーボーイである 。一人がテーブルに自分の手を広げて見せた。
フィル:  「すごいだろ?2と3だよ、一番小さい数字のフルハウスさ」
彼は牧場主のフィル・アーチャー。だれか彼の手を負かすヤツはいないかと待っている。
ヘイズ:  「俺にはデカイ手に見えるけどね」
アーチャーはかなりの儲けを自分のものにした。カーボーイの一人、クライドは自分の前のコインをかき集めた。
クライド:  「みんな、そろそろ行こうぜ」
彼は立ち上がったが、もう一人のカーボーイ、ビルは彼を止めた。
ビル:  「もうちょっとやっていこうぜ、クライド。俺は自分の金を少しでも取り返したいんだ」
クライド: 「遅れたら料理長が俺達の晩飯を捨てちまうぜ。ほら、来いよ!」
3人のカーボーイはその場を去ったので、フィルはカーリーとヘイズ、そしてもう一人残った町の男を見て言った。
フィル:  「さて、お前さんたち、これで終わりだな。4人じゃポーカーにはならないからね」
ヘイズ:  「ごもっとも」
町の男:  「仰せのとおりだ」
そう言って、その男も去って行った。
フィル:  「なぁ、あんたらこの辺じゃ見かけない顔だな。どこの牧場で働いてるんだ?」
カーリー:  「いえ、今んとこ仕事はないんですよ。俺達、その・・・プー太郎ってやつなんです」
フィル:  「そうかい。でもカーボーイなんだろ?」
ヘイズとカーリーはお互いを見合わせた。どうやらフィルは彼らに仕事をくれようとしているらしいが、二人は今のところ何もしたくはない。ヘイズは素早く答えた。
ヘイズ:  「いや、実はカーボーイじゃないんです。生まれてこの方、牛を扱ったこともないくらいで・・・」
そんな冗談はフィルには通じなかった。彼はある考えのことしか頭に無かったのである。
フィル:  「なぁ、もしイヤじゃなかったら・・・お前さんたち、どんな仕事してるのか教えてくれないか?俺は普段はこんなにしつこく聞かないんだが、ちょっととわけがあってな」
ヘイズとカーリーはまた顔を見合わせた。間違いない、この男は二人に何か仕事をくれようとしている。カーリーはそれを断るため、頭に浮かんだ最も的外れな仕事を口にした。
カーリー:  「全然かまいませんよ。信じられないかもしれないけど、俺達、あの・・・猟師なんです」
フィルは呆気に取られて二人を見た。
フィル:  「なんだって、それは信じられないな!」
ヘイズ:  (ここは合わせたほうがいいと覚悟して)  「そうなんです・・・」
フィル:  「こんなことがあるもんかね?俺が何しにこの町に来たかわかるかい?」
ヘイズとカーリーは一瞬顔を見合わせた。
ヘイズ:  (顔から笑いが消えて)  「まさか・・・猟師を探しに来たんじゃ・・・」
フィル:  「そうさ!二日前に俺の牧場に罠を仕掛けてくれるヤツを探しに来たんだ。誰一人見つかりゃしなかったがな。だから家に帰る前に一勝負しようと思ってここに座ったのさ。それが二人の猟師と勝負してたとはな!こりゃまぁ、一杯おごらないとな。」(バーテンダーを呼んで)「チャーリー、ウィスキーをたのむ!」
ヘイズとカーリーは黙りこくって、浮かない顔で座っている。一方フィルは嬉しそうに新しく見つけた雇用人に笑いかける。
フィル:  「言っちゃなんだけどお前さんたち、ぜんぜん猟師には見えないよ」

二人はだだっ広い土地の古びた道を荷馬車に乗って揺られている。フィル・アーチャーは馬に乗り、二人の前を走っていた。ヘイズが手綱を持ち、カーリーは横に座って馬が走るように馬のお尻に必死で小石を投げている。荷馬車にはいろんな大きさを取り揃えた罠が乗っている。コヨーテ用から熊用まで揃っていた。フィルは自分が見つけた賞品、すなわちヘイズとカーリーがまだそこにいるかを確かめるために振り返った。彼は二人に自分の上機嫌を伝えるように手を振った。ヘイズとカーリーは仕方なく笑ったが、近くで見ると見れた顔ではなかっただろう。カーリーは手を振り返した。それからフィルが再び前を向いた時、カーリーは小石の一つを彼に投げるような格好をした。
ヘイズ:  「アーチャーを責めるじゃねぇぞ、キッド。全部お前のせいなんだからな」
カーリー:  「俺!?」
ヘイズ:  (頷いて)「そうさ、お前のせいだよ。なぁ、いつも言ってるだろ?ガンのこととか、簡単な話とか、たいして重要じゃない話のとき以外は俺に任せろって」
カーリー:  「お前さんが話をしようとしなかったからさ」
ヘイズ:  「キッド、お前はダメなときゃダメなんだよ。さてと、このまま町を出てアーチャーが次に止まるのが保安官事務所だったとしたら・・・逃げるか、それともこのままこうしてるか、どうするよ?」
カーリー:  「まぁまぁ、全然問題ないかもしれないよ。結局、いやなことはあっても金は使えるんだから。アーチャーの話によるとヤツの牧場に罠を仕掛けるだけでこの装備一式分の金を払っても十分残るくらい稼げるんだ。その後町に戻ったらこの罠だっていい金で売れるしよ」
ヘイズ:  「いい金で?キッド、おめぇは商売には向かねぇな。買うときだけだよ、高い値段がつくのは。売るときゃあ、そりゃあ悲しいくらいのもんよ。(馬のお尻を鞭で叩いて)さぁ行け、行くんだよ!」

フィルとヘイズとカーリーはアーチャーの牧場の建物に着いた。
フィル:  (使用人を呼んで)「ジェイク!荷馬車の面倒をたのむ」
一人の女性が家から出てきた。彼女はフィルに手を振っている。フィルの妻のヘレンだ。フィルも手を振り返す。ヘレンは近づいてくる荷馬車の方を見た。カーリーが帽子を取り額をぬぐっている。彼は周りを見回したが、自分がヘレンの注意を引いていることには気付かなかった。ヘレンはカーリーをどこかで見たことがあった。彼女は自分の記憶をたどっている。素早い、ほとんど潜在意識の中での彼女の記憶の中で、カーリーは証人席に座っていた。彼は口ひげをたくわえている。(これらのシーンは「追ってはどこまでも」からのものである)ヘレンはもう少しで思い出しそうである。もう一度カーリーをじっと見つめた。荷馬車の中のカーリーが彼女に近づいて来る。カーリーはまだ彼女のことに気付かない。再びカーリーが裁判の証人席に座っているシーン。ヘレンは思い出した。どこでカーリーを見たのか、そして彼が誰なのか・・・フィルは妻のところにやって来て、キスをした。ジェイクともう一人の使用人がフィルの馬と荷馬車の馬を預かるためにやって来た。ヘイズとカーリーは馬を下り、ジェイクと呼ばれる年上の男が馬と荷馬車を引いて納屋に入れた。フィルは腕をヘレンに回し、二人を紹介した。
フィル:  「お前には信じられないかもしれないが、俺はほんとについてたよ。この場所に罠を仕掛けてくれるやつを見つけたんだ。ここにいるジョシュア・スミスとサディアス・ジョーンズだよ。これは妻のヘレンだ」
カーリー:  「よろしく」
ヘイズ:  「初めまして」
ヘレンは冷たく装った。彼女はカーリーを見て、自分が気付いていることを隠そうとしていたのである。しかしそれでも彼女の振る舞いには固いところがあった。
ヘレン:  「お会いできてうれしいですわ」
フィル: 「ええと、じゃあ、俺達はすぐに夕飯にするんだが。寝床はそこの角を曲がったところだ。顔を洗って俺達と一緒に食べないか?」
ヘイズ:  「ありがとうございます。ご馳走になります」
ヘイズとカーリーは寝床に向かった。ヘレンはカーリーを目で追って顔をしかめ、それから夫について家の中に入った。フィルとヘレンは家に入り、ドアを閉めた。フィルは彼女の妙な振る舞いに気付いて怪訝そうに妻を見た。
フィル:  「どうしたんだ?お前らしくないじゃないか。あんな風に挨拶するなんて」
ヘレン:  「あなた、あの二人、どこで見つけたの?」
フィル:  「ブルーベルのサルーンでポーカーを一緒にやったんだ。なぜ?」
ヘレン:  「あの一人に見覚えがあるのよ。ちぢれっ毛のほうよ。彼はキッド・カーリーだわ」
フィル:  「この状況下じゃな。俺はどうすればいいんだ?もしあいつがキッド・カーリーだとしたら、もう一人はハンニバル・ヘイズだ。そんなやつらをどう扱えばいいんだ?」
ヘレン:  「そうね、氷室にでも鍵掛けて閉じ込めれば?」
フィル:  「あいつらを閉じ込める、だと?キッド・カーリーとハンニバル・ヘイズほどのやつらがただ手を上げるもんか、はむかってくるさ。失うものなんてないんだぞ、どのみち吊るされるんだからな」
ヘレン:  「そんなことはないわ。人殺しはしてないもの。務所に入るだけよ」
フィル:  「そうか・・・残りの人生全部な。いや、キッド・カーリーとハンニバル・ヘイズほどのやつらを捕まえるんなら、まず考えなきゃいかん。慎重にな」
ヘレンはキッチンに向かおうとしたが、フィルが彼女を止めた。
フィル:  「ヘレン・・・やつらには懸賞金がかかってなかったか?」
ヘレン:  「かかってるはずよ」
フィル:  「確かじゃないが・・・一人につき1万ドルだったような・・・」
ヘレン:  「そのとおりよ」
フィル:  「思ったとおりだ!」
ヘレン:  「あなた・・・どうするつもり?」
フィル:  「そうだな・・・まずはあいつらを山に上らせて、罠を仕掛けさせる。なぁヘレン、みんなには言うなよ。もし2万ドルがあいつらにかかってるんなら 、それを牧場の8人でわけたくなんかないからな」

ヘイズとカーリーは山の上のほうにいた。ヘイズは罠を仕掛けるために大かなづちで地面に杭を打ち付けている。カーリーは罠と大きな布の袋を肩にかけてあちこちうろうろしている。彼は古い牛の皮を見つけ、それを蹴った。
カーリー:  「なぁ、ここ見てみろよ。こりゃあ狼の餌食の一部ですよ、古いやつだ。アーチャーが言ってたじゃない、ここいらには狼がたくさんいるって」
ヘイズ:  「ああ。コヨーテもたくさんいるって言ってたぜ。クーガーも大熊も。ピックとってくれよ」
カーリー:  「アーチャーが言ってたクーガーとやらにお目にかかりたいね。あのおっさんクーガーにはボーナスとして50ドル払うって言ってたんだぜ」
ヘイズ:  「キッド、やっこさんにはで会わない方がいいと思うぜ」
カーリーは罠を下ろして袋を開けた。

アーチャーの牧場には一人の男が現れていた。.  彼はかなり変わったみなりの男で、名前はビリングスと言う。2メートル以上もある大男で、体重も130キロ近くあるのでかなり大きな馬に乗っていた。熊の皮のような毛皮を着ていて、それには腕通しの穴がある。サドルの片側にはウィンチェスターを入れたさやがあり、もう片側にはもうひとつさやがあり、そこにはどでかいシャープのバッファローガンが入っていた。自分でも非常に大きい銃を持ち、腰の高い位置にはナイフをさしている。首の回りには皮のカバーを巻き、その上に汚らしく意地悪そうな顔が乗っている。フィルは彼に歩み寄り、ヘレンが家から出てきた。
フィル:  「やあ。荷物を降ろして馬を休ませたらどうだい?」
ビリングス:  「お前さん、アーチャーかい?」
フィル:  「そうだが」
ビリングス:  「俺はビリングスだ」
フィル:  「ルーク・ビリングスか?」
ビリングス:  「そうだ。X牧場ってバーにいるお前さんの友達が、猟師を探してるって俺に教えてくれたんだ」
フィル:  「ああ、あんたなら俺の探してたのにぴったりなんだが・・・そのバーを出てから出会った二人の猟師を雇ってしまったんだ」
ビリングス:  「どうやらとんだくたびれもうけだったみてぇだな」
彼は馬の向きを変え、引き返そうとした。フィルは考え直してビリングスを呼び止めた。
フィル:  「なぁ、ちょっと待てよ。その、まあ入って何か一杯やっていってくれよ。そうすれば女房も俺も一杯飲めるしな」
ビリングスはあまり社交的辞令は受けないのだが、一杯くらいなら、と思った。
ビリングス:  「俺はかまわんよ」
彼は馬を下り、フィルとヘレンのあとを付いて家に入った。
フィル:  「まぁ座りなよ、ビリングスさん」
ビリングスはソファに座った。
ヘレン:  「何をお持ちしましょうか、ビリングスさん?コーヒーがいいかしら?」
ビリングス:  「ウィスキーはあるかい?」
ヘレン:  「ええ、ありますけど・・・」
ビリングス:  「オッケー。コーヒーを持ってきてくれ、でもまずコーヒーにウィスキーを入れてもらおうか」
ヘレンは頷いてビリングスを見た。彼女がこの男を好きでないのは明らかだった。どちらかというと少し怖がっている。ビリングスは自分が人にそう思われるのはわかっていて、そのことを楽しんでいる。ヘレンは静かにそこから出て行った。フィルは葉巻の入った箱をビリングスに差し出す。
フィル:  「葉巻はどうだい?」
ビリングスは一つ手にとった。

山の上ではヘイズがまだ杭を打っていた。カーリーは次の罠をしかけている。
カーリー:  「ヘイズさんよ、こんな話持ち出したかないんだけどよ。昨夜の晩飯のときのアーチャー夫人の俺を見る目つき、なんか思わなかったか?」
ヘイズ:  「さあな、ちょっと変だなぁって思ったくらいかな」
カーリー:  「そう?どんな風に?」
ヘイズ:  「そうさなぁ。俺よりもお前を見る女ってのはたいていは変なんだよ」
カーリー:  「じゃあ、この世の中はヘンな女だらけってことになるぜ。アーチャー夫人はそんな風に俺を見てたんじゃないんだ。なんていうか、怖がってたみたいなんだな。どういうことなのか考えてんだけどさ」
ヘイズ:  「キッド、そりゃ考えすぎだよ。俺達ずっと逃げ回ってるからな」
カーリー:  「そうかねぇ。そうかもな」

フィルはビリングスの葉巻に火をつけている。彼はビリングスの向かいの椅子に座った。
フィル:  「一つ聞きたいんだが、あんたの腕は評判どうりかい?」
ビリングス:  「なんの評判だい?」
フィル:  「狩りだよ」
ビリングス:  「まあな。多分評判以上だな」
フィル:  「あんたに面白い話があるんだが」
ヘレンがビリングスのコーヒーを持って入ってきた。
フィル:  「ありがとう。出て行くときはドアを閉めておいてくれ。家中に葉巻の匂いがするのはきらいだったろ?」
ヘレンはドアを閉めて出て行った。
フィル:  「この話は一万ドルの値打ちがあるんだ。でも一週間くらいかかるかもしれないんだが」
ビリングス:  「そりゃここの土地で一年働くよりも儲かるぜ」
フィル:  「そうだろうが、危険な仕事になるかもしれないんだ。しかしあんたみたいな人にとっちゃそうでもないかもしれないんだがな」
ビリングス:  「狩りの仕事なんだろ?」
フィル:  「そうさ」
ビリングス:  「その値段じゃ、狩るのは人間ってことになるな」
フィル:  「その通り。でも話を進める前にひとつ約束してほしいんだ。俺が行ったとおりにその仕事を受けるか、そうでなけりゃ全部忘れてくれ。約束してくれるかい?」
ビリングス:  「続けろよ」
フィル:  「それが・・・俺が雇った二人なんだがな。あとでそいつらがキッド・カーリーとハンニバル・ヘイズだってわかったんだ。一人につき一万ドルの賞金さ」
ビリングス:  「生死を問わずかい?」
フィル:  「そうだ、生死を問わずだ」
ビリングス:  「そいつらどこで罠をしかけてるんだ?」
フィル:  「北のほうだ。ふもとのとこのな」
ビリングスはコーヒーを飲み終えると歩いて自分の馬のところへ向かった。フィルは後を追う。
フィル:  「おれの話はどうなるんだ?」
ビリングス:  「アーチャーさん、おれは人間を狩るのに雇われたりはしないよ。(馬に飛び乗りながら)この山の上のほうだな?じゃ、またな」
フィルは答えなかった。ビリングスは手綱を引き、走っていってしまった。フィルは気分が悪そうである。ビリングスが二万ドル全部を自分でせしめようとしていることがわかったからだ。フィルはうんざりして葉巻を脇へ捨て、家に向かった。ヘレンが中のリビングのドアのところに立っている。彼女は仏頂面で彼を見た。
ヘレン:  「全部聞いたわ。一言漏らさずね」
フィル:  「なぁ、やつら生死にかかわらず、だったな?」
ヘレン:  「多分そうね。でもあの人たちは人殺しじゃないわよ、どちらもね。今聞いたこと、信じられない。信じたくないわ」
彼女は背を向けて部屋から出て行った。フィルは彼女の後を追う。
フィル:  「お願いだ、ヘレン・・・お前もわかるだろ、あの金が使えればどんなにいいかってことを・・・どんなに必要かってことが!」
ヘレンは寝室に入り、フィルの目の前でドアを閉めた。

ヘイズとカーリーは夕食を終えた。カーリーはコーヒーを注ぎ、ヘイズはというと罠をひとつ持って歩き回っている。焚き火があたりを照らす。荷馬車の馬達は火から少し離れたところで繋がれている。あたりを漂う夜風の臭いに反応するように、二人は口笛を吹いたり地面を踏み鳴らしたりしている。馬が一頭ヒヒーンといなないた。
ヘイズ:  「誰かさんが腹をすかしているようだぜ」
カーリーはヘイズのうしろの荷馬車に座っている。
カーリー:  「らしいね。多分50ドルのクーガーだよ」
ヘイズ:  「それか、でっけぇ熊か。なぁ、450キロの熊に立ち向かったこと、ある?」
カーリー:  「いいや。450キロ級に一番近かった熊は、あの片足ハリソンだな。覚えてる?」
ヘイズ:  「ああ、片足しかなかったからそう呼ばれてたんだよな」
カーリー:  「そうそう、もう片方は本物の450キロの熊に食いちぎられたんだ。捕まえるの、やめる?」
ヘイズ:  「やめたがいいと思うぜ。なぁキッド、自分たちを守る方が先決だと思うんだがな」
一頭のクーガーが近くで吠えている。馬達はすっかりおびえて、後足で立って杭からロープをはずそうとしている。ヘイズとカーリーはウィンチェスターをつかんだ。大きなクーガーが急に岩から現れ、カーリーはライフルを肩に乗せ一発放つ。クーガーは向きを変えて消えて行った。カーリーは岩をよじ登り、そこには血が数滴落ちていた。
カーリー:  「ヘイズ、当たったよ。ここに血が落ちてる」
ヘイズは岩のところにいるカーリーの真下に来た。
ヘイズ:  「下りて来いよ。こう暗くちゃあとも追えねえや」
カーリー:  「ああ、そうだな」
手負いのクーガーが消えた方向を闇の中でチラッと見て、その後カーリーは岩の間を下りてきた。
カーリー:  「明日後を追うのは簡単そうだな」
ヘイズ:  「ああ、待ちきれませんね。よく言うじゃねぇか、でけぇ熊よりもたちの悪いのが一つだけある、それが手負いのクーガーだってな」

太陽が山から昇ってきた。ヘイズとカーリーはウィンチェスターを持って歩いている。二人は岩を超えて、手負いのクーガーのあとを追っていた。

ビリングスは木の間を馬で進んでいる。そして止まり、馬を降りてつないだ。

ヘイズとカーリーはまだクーガーを追っている。

ビリングスは地面に座り、鹿皮製の靴を脱いだ。そしてウィンチェスターを抱えて裸足で動き出した。

ヘイズとカーリーはポプラの木立を抜けて行った。ヘイズはクーガーの足跡を見るために立ち止まった。
ヘイズ:  「キッド、やっこさん左の前足を引きずってるぜ。かすっただけだったんだ。お前のいつもの目隠しショットじゃなかったってことだな」
カーリー:  「そう言うけど、へイズさんよ、俺が今までにウィンチェスターのエキスパートだなんて主張したことがあったか?ウィンチェスターで俺の方が上だって思えるのはだな、へイズさんだけなんだよ」
ヘイズ:  「ううん・・・」

ビリングスが草むらの中を動いている。

ヘイズとカーリーはライフルを持って一列に並んだ木に沿って歩いている。カーリーが前を行き、ヘイズは数メートル後ろを行く。ヘイズは足を止め、水筒の水を飲むが、カーリーは歩きつづけている。その時、一匹のクーガーがカーリーめがけて飛び掛ってきた。カーリーがクーガーと戦っていて、ヘイズはクーガーに的をしぼろうとしている。ついにヘイズが発砲した。

遠くでの発砲音がビリングスに届いた。

カーリーは死んだクーガーの下から這い出てきた。

ビリングスは音がした方に歩き始めた。

ヘイズとカーリーは泥と根っこで覆われた険しい斜面を下りている。
カーリー:  「なぁヘイズ、おれ考えたんだけどさ。今度クーガーに襲われるときは、お前さんがってことにしようぜ。いいだろ?だってよ、もし俺達のどちらか がクーガーを狙わなくちゃならなくて、あらそってるのが・・・」
カーリーは足を踏み外した。そのとき、ライフルの発砲音がして、カーリーの帽子が飛ばされた。二人は大きな岩の後ろに隠れた。
カーリー:  「誰かが撃ってきたんだ!」
ヘイズ:  「お前を狙って、外したんだ」
カーリー:  「そうだよな。撃ったときに俺が滑ったからよかったようなものの! これでなんでアーチャー夫人があんな風に俺を見てたのかがわかったよ」
ヘイズ:  「偶然じゃあねぇもんな」
カーリー:  「偶然なもんか。誰かが俺達を殺そうとしてるんだ、でもアーチャーじゃねぇと思うな。さっきのはかなり遠くから撃ってきやがった。だれか雇った んだ、だれかものすごく腕のいいヤツをさ」
ヘイズ:  「キッド、きっと一人だぜ。でなけりゃもっと撃ってくるはずだからな」
カーリー:  「どうするよ?二手に分かれるか?」
ヘイズ:  「それしか生き延びる道はねぇだろうな。あっちの方向から荷馬車んとこまで行こう、別々にな。日暮れまでには着くようにしようぜ。でそれから、あの悪魔野郎をここからおん出すんだ」
カーリー: 「ヘイズさんよ、この一ヶ月で一番さえてんじゃないの?」
二人は立ち上がって、慎重に木の中に動いて行き、別々の方向に向かった。一発の弾丸がヘイズの後ろの岩をかすめて行った。

ヘイズとカーリーは別々に進んだ。慎重に、隠れ蓑に利用できるものは全部利用した。二人とも緊張し、今にもどこからともなくまた撃ってくるのではないかと心配していた。攻撃してくる人間がどこにいるのかが全く分からないと言う事実におびえていたのである。ヘイズは隠れ蓑が何も無いところにやってきた。しかしそこを通らなければならない。躊躇したが、かがんでそこを駆け抜けようとした。もう少しで抜けられるというところで発砲音が聞こえ、ヘイズはもんどりうって倒れた。

カーリーにも発砲音は聞こえた。彼は立ち止まり、ライフルを下ろし、コートを脱いでリボルバーの安全装置を外した。

ビリングスはヘイズのほうに向かって歩いている。カーリーはポプラの木の間を抜けて彼の後をつけた。

ヘイズは倒れたところで横たわっている。

カーリーはリボルバーを手に持って、慎重に岩でごつごつした斜面を登った。

カーリーはビリングスの上のほうの岩山で、その猟師にリボルバーの照準をあわせた。
カーリー:  「よぉし、そこで止まって」
ビリングスは動きを止めた。彼は急に訪れたこの窮地に顔色一つ変えず、ただカーリーの次の行動を待っていた。
カーリー:  「ウィンチェスターを落とすんだ。よし、こんどはガンもだ」
ビリングスは向き直って撃つほどばかではない。言われたとおり、ガンを捨てた。
カーリー:  「こっちを向け」
カーリーは岩を下り、ビリングスのほうに向かった。
カーリー:  「よし、じゃあ俺の相棒が生きてるのか死んでるのか見に行くぞ。走れ。そしてちょっとは生きてることを祈るんだな」
ビリングスはへイズのところへ駈けて行った。カーリーはそのうしろにいる。
カーリー:  (ひどく怒って)  「早くしろ、早く!」
彼は二・三発銃を撃ち、もう少しでビリングスの足に当たりそうだった。ビリングスは言われたとおりにスピードをあげ、ヘイズのいるところに着いた。
カーリー:  「よし、相棒を見てみろ」
ヘイズは身動きして目を開け、ビリングスを見上げた。そしてそれからカーリーへと目を向けた。
ヘイズ:  「背中をやられた。肩甲骨のあたりだ」
カーリー:  「行けよ、見て来いって言ってんだ!」
ビリングスはヘイズのジャケットとシャツを剥ぎ、傷を調べた。冷静そのもので 、少しも心配したり恐れたりなどしていなかった。
ビリングス:  「あんたら精進がいいんだな。大丈夫だ」
カーリー:  (冷静だが激怒して)  「そう願ってた方がいい。今度は銃弾を取り出して血を止めるんだ」
ビリングス:  「俺が?」
カーリー:  「お前を縛ってるひまなんかない。お前がやるんだよ。ちゃんとしたほうがいいぜ、もし相棒が死んだらその真横にお前を埋めるからな」
ビリングス:  「俺のナイフを使うのか?」
カーリー:  「早くしろ」
ヘイズ:  「なに?」
カーリー:  「ちゃんと使うんだぞ。なんせ俺はお前の頭をふっ飛ばしたくてしかたねんだからな」
ビリングスはナイフを出し、ヘイズに向かってかがんだ。カーリーは今までにないほど怒っていた。ビリングスが鈍感な男でよかったかもしれない、そうでないとカーリーの怒りは彼を神経質にさせ、ヘイズにする手術まがいのことができなかっただろう。
ビリングス:  「おい、動くなよ。こいつはかみそりみたいなもんだ。動いたりしたら体を真っ二つだぜ」
カーリーはかがんで見守っていた。

場面はカーリーが昨夜クーガーを打った場所。荷馬車と馬が見え、ビリングスがヘイズを赤ん坊のように腕に抱いている。カーリーが後ろにいて、銃口をビリングスに突きつけて進ませていた。ビリングスは荷馬車に着いた。ヘイズはにやにや笑っていて、ビリングスは汗をびっしょりかいていた。荷馬車まではかなりの距離があり、ビリングスのような大男でさえくたびれている。ヘイズはきっちりと包帯をまかれ、思ったよりもずっと元気に見える。ヘイズはビリングスを見上げてニヤっと笑った。
ヘイズ:  「よぉ、結構楽しいぜ。歩こうと思えば歩けたんだが、こっちの方がずっといい。楽だしよ。俺にとっちゃ、だけどな」
カーリー:  「よし、そこに下ろせ」
ビリングスはヘイズを下ろした。ビリングスはヘイズのいやみには何も答えず、ただカーリーを見ていた。彼の次の行動を待っていたのである。カーリーは岩の方に向かった。
カーリー:  「よし、こっちへ来い。この岩に座るんだ。手を後ろに回せ。ヘイズ、ガンは持てるか?」
ヘイズ:  「ああ、ちょろいもんよ。引き金だって引けそうだ」
カーリーはヘイズにライフルを渡し、カーリーが荷馬車からロープを出してビリングスを締め上げている間、ヘイズはビリングスに銃を向けていた。カーリーはまだかなり怒っている。
カーリー:  「よし、お前の名前は?」
ヘイズ:  「それになんで俺達をつけた?」
ビリングスは黙っていた。
カーリー:  「あんた、俺達には聞きたいことが山とあるんだ。答えてもらいたいもんだな。あいつらと組んでるんだろ?」
ビリングス:  「そうさな・・・俺をどうするか教えてくれたら答えてもいい」
カーリーはますますビリングスに腹を立てた。彼はビリングスをかなりの力で締め上げ、ビリングスはかすかにひるんだ。次にカーリーはビリングスの足をくくった。 
カーリー:  「お前と取引する気なんてさらさらないんだ。大げさな演技なんかするな。そんなに痛かないだろ」
ヘイズはライフルの打ち金を起こした。ビリングスは彼をチラッと見た。
ビリングス:  「さて、俺の条件だが・・・さっき言ったことに答えるのか、それとも答えないのかどっちだ?」
カーリー:  「いいだろう。俺達はお前をここに置いていく、生きたまま、縛り上げたままな」

ビリングス:  「それはないだろ。俺は猟師で、逃げるのは専門じゃないんだ」
カーリー:  「あんたをここに置いて行って、途中でアーチャーの農場に寄ってアーチャーにあんたの居場所を知らせるよ」
ビリングス:  「それもどうかな。あんたにして欲しいことは・・・アーチャー夫人に言ってもらうことだな。そうすりゃあんたの質問に答えてもいい」
カーリー:  「そうか、アーチャー夫人なんだな。で、お前は誰だ?」
ビリングス:  「名前はルーク・ビリングスだ」
カーリー:  「なんで俺達を狙った?」
ビリングス:  「アーチャーが、あんたら二人の賞金を山分けしようって持ちかけてきたんだ。でもあいつらと山分けする必要性が見つからなくてな。全部自分でやれば金だって全部自分のものだ」
ヘイズ:  (カーリーに)「なぁサディアス、お前の言うとおりだったな。あの女はお前が誰か分かってたんだ」
ビリングス:  (ヘイズに)「ああ、分かってたさ。もしあんたがキッド・カーリーで(カーリーに)あんたがハンニバル・へイズならな」
カーリー:  「ま、当たらずとも遠からず・・・」
ビリングス:  「なんであんたらにアーチャー夫人に言ってもらいたいかわかるだろ。あの人のダンナとの交渉を断った以上、ダンナの方にはあんまり助けてもらえそうにないからな。おっと、もうひとつ頼みがあるんだ」
カーリー:  「何だ?」
ビリングス: 「荷馬車に入れといてくれや。あそこなら野獣どもからも安全だ」
カーリーはヘイズのところに行って彼の隣でかがみこんだ。
カーリー:  「馬には乗れそうか?」
ヘイズ:  「ああ、大丈夫だ。なんかでっかい木が落ちてきたような気分だけどよ、でもいけると思う」
カーリーはビリングスのところへ戻り、彼を立たせて荷馬車までぴょんぴょんと跳んで行かせた。

アーチャーの牧場ではフィルとヘレンが居間に座っていた。ヘレンはレース編みをしており、フィルは新聞を読むのに集中しようとしている。二人の間の空気はいまだにぴりぴりしていてよそよそしい。とうとう彼女はフィルを視界に入れることすらいやになり、フィルのほうもそれに気付いていた。彼は立ち上がって外に出た。フィルは散歩にでも行くかのように歩き出した。するとヘイズとカーリーが茂みから出てきた。月の光の中で険しい顔でこっちを見ている二人を見つけて、彼ははっきりと分かるくらいに震え上がった。
ヘイズ:  「まぁリラックスして、アーチャーさんよ。あんたにゃなにもしねぇから。中に入ろうぜ、アーチャー夫人に伝言があるんでね」
中ではヘレンがじっと座ってレース編みをしていた。彼女は目を上げて驚いた。
カーリー:  「よし、アーチャー、座れ。そこだ」
カーリーは椅子のひとつを指差した。ヘイズはソファのところに行って座った。
ヘイズ:  「あんたが雇った殺し屋は後1歩だったんだがな。俺の左の肩を撃ったんだ。100メートルも離れたところから狙って、数センチしかずれてなかった。あいつは山ん中に置いてきた、もちろん、縛り上げてな。あんたにそのことを言って欲しいってよ、奥さん。そしたら誰かがあいつを助けに来るだろうってな」
フィル:  (恐る恐る)「何を・・・あんたら俺に何しようっていうんだ?」
カーリー:  「さあな、俺達のことは牧場のやつらには何にも言ってないって思ってるんだけど?」
フィル:  「言ってない、言ってないよ」
カーリー:  「よっしゃ、いいだろう。俺達はだな、今晩ここでちょっと休ませてもらいたいんだよ。4人全員で、この部屋でな。で、朝になったらあんたと俺とが馬に蔵を乗せるんだ。その間、俺の相棒はここでアーチャー夫人を見張ってる。それから4人全員で数キロほど馬で走って、一番近くの鉄道の駅に行く。そのあとは、あんたらはお友達のビリングスを助けに行ってもいい。それがやつとの約束なんだ。何か質問は?」
ヘレン:  「ヘイズさん」
ヘイズ:  「ん?」
ヘレン:  「痛みますの?」
ヘイズ:  「いや、今じゃ誰もが少しばかり痛いとこはあるもんですよ、奥さん。俺はそれより少し痛いくらいのもんで。そんなにひどくはないですね」
カーリー:  「よし、あんたら少し休んだ方がいい。俺も相棒も休みたいんでね。もちろん、一人ずつ」
カーリーは明かりを消した。

ヘイズとカーリーはアーチャー夫妻と一緒に馬で移動している。どうやらかなり移動して来たらしい。4人はやまよもぎで覆われた、かなり大きな岩のあるだだっ広い平地を横切っている。ビリングスは岩の上で彼らが近づいてくるのを見ていた。彼は狙いを決めた。ヘイズとカーリーはアーチャー夫妻の後にいる。夫妻は両方とも長旅にうんざりして黙ったままである。カーリーの馬が少しバランスを失いかけたので片手を馬の鞍のとがったところに置いた。少しすると顔の回りをハエがぶんぶん飛んだのでそれを追い払うためにその手を上げた。すると重い銃弾が飛んできて鞍のとがった部分が鞍から吹き飛ばされた。カーリーは飛び散った鞍を見てたじろいだ。鞍に当たった銃弾は、あと数センチのところで彼を貫くところだったのだ。遠くでシャープのライフルの重い銃声が聞こえた。大砲のようなうなりである。4人は馬から滑り降りた。
カーリー:  「伏せろ!」
ヘイズ:  「頭を下げるんだよ!」
4人とも岩のみぞに隠れた。
ヘイズ:  「あすこの後ろの方の岩からだぜ」
フィル:  「あんな遠くから撃てるヤツなんかいないよ。ここまで1キロ近くもあるんだ。そんなに遠くまで届くライフルがあるものか」
カーリー:  「それがあるんだな。シャープのバッファローガンだ。1キロ近くまで正確に撃てるんだ。アーチャーさん?」
フィル:  「何だ?」
カーリー:  「ビリングスはシャープのライフルを持ってたろ?」
フィル:  「ライフルは2丁持っていたようだったが・・・一つはウィンチェスターだったが、もう一つは分からなかったよ。でも大きかったな」
カーリー:  「じゃあ、あすこにいるのはビリングスだ。ヤツはシャープを持ってる。最初に撃ったときは狙いが短すぎたんだ。だから俺じゃなく鞍に当たった」
ヘイズは注意深く岩の上から覗いた。次の瞬間また銃声がして、ヘイズは岩にもぐるように隠れた。その弾丸は岩をかすめ、ヘイズがもし岩に隠れなかったら明らかに彼に当たっていただろう。
ヘイズ:  「さあて、そろそろ射程距離内にきたみたいだぜ」
銃弾が岩をかすめるとすぐにカーリーは立ち上がって自分たちの回りの岩の形状を細かに調べた。
ヘレン:  「伏せて、殺されるわよ!」
カーリーはまだ1、2秒回りを調べて、それから岩に隠れ、その後すぐにまた銃弾が近くに当たった。
カーリー:  「シャープはシングルショットのライフルなんですよ、アーチャー夫人。次の弾をリロードするのに5秒はかかる。だから大丈夫なんですよ」
ヘイズ:  「頭を下げてろ」
カーリーは脇を見て、自分たちが隠れている岩のずっと遠くの岩の形を調べた。彼らの隠れている岩と次の岩間での間には隠れ蓑になるようなものは何もなかった。もしビリングスが動けば彼らは完璧に危険にさらされてしまう。
カーリー:  「考えてみろよ、もしヤツがあそこで馬に乗ろうとしたって、俺達にはそんなことわからないんだ、次にヤツが俺達に発砲してくるまではな」
ヘイズ:  「ああ、あそこからここまで来るのにどれくらいかかるか、ずっと考えてるんだけどよ。まあ20分ってとこかな」
カーリー:  「もしまだあそこにいるってのが確実に分かったら、ずっとここの、この岩の背にいればいいってことになるんだが」
ヘイズ:  「そう、そうなんだよ。なまじっか動いたりしたら向こうにいるあいつに見事にぶち抜かれるんだ。なあキッド、お前、あいつがあそこで何してるかわかる方法って思いつかねぇか?」
カーリー:  「俺に分かるのは、明るいうちのあと10時間はあいつの好きなほうにできるってことだよ」
フィル:  「何の話をしているんだね?」
カーリー:  「かなり困った状況にあるってことですよ、アーチャーさん。それをどうすればいいか、考えてるんです」
フィル:  「俺も少し考えてみたんだが、あいつは多分あんた達二人を賞金の為に欲しいだけだと思うんだ。もし俺が家まで走っていっても見逃してくれると思うんだが」
ヘイズ:  「そう思う?それはどうかなぁ」
フィル:  「誰かが助けを呼びにいかなくちゃならん。あそこであいつが何かをするのをただ待っていたら私たちは捕まってしまうだけじゃないかね?」
カーリー:  「あんたが馬に乗ってここから出れるなんてチャンスはないと思いますね」
フィル:  「ここで起こることは全て俺の責任にある。妻が危険にさらされている んだ、俺は助けを呼びに行く」
ヘイズ:  「なぁ、アーチャーさん。もう誰かがあの発砲音を聞いたかもしれねぇよ。シャープってのは遠くまで聞こえるんだ・・・」
フィル:  「この近くには誰もいやしない。でもあんたらなら俺に手を貸してもらえるよ。おそらく俺が通り過ぎるまでの間ヤツを混乱させられるさ」
カーリー:  「アイツはそんなに簡単に混乱したりするやからじゃないね。一時に一つのことしか考えられないよ、それもゆっくりとな」
フィル:  「俺は家に向かって走っていく、あんたらは俺に向かって撃つんだ。そうすればヤツは考えを変えるだろうよ。おそらくヤツが考えている間に俺は馬に乗って走り出すことくらい出来るさ」
カーリー:  「その考えにはひとつ間違いがあるね。ヤツは俺達が誰だか知ってる。たとえあんたに向かって撃ったとしても、あんたを撃ち抜くまではそんなこと信用したりしないさ」
フィル:  「まぁ、いいように考えるさ。こっちへ来て」
ヘイズとカーリーはお互いを見合わせた。
フィル:  「まあ、あんたらが手を貸してくれてもくれなくても、俺は馬に向かって走って行くさ。それと、間違えないでくれよ。俺はあんたらのためにするんじゃない。妻と俺自身のためにするのさ」
カーリー:  「いいだろう。それしかないんならそうするよ。(彼は銃を出し、シリンダーを調べて)帽子を傾けてくれ」
フィル:  「帽子を?」
カーリー:  「そう。あんたの帽子を撃って頭から落とすよ。俺がほんとにあんたを撃とうとしてるってヤツに信じさせるにはそれしかない」
フィルはいぶかしげに帽子を傾けた。
ヘイズ:  「相棒は失敗なんかしませんよ、アーチャーさん」
フィル:  「二・三時間後には戻るよ、助けを一杯連れてな」
フィルは岩の陰からダッシュして、馬のところまで行った。カーリーは彼を追って二度撃ち、それから充分に狙ってフィルの帽子を吹っ飛ばした。フィルはなんとか馬のところまで行き、馬に乗った。ビリングスは一部始終を顔をしかめながら見ていた。彼の大きなシャープのライフルは三脚の上にある。三脚は昔からの正統なバッファローハンターの装備品である。ビリングスはほとんど心を決めていた。彼はフィルに狙いを定め、ライフルで彼を追った。彼は撃った。フィルの馬は後足で立ったあと倒れ、そして立ち上がった。フィルは倒れたままだった。ヘレンは急に立ち上がって夫の下へと走っていこうとした。ヘイズは彼女の腕をつかもうとしたが、つかみ損ねた。ヘイズとカーリーはそのまま動かなかった。彼女の後を追って殺されるのはいい考えではない。ヘレンは倒れている夫のところにたどり着いた。馬はそばにいる。ビリングスは何の感情も表さずに見ていた。ヘレンは音の横にひざまずいている。フィルは彼女を見上げ、痛みで歯を食いしばった。
フィル:  「あの岩のくぼみに戻れ!俺は足を折って動けない。早く、早くここから出るんだ!」
彼女は彼を見て、ゆっくりと立ち上がった。そして突然馬の方に向かって走り出し、飛び乗って馬を走らせて去っていった。ビリングスはヘレンのこの動きは予想だにしていなかったので、彼女を狙うのが少し遅れ、慌てて発砲した。ヘレンは馬の上で体制を低くしてそのまま走り去った。ビリングスの弾は外れ、彼女は走りつづけた。ヘイズとカーリーはヘレンができるだけ体を低くして走り去るのを見守った。
「やったぜ。ヤツがリロードするまでにはここから抜け出せる」
カーリー:  「あいつはどうかな、アーチャーの具合は?」
ヘイズ:  「さっき奥さんが話し掛けてたぜ」
カーリー:  「それじゃきっと大丈夫だな。奥さんがここから出て行ったあの様子じゃ大丈夫だ。さて、今度はお友達のビリングスのことを心配しなきゃな。ヤツはまだ場所を変えてないようだ。場所を変えるほどおつむがいいと思うか?」
ヘイズ:  「キッド、そう考えるのが妥当じゃねぇかな。2時間もしたら奥さんが助けを連れて帰ってくる。そのことをビリングスはわかってるんだ」
カーリー:  「そう言うと思ってたよ。じゃあ俺達がすることっていやぁ20分ごとにやつが場所移動したかどうかを確かめることだよな。だろ?」
ヘイズ:  「その通り。それには俺達のどちらかがそこに出て撃たれるしかねぇな。少なくてもこっちが動き回ってりゃあ生き延びるチャンスがあるってもんさ。ここにネギしょった鴨よろしくじっとしてるってのはどうかと思うぜ」
カーリー:  「ヘイズさんよ、おまえさんが『俺達のどちらかが何かをする』って言う時は俺はビクビクするんだ。だってよ、それってたいてい俺なんだからな」
ヘイズは時計を見た。
ヘイズ:  「よし、じゃあこうしよう。ヤツがさっき撃ってから二・三分たった。ヤツが安全なところへ行くまでにはあと15分はかかる。そしたら俺達のうちのどっちかが出て行っておとりになるんだ」
カーリー:  「俺達のどっちか、ね。で、どっち?」
ヘイズ:  「そうさな、キッド、お前いつも俺よりも速く走ったよな」
カーリー:  「尻に火がついてる時以外はな。尻に火がつきゃお前の方が速いよ」ヘイズはもう一回時計を見た。
ヘイズ:  「キッド、俺は傷がうずいて困ってるんだ。この時計だって5キロほどあるみたいに重い気がするんだぜ」
二人は完全にしらけた様子で顔を見合わせた。岩のむこうでは馬がうろついている以外は何も動いていない。フィルも倒れたところでじっと横たわっている。岩の後ろではカーリーが顔に帽子を乗せて休んでいる。ヘイズは時計を見た。
ヘイズ:  「時間だぜ、キッド。どっちかが出て行かなきゃビリングスの居場所がわからねぇぞ」
カーリー:  「だから聞いてるだろ。どっちだよ?」
ヘイズ:  「そうさなぁ・・・歳下が行くてのはどう?」
カーリー:  「やめてくれよ。おれはお前さんより二・三歳下なだけだろ、ヘイズ?たいした違いじゃなけりゃ、それは違いとは言わないんだよ」
ヘイズ:  「じゃ、アルファベット順ってのは?」
カーリー:  「いいよ、Joshua と Thaddeus で行くんなら賛成だ」
ヘイズ: 「ガキん時にかけっこで勝ったのはどっちだ?」
カーリー:  「わかったよ、ヘイズ。お前さんは怪我してるんだよな。でもさ、銭返しで決めるってのがすっきりするんじゃない?」
ヘイズは自分の考えを言おうかと考えてみたが、もう時間がなかった。彼はコインを取り出して、投げる準備をした。
ヘイズ:  「よし、どっちだ?」
カーリー:  「裏だ」
ヘイズはコインを投げ、カーリーに見せた。カーリーの反応で負けた事がわかる。彼は体を起こしてブーツを脱ぎ始めた。
ヘイズ:  「何やってんだよ」
カーリー:  「何やってるように見えるっての?ブーツを脱いでるんだよ。ブーツってのは歩きにくいし、走るなんてもってのほかだ。俺は少しでも早く走りたいんだ」
ヘイズ:  「それはわかるんだがな。でもお前いつも言ってるじゃないか。死ぬ時はブーツを履いていたいって」
カーリー:  「なぁ、ヘイズさんよ。俺さ、時々なんでお前さんのことが好きなのかわからなくなるよ」
カーリーは飛び出して、茂みと岩の間をジグザグに走った。弾が一発、彼の足元に当たり砂を飛び散らした。カーリーは体を伏せて転がり、また走ってもとに戻って行った。もう一発弾が飛んできたが、彼は岩のくぼみに戻ったところで弾は当たらなかった。かれは息を切らしている。
カーリー:  「どこから撃ってた?」
ヘイズ:  「おんなじとこだ。これっぽっちも動いちゃいねぇよ」
カーリー:  「よしてくれよ、無駄骨だったってことか?」
ヘイズ:  「そんなこたねぇよ。ヤツがどこにいるかがわかったんだ」
カーリー:  「ああ、で、もう20分したらまたおんなじことを繰り返さなきゃならねんだよな。ヤツが動いてるかも知れないからな」
ヘイズ:  「ああ、わかってるよ」
カーリー:  「よし、次はどっちが行くんだ?」
ヘイズ:  「まぁ、また銭返しで決めるか。その方が公平だもんな、お前が言ったように」
カーリー:  「ちょっと待った。今さっき銭返しで俺が負けたんだぜ!次はお前が走る番だろう?」
ヘイズ: 「なんでだよ?最初んときは銭返しで決めるのが公平だったんだろ?じゃあなんで次はちがうんだ?」
カーリー:  「俺がもうさっきおとりになったからだよ。次はお前の番だ」
ヘイズ:  「キッド、ちょっとこの腕、見てくれよ。俺怪我してんだぜ」
カーリー:  「ヘイズさんよ、俺達が最初このくぼみまで走ってきたときはお前さん全然平気で遅れずに走ってたじゃないか。怪我してるからって足が遅くなったりしないよ、全然しない!」
ヘイズ:  「なぁ、キッドよぉ、やっぱり銭返しが一番公平だと思うぜ。それがお決まりだもんよ。お決まりといやぁ・・・」
カーリー:  「ヘイズ・・・お前さん、覚悟するのに20分もあったんだぜ。さっき俺がやったように出て行くんだよ。でなけりゃ、お前にガンを突きつけて行かせるまでだ。わかったか?」
ヘイズ:  「わかった、わかったよ!乱暴なことすんなよ。キッド、お前時々いやなヤツになるよな」
カーリー:  「ああ、わかってるよ。なんでそうなるのかもわかってるっての」
ヘイズはカーリーの言うことを無視して、ヘレンが走っていった方向を見やった。そして時計を見て、二人はじっと待った。ヘイズはブーツを脱ぎ始めた。
ヘイズ:  「あぁ・・・この傷、ほんとに痛んできやがった。キッド、ほんとなんだ、こんなんじゃダメだよ」
カーリーは全然同情の余地なしである。
カーリー: 「血なんて出てないじゃないか。なんでそんなに気弱になるんだよ?ほんとのこと言うと、俺だって気弱になってんだよ。さ、もう一足のブーツ脱いで走れってんだ」
ヘイズ: 「あすこって、どうなってる?サボテンはたくさんある?岩は?爪とかも落ちてるのか?」
カーリー: 「いいから、走って行けっての。戻ってくるまでの間なんて何にも感じないよ、ほんとだから」
ヘイズはもう一足のブーツを脱いだ。彼は飛び出して走った。しかしカーリーほど速くは走れない。弾が一発彼を狙ったが、すんでのところで外れた。ヘイズは身をかわして岩に向かった、その岩が隠れ蓑になって次の弾も彼の後ろのところで泥を飛び散らした。
ヘイズ:  「キッド・・・お前のお陰で俺はじいさんになっちまったみたいだよ」
カーリーはヘイズの傷を見て
カーリー:  「あらま、血が出てきてるよ。なんでもっと注意しないんだ?」
ヘイズ:  「あのなぁ」
カーリー:  「来いよ、血を止めてやるよ」
カーリーは自分のバンダナを外してヘイズのシャツの背中のところに当てた。
ヘイズ:  「動いてねぇみたいだな」
カーリー:  「ああ、全然」
ヘイズ:  「そうらしい。ちくしょう、気をつけねぇとな」
時間は過ぎていく。フィルはまだじっと横たわっている。ヘイズはくぼみで横になって休んでいた。カーリーは近くに座って小石を投げている。ヘイズはまた時計を見た。
ヘイズ:  「さてと、また出て行く時間だぞ、キッド」
カーリー:  「何だと?さっき銭返しで俺が負けた、だから俺がまず出たよな。それからお前が出た。なら今度はまた銭返しだろ?」
ヘイズ:  「ちょっと待った。原則はこうだろ、まずお前、それから俺だ。なら次はまたお前の番だ」
カーリー:  「そうじゃない、原則はこうさ。銭返しで俺が負けて俺が出た、次にお前だ。だからまた銭返しだろ」
ヘイズ:  「まてよ、俺は2回も続けて出るのはいやだ。俺は肩が痛くて死にそうなんだ。出血多量なんだよ。だから俺は行かない。そういうことだ」
カーリー:  「わかった、いい考えがある。銭返しにするかどうか、銭返しで決めるってのは?」
ヘイズ:  「なぁ、俺達はさっきどっちが先に行くかを銭返しで決めたんだ。だろ?それによ、俺がギャンブルってもんが好きじゃねぇってこと、お前知ってんだろ」
カーリー:  「わかってるよ、俺だって同じさ」
結局のところ、二人はどちらも行きたくないし、相手を行かせたくもないのだ。でもどちらかが行かなくてはならない。
カーリー: 「これから先も長いことここで助けを待たなきゃならねんだ。それまではずっと同じことを繰り返すしかない。だったら俺が出てくよ、俺の番ってことにして」
ヘイズ: 「ならさっきはなんで俺たち言い争ってたんだ?」
カーリー: 「なんでもないさ。つまらねぇことさ」彼はブーツを素早く脱いだ、というのも、必要以上に考える時間を持ちたくなかったからだ。カーリーは走って出て行き、また弾を二発撃たせた。岩の後ろで転がるように倒れ、しばらくは話も出来ない状態だった。
ヘイズ: 「キッド、やっと計算できた。農場まで行って引き返してくるのに二時間かかるとしたら、助けが来るまでにはあと一回これをすりゃあいいんだ」
カーリー: 「ほんと?じゃ次はお前の番だ。きっちり平等だな」
ヘイズ: 「まあな、わかってるって。でもよキッド、もしビリングスの野郎が俺をとっ捕まえたとしたらよ、お前が俺の死体をつきだして賞金もらってくれよ」
カーリー: 「何だって?なんでそんなことができるんだよ、ヘイズ?なんでお前を賞金のためにつきだしたりできるんだ?俺がお前の賞金をもらったら、誰が俺の賞金を手に入れるってんだよ?」
ヘイズ: 「なぁ、考えても見ろよキッド、わかるだろ?」
カーリー: 「お前が死んだって俺はそんなことはできやしない。もう忘れようぜ・・・」彼の声はガンを撃つ音で聞こえなくなった。二発の発砲は立て続けに聞こえた。二人はお互いを見合わせた。
カーリー: 「あのさ、もしお前が今走ったとしても何も起きねんじゃないかと思うんだけど?」
ヘイズ: 「ああ、俺もそう思う」二人は待った。何も起こらない。ついにヘイズはゆっくり立ち上がって遠くを見た。
ヘイズ: 「キッド、アーチャーを見に行こうぜ」二人は小走りにフィル・アーチャーが倒れているところに行った。
カーリー: 「どんな具合?」
フィル: 「脚が折れてるが、大丈夫。さっきの発砲はなんだ?ガンの音みたいだったが」
ヘイズ: 「俺たちにもわからねんだ」ヘレンがこちらに向けて馬を進めているところだった。手にはガンを持っている。彼女は速くは走らせておらず、ゆっくり歩くようだった。
カーリー: 「そうか、そういうことね。あんたの奥さんだよ。あんたが二時間ももたないと思ったんだな」 フィルは体をよじらせて起き上がり、妻が近づいてくるのを見ていた。アーチャーは一時妻の愛と献身を失ったと思ったが、今、そうではないとわかった。ヘイズとカーリーは馬に乗って、山の中に入っていく。
カーリー: 「ヘイズさんよ、もう文句はやめてくれよ。結局はよかったじゃない?それに俺達はまだこの罠で金儲けができるんだしよ」
ヘイズ: 「キッド、言ってるだろ、罠では損するだけだって」
カーリー: 「それがお前さんの悪いとこだよ、ヘイズ。人間の本質ってものを全然信用しちゃいないんだ。いつも俺に人生の明るい部分を見ろって言ってんのはお前さんだろ?」
ヘイズ: 「明るい部分があるときはな」
カーリー: 「じゃあさ、この交渉は俺にさせてくれよ」
ヘイズ: 「なんだよ、急にボスになりたくなったか?」
カーリー: 「ああ」
ヘイズ: 「じゃ、お好きに」
カーリー: 「ありがとよ」
ヘイズ: 「いいって」 ヘイズとカーリーは罠のいっぱい入った荷馬車で町に入った。カーリーはそれを買った男に売ろうとしている。その男は気難しい店主で、金物店の前で罠の一つを手にとって荷馬車の横に立っていた。ヘイズは近くの柱に背をもたれ、カーリーが人生の苦さを学んで帰って来るのを待っている。
店主: 「あんたねぇ、前にも言ったと思うけど、もう一度言ってやるよ。これを買ったときは320ドル払ったよな、でもあんときゃこれは新品だったんだ。今じゃこんなもん使い古しだよ!」
カーリー: 「でもまだたった6日しか使ってねんだぜ。中には全然使ってないのもあるんだ」
店主: 「あんたの言うとおりにしてやりたいが、これは一旦買われちまったもんだ。使い古しだって言うしかないね」
カーリー: 「だけどほんとにほとんど使ってないんだ」彼はヘイズのほうを見た。ヘイズは前に同じ経験をしたことがあるので優しい態度で耳を傾けている。
ヘイズ: 「言ってやれよ、サディアス!」
カーリー: 「俺があんたに払った75%でどう?」
店主: 「使い古しにかい?!(彼は罠を荷馬車の中に放り投げ)そんなものにそんな法外な金は払えないね。冗談じゃない、よくて・・・そうよなぁ、25%だな」
カーリー: 「そりゃぼったくりだろ!!俺達のあばらに銃つきつけて全部かっぱらうのと同じだ!」カーリーは怒り出した。ヘイズは子供に甘い父親のように微笑んでいる。彼は樽の上に座り、両足を上げている。
店主: 「まぁまぁ。俺の言い分は変わらないね。一旦買われちまったものは使い古しなんだよ!」カーリーは帽子を脱ぎ、イライラしてそれを地面に投げつけた。
店主: 「ほら、25%だ、これしか出来ないね。どっちにしろこの値段に文句は つけられないよ」
カーリー: 「50%にしてよ、死んだクーガーもつけるからさ」
店主: 「死んだクーガーを俺にどうしろって言うんだ?!」
カーリーはまだ文句を言っている。どうせ勝ち目はないのだが・・・

Closing Theme and Credits


Original Review Compiled by Kathy Thomas
translated into Japanese by Hikkn
Text in blue is from the script.


This page is a translation of the Episode Summary from the web site "Alias Smith and Jones Scenes". We truly appreciate that Ms. Teresa E. Rice, who is a webmaster of AS&J Scenes, willingly allowed us to translate and show the summary on this page for Japanese fans.
そして、懐かしの「西部二人組」のセリフ回しそのままに、翻訳の労をおとりいただいたひっくんさんに、心より感謝いたします。

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